予防だけでなく感染後も考える

厚生労働省は、新型コロナウイルス軽症者に関して、指定宿泊施設での安静・療養を原則とする、と発表している。しかし、例外的に自宅療養も認められている厚生労働省は、新型コロナウイルス軽症者に関して、指定宿泊施設での安静・療養を原則とする、と発表している。しかし、例外的に自宅療養も認められている

まだまだ予断を許さないコロナ禍。いつ、誰が感染してもおかしくはない。予防だけでなく、「明日は我が身」と感染後のことも考えている人は少なくないだろう。

国は感染者のなかでも軽症者に関しては、指定宿泊施設での安静・療養を原則としている(2020年4月23日厚労省発表)。しかし、施設が足りなかったり、育児や介護などがあってやむを得ず施設利用ができない場合は、例外的に自宅療養も認められている。例外とはいえ、多くの人は「できれば安心できる自宅で療養したい」と考えるはずだ。そこで国は4月2日公表の「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について」で、自宅療養対象者の判断基準を定めている。これはQ&A形式で自宅療養者の判断基準や療養中の過ごし方などを示したものだ。同資料は療養中の食事などのことを追加して8月7日に改訂された。この内容を基に自宅療養の基準や療養解除までのフローなどを解説しよう。

「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について」に関するQ&Aについて(その8)

自宅療養対象者の判断基準

まずは自宅療養対象者の判断基準を確認する。軽症者のなかでも重症化する可能性が高い次の4つに該当しない人は、医師の判断によって宿泊施設や自宅での療養の対象者となる。

1.高齢者
2.基礎疾患がある人(糖尿病や心疾患を有する人など)
3.免疫抑制状態である人(抗がん剤を用いている人など)
4.妊娠している人

上記以外で次のような要件に該当する人は、外出しないことを前提に自宅療養が認められる。

・一人暮らしで自立生活が可能である人
・以下の点を総合的に判断して保健所長が自宅療養対象者と認めた人
1.同居家族等が重症化リスクのある人や医療介護従事者の場合、生活空間を完全に分けられること。
2.同居家族等が重症化リスクのある人や医療介護従事者でない場合、寝食、風呂、トイレの使用時などに適切な感染管理が可能なこと。
3.同居家族等に喫煙者がいないこと。
4.対象者が同居者の育児や介護を担っていて代わりの人がいない場合、同居者も含めた体調管理や体調不良時の対応を保健所や地域の福祉サービス等で調整可能なこと。

自宅療養中にやるべきことと療養解除の要件

自宅療養中に外出はできない。療養中は保健所から一日一回健康状態を聞かれるので、体温や咳、鼻汁、倦怠感、息苦しさの有無などを報告する。症状が変化した場合は、あらかじめ保健所から伝えられた相談先へ速やかに連絡をする。

自宅療養が解除される要件は、症状の有無によって異なる。症状がある場合は、次の①または②のいずれかを満たす必要がある。
①発症日から10日経過し、さらに症状軽快後72時間経過している。
②発症日から10日経過以前に症状軽快し、その後2回連続でPCR等検査の結果が陰性になる。

症状がない場合は、次の③または④のいずれかを満たす必要がある。
③陽性確定の検体採取日から10日間経過する。
④陽性確定の検体採取日から6日間経過した後、2回連続でPCR等検査の結果が陰性になる。

なお、就業制限も自宅療養の解除基準を満たした時点で同時に解除できるとされており、厚生労働省では「復職時に職場等へ陰性証明を提出する必要はない」としている。くわしくは「もしも新型コロナに感染したら?厚生労働省のマニュアルから学ぶ軽症者自宅療養の対処法」の記事を確認してほしい。

自宅療養中は、自分で検温などを行い、毎日その結果を保健所へ伝える自宅療養中は、自分で検温などを行い、毎日その結果を保健所へ伝える

食事の確保のため1日4500円まで補助が可能に

今回追加されたおもな項目として、自宅療養中の食事に関することがある。療養中は外出ができないため、配食サービスを利用することも考えられる。その場合、1食あたり1500円、1日3食当たり4500円(配送費、飲料費除く)を上限として補助を受けることができる。

また療養中は、保健所が症状の変化に備えて健康状態の定期的なチェックや相談窓口の確保といったフォローアップ体制を整備することになる。そのフォローアップは医師会などへ外部委託することも検討されており、患者の体調チェックは本人がスマートフォンなどのアプリへ入力することも考えられている。

感染しても慌てずにしっかりとした行動を取るために

最後に自宅療養をする人のPCR等検査から療養解除までのフローをまとめると以下のようになる。

1.検査を受ける際、入院が必要なさそうなら保健所へ宿泊療養または自宅療養の可否を確認
2.検査結果が陽性
3.保健所へ患者発生の届出
4.保健所が自宅療養を認める
5.保健所が自宅療養対象者リストを作成・フォローアップ体制の準備
6.公共交通機関以外で帰宅
7.保健所においてフォローアップを実施
8.要件を満たせば自宅療養解除

新型コロナウイルスは、感染しないことが自分のためにも周りの人のためにも第一。しかし、いくら気をつけていても感染することはあり得るのが現状だろう。そのとき慌てずにしっかりとした行動を取るため、事前に「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養及び自宅療養の対象並びに自治体における対応に向けた準備について」を確認しておきたい。

「with コロナ」の現在、日常的にマスクの装着や「3密」を避けることはもちろん、感染した場合の対処法も知っておくべきだろう「with コロナ」の現在、日常的にマスクの装着や「3密」を避けることはもちろん、感染した場合の対処法も知っておくべきだろう

2020年 09月17日 11時05分