厳しい気候に順応するカナダ住宅の品質は

カナダの森林風景カナダの森林風景

最近、マイホームを建築予定の人は、いろいろな建築雑誌を読んだり公開中の展示場を何カ所も訪ねたりして真剣に勉強する人が増えているという。そういった多方面から研究した人が検討する家のひとつにカナダ輸入住宅が選ばれていると聞き、なぜ、カナダ輸入住宅なのかを検証するため、福岡市早良区にあるセルコホーム〈福岡西〉(株式会社福岡住宅)にお話を聞いてきた。

「カナダ住宅を選択される方は、断熱性や気密性、耐久性や耐震性など住宅の性能を重視する方が多い傾向にあります」と同社住宅事業部部長の目良雅人氏の談。
「南北に長く広大な国土を持つカナダは、極寒の地から夏には35℃を超える地域まであり、冬の厳しい寒さ対策、夏の暑さ対策は住まいの重要課題でした。そのため昔から断熱・気密、省エネ効果に関する技術開発や改良が繰り返され、その住宅は世界のさまざまな土地の暮らしに適応できる高性能・高品質な住まいとして世界水準で認められています。また、カナダは地球上の森林の約10%を有する世界最大の森林資源国であり、その90%以上が公有林。伐採や保護はすべて国や州によって管理されているので、良質な木材を入手することができ、日本での家づくりにふんだんに使用できます」と、カナダ輸入住宅を推奨する理由を話してくれた。

次世代省エネ基準と比べ、断熱材の厚さは2.45倍

断熱材は良質なカナダ製細繊維グラスウールを外壁152mm、床216mmの厚さで高密度に敷き詰められる断熱材は良質なカナダ製細繊維グラスウールを外壁152mm、床216mmの厚さで高密度に敷き詰められる

カナダ輸入住宅は「夏涼しく冬暖かい、冬の寒さもエアコン1台や薪ストーブだけで暖が取れる」といわれるが、これは断熱性能が高いからだ。

同社のカナダ輸入住宅の基準を例に挙げると、断熱材は良質なカナダ製細繊維グラスウールを天井216mm、外壁152mm、床216mmの厚さで高密度に敷き詰め、家全体を覆っている。住宅金融支援機構のフラット35の適用基準値(Ⅲ地域)では天井55mm、外壁45mm、床45mm、さらに次世代省エネ基準値(平成11年基準)でも天井180mm、外壁 105mm、床90mmと定められており、断熱材がいかに厚いかわかる。
また、暖かさの基準を示すR値(熱抵抗値)は断熱材の厚さと密度で決まるが、同社が推奨する家の場合、フラット35の適用基準と比べると3.89~4.9倍、次世代省エネ基準値と比較しても1.53~2.45倍のR値を示している。数字の上からも断熱性能の高さを納得できよう。

断熱性・気密性を高めた上で結露を防止するために、窓にはアルミサッシに比べて熱伝導率が低いカナダ製高性能樹脂サッシを標準装備。さらに、熱を通しにくいLow-E2加工のアルゴンガス入り複層ガラスを使用し、2枚のガラスの間隔も通常95mmに対してカナダ輸入住宅では145mmもあり、開口部の断熱性や気密性をぐんとアップしているそうだ。同社のカナダ輸入住宅(同社標準仕様約41.5坪の建物)の場合、次世代省エネ基準と比べると、省エネルギー性能は1.6倍以上、1m2当たりの隙間相当面積は4分の1と高い省エネ効果と気密性を誇っている。
冬場の結露を極力なくし、夏の冷房効率を高め、1年中快適に過ごせる理由がここにもある。

高耐震性・高耐久性を実現する2×6工法の住まい

換気システム換気システム

家づくりの画期的な工法としてもてはやされた2×4(ツーバイフォー)工法もカナダなど北米の高規格な住宅基準によって開発・発展した工法で、壁パネル、つまり「面」で支える枠組み壁工法によって外部からの力に強さを発揮し、耐震性能や耐久性を高めている。
同社のカナダ輸入住宅は、2×4工法の強度のさらに上をいく2×6(ツーバイシックス)工法だ。この2×4や2×6とは枠組材の木材寸法であり、厚さ2インチ×幅4インチ(約90mm)、厚さ2インチ×幅6インチ(約140mm)を表している。つまり、柱の幅において約50mmの差があるというわけだ。この数字だけでも圧倒的な強度を誇っていることがわかるが、さらに2×6工法では壁パネルの強度を保つ柱の間隔を2×4工法の455mmに比べて406mm と狭くして、より高い強度を維持している。

「この2×6工法の分厚い外壁、Low-E2加工複層ガラス、カナダ製高性能樹脂サッシによって高い遮音性も実現しています。約30デシベル以上の遮音効果があるので、室内では外の音を気にせず過ごすこともできます。」(目良氏)

また、高断熱・高気密住宅の場合、換気が気になる方も多いと思うが、24時間セントラル換気システムを標準装備。室内温度の変化を抑えながら、空気を入れ換えて循環させるので常にクリーンな室内環境を維持できる。この換気システムによって各居室間の温度差の解消につながるというメリットも生まれている。

多角形の塔屋や大きな吹抜けなどデザインも多彩でお洒落

モデルハウスのリビングダイニング。他民族国家であるカナダとあって、様々な国の文化や生活様式が活かされたおしゃれなデザインが特長だモデルハウスのリビングダイニング。他民族国家であるカナダとあって、様々な国の文化や生活様式が活かされたおしゃれなデザインが特長だ

カナダ輸入住宅の魅力として、洋館風のお洒落な外観や大きな吹抜けに代表される開放感などが挙げられる。しかも、カナダは多民族国家ということもあって、 住宅の外観や内観にもさまざまな国の文化や生活様式が活かされているので流行に敏感な日本の施主にも受け入れられ、お洒落なデザインに憧れを持つ人も多いという。
大屋根や切妻屋根、レンガ壁やサイディング壁、多角形の塔屋や煙突、大きな吹抜けやアールの下がり壁など多彩なデザインが用意されているので、実例集を見ながらいいとこ取りもできる。

「どちらかというと、女性は輸入住宅の外観や内観デザインに、男性は性能にひかれる方が多いようです」と、目良氏。最近では団塊世代の方がリタイア後の住まいとして「高断熱・高気密などカナダ輸入住宅の性能は取り入れたいが、平屋で和風の外観にしたい」という要望があり、対応したそうだ。

「輸入住宅は高いだろう」と決めつけず、寒冷地に学ぶ心地いい住まいとして選択肢に加えたい

カナダ輸入住宅外観(同社モデルハウス)カナダ輸入住宅外観(同社モデルハウス)

「外観の美しさや見栄えがいいこともあって、輸入住宅は高いだろうと検討することもなく敬遠される方もいるようですが、資材や部材の供給を年間契約で一括して行うといった方法をとることで、抑えた価格での提供を実現できています」と、株式会社福岡住宅の目良氏。一括購入というスケールメリットを活かし てコストパフォーマンスを実現し、日本からの図面を基に現地で約8割まで加工・組み立てを行い、1棟ごとにパッケージして日本に持ってくるといった、直接発注、現地生産、直輸入することで大幅なコストダウンを可能にしているそうだ。

「高い断熱性能と機密性能が相まって冷暖房費など光熱費用を抑えることができ、さらに2×6工法の高い強度により劣化によるメンテナンス費用などの軽減にもつながるので、長い暮らしの中でかかる経費を考えると、決して高くはないはずです。家はそれぞれの家族によって求めるものは十人十色。まずは思いや予算など家づくりについて、大いに夢を語っていただくと良いですね」と、まずは、検討してみることが大切だと話す。
『高そうだから、我が家には手が届かないだろう』と決めつけないで、寒冷地・カナダから学ぶ心地よく暮らせる家の選択肢として輸入住宅を検討してみるのもいいのではないだろうか。

2015年 04月21日 11時06分