商店街にある、元子ども服店が拠点!

八百屋やブティック、飲食店などがずらりと立ち並び、老若男女がわいわいと行き交う茨木阪急本通商店街。JR茨木駅と阪急茨木市駅の中間あたりに位置するこの商店街の一角に、「リノベのいばらき」はある。大阪府茨木市の「リノベのいばらきプロジェクト」という地方創生の一環で、2017年12月にオープンした。株式会社日本旅行が運営受託者となり、まちづくりシンクタンクの株式会社ダン計画研究所などが連携して運営を行っている。

「子育て世代である、20代30代の方々の社会活動の場を広げようという目的でスタートしました。茨木市の地域活性化のために、DIYとリノベーションを軸に集客拠点を設けて、まちづくりをしていこうというものです」と株式会社日本旅行の武田さんは話す。拠点に選ばれたのは、元こども服店。屋根を外したりする解体作業も市民参加型で行った。茨木市広報誌などでもワークショップ情報は公開され、学生や市民など約25名が集まった。

大正12年に建てられた物件。商店街の端っこではあるが、人通りの多い場所にある。入口がガラス戸なので、中の様子もよく見える大正12年に建てられた物件。商店街の端っこではあるが、人通りの多い場所にある。入口がガラス戸なので、中の様子もよく見える

賑わいの残る商店街が、いい宣伝効果に

左から、株式会社日本旅行の武田倫さん、水曜常駐スタッフ兼整理収納アドバイザーの西島ますみさん、株式会社ダン計画研究所の宮尾展子さん左から、株式会社日本旅行の武田倫さん、水曜常駐スタッフ兼整理収納アドバイザーの西島ますみさん、株式会社ダン計画研究所の宮尾展子さん

現在、毎週水曜日はDIY専属スタッフが常駐してオープン。それ以外の木曜〜日曜もチョークアート講座や収納整理術など様々なワークショップが、毎週行われている。4月に行われたさくらまつりのイベントに関連づけて行ったワークショップには、1日で約65名が参加した。

「この場所は、立地的に恵まれています。JRと阪急電鉄どちらの電車も利用でき、交通の便もよく、大阪の都心部にも関わらず自然も割と多い。ここから徒歩で2分ほどのところに茨木神社もあります。神社には初詣や七五三などの機会にお参りに行くことも多いため、地元の人たちの多くが通ります。歴史的な場所が近くにあるのは、大きな魅力のひとつですね。衰退している商店街が増えている中、これだけ活気のある商店街も珍しいことです」と、株式会社ダン計画研究所の宮尾さんは話す。商店街での買い物の帰りや移動途中などに、中の様子を見ていく人も多く、少しずつ認知が広がっている。実際、ワークショップの参加者は、通りすがりや知人の紹介だという方がほとんどだそうだ。

自分たちでまちを高めるまちづくりを目指す

ところで、なぜDIYを運営の軸に置いているのか聞いてみた。

「人口が減少していく中で、子育て世代が暮らしやすく、活躍できるまちにするにはと考えた時に何が大切か。それは、自らがまちづくりに参加していくことです。私たちはそれを『自分たちでまちを高めるまちづくり』と呼んでいます。ものをつくる側にまわるということは、動く人になるということ。自分たちで行動を起こすという意識を育てるための最初の一歩をDIYは担えると考えています。最初の入口は棚づくりでも、将来的にはまちを変えていけるような人が育っていくのではないか、可能性は大いに秘めていると思います。待っているだけではなくて、自分からなにか活動を起こす人。そういう人が集まってくれたら、茨木はアクティブな町になりますよね。リノベのいばらきはまだ小さな拠点ですが、ゼロがプラスになった最初の一歩です。ここに来てくれている100人が一歩ずつ進めば、大きな一歩にもなり得ます」と宮尾さん。

現在はワークショップ企画を運営側が主導で発信しているが、次第に、自由なアイデアが生まれて多様な使われ方が出てくることを期待している。現在はその種まきをしている段階なのだ。

あーでもないこーでもないと言いながら、わいわいと一緒につくる仲間に会えるという状況が生まれている。子どもも一緒にできるワークショップも夏休みに向けて、計画中。こういう経験ができる貴重な場としても活用していきたいと話すあーでもないこーでもないと言いながら、わいわいと一緒につくる仲間に会えるという状況が生まれている。子どもも一緒にできるワークショップも夏休みに向けて、計画中。こういう経験ができる貴重な場としても活用していきたいと話す

まちづくりとは、帰れる場所をつくること

走り出してまだ半年。一年一年段階を追いながら、この場所がまちづくりの拠点になっていくことを目指していく。最終的には、市の援助なく自走していくことが理想。具体的には、貸し出しスペースの利用が増えたり、自発的なイベントがこの場を介して起こっていくといったことだ。

「帰れる場所があるまちを、人は自分のまちだと思います。例えると、実家のあるまちのような感覚でしょうか。ここでの活動が想い出になり、気軽に立ち寄れるような場所になれば、きっと茨木市を自分のまちだと思える人が増えていきます。そうすれば、茨木市を選んで居住する人口や活動する人口も結果として増えていくのではと想定しています」と宮尾さん。

この場所が地域住民のサードプレイスとして機能してほしいという茨木市の願い。スタートしたばかりのリノベのいばらきがどのような場に育っていくか、楽しみにしながら動きを追っていきたい。

「民間のDIYラボはありますが、意外とこういう場所ってないんです。ものを売って自走できても、人が集まれる場所でなければ意味がないので、利用しやすい環境に整えていきたい」と武田さん「民間のDIYラボはありますが、意外とこういう場所ってないんです。ものを売って自走できても、人が集まれる場所でなければ意味がないので、利用しやすい環境に整えていきたい」と武田さん

2018年 06月19日 11時05分