「塩辛ハウス(仮名)」が無料の図面を持ってきたよ!

図面て自分でも描けそうですよね図面て自分でも描けそうですよね

2009年に「マンガはじめて家を建てました!」(ダイヤモンド社)という、自分の体験談+家づくり情報を盛り込んだ本を描いた。
私の実家を二世帯住宅にしたときの、家づくりの基本的な知識と、すったもんだの体験を面白おかしく描いたマンガ書籍だ。
そこでこのコラムでは、今家づくりを考えているみなさんの役に立ったり立たなかったりする情報を、楽しくお伝えしていきたいと思う。

顔の形がみごとなベース型をした、「塩辛ハウス(仮名)」の営業さん、通称「ベース君」が、無料の間取り図を持ってきた。
うわ~、楽しみだなあ~。

ところで、この間取り図って、なんだかちょっと自分にも描けそうじゃないですか?特にね、私などはマンガを描く仕事をしているもんで
思うままにささっと描けるだろうと。言ってみれば2Dですからね。描けるに違いないと。

やってみました。方眼紙に。

ちっちっちっ………。チーン。

6畳間に廊下をつけた時点でギブアップ。速い!!

あれは難しいもんですねえ。図は2Dで描かれていても、考える頭の中では3Dになっていないといけない。水回りがここで、階段がここで、接する外壁がこうなって…と、家は上下、表、内側、すべてつながっているのでほんとうに難しい。やはりこれはプロのお仕事なんだな~、と思ったものだ。

ではでは、「塩辛ホーム」の図面を見せてもらいましょう~。

塩辛ホーム(仮名)の「しょっちゅう足の小指をぶつけそうな間取りの家」

足の小指をぶつけそうな間取り足の小指をぶつけそうな間取り

「ふむふむ、玄関横にビルトインガレージ!」

私の父の希望は車庫に屋根がついていることだった。車が汚れるのを嫌がるのだ。でもビルトインガレージなら、1階の一部が車庫になっているからとってもいい。見た目もスッキリカッコいいし。

「とても日当たりのいい北東の2階にお風呂!」
あれ?ウチは道路が北と東にある角地なので、こっち側の日当たりがいいのだ。ここをお風呂にするのはもったいないかも…。でも、ほっけハウスもこの場所にお風呂を提案していたなあ。

図面をよーく見ていたら…
あれ?なんだか廊下部分がやたらとカクカクしている。四角いスペースの中に、それぞれの部屋をとっていき、残った余りのスペースを廊下にしちゃったみたいだ。だからやたらにカクカクしている。しょっちゅう足の小指をぶつけそうな間取りだ。

そしてまた気になる部分を発見。
「んん?ベース君これはなあに?」
「はい、どれですか?」
「この、階段を上がった踊り場にあるのは…」

階段をとととんと、2階に上がったところに四角にバッテンのしるしがある。えーとこれは…なんだ?

「洗濯機置き場ですね」
「…ウッソ」

なんか変でしょこの間取り

階段の上ではだかで洗濯階段の上ではだかで洗濯

「洗濯機置き場ですね」
と答えたベース君だが、明らかにその目に動揺が見える。キョドキョド。日ごろは明るく朗らかだが、時にはヘビのような執拗な一面を持つ私だ。それを見逃すはずがなかった。

「なんで階段上ったところに洗濯機置き場があるの?こんな目につくところに洗濯機を置きたい?音もうるさくない?しかも浴室は離れたところにありますよ?浴室で服脱いで洗濯機のところまで持って行くの?シャーッシャーッ(ヘビの威嚇音)」

「そ、そうですね。これはおかしいですね。直させます。」

というベース君は本気であせっているように見える。この図面をいままで見ていないのか?それってどうなの、確認とかしないの?

この章の冒頭のイラストでしりを見せて洗濯をしているのは私のダンナさんだが、そのダンナさんですら「これがキチンとしたプランだとは、到底思えないです。作り直してきてください。」とビシッと言った。ほんとうにそう言いたくなるほど、とてもチグハグな図面だった。まるで素人が作ったみたい。プロが作ったとは思えない。

私の本「はじめて家を建てました!」で、監修をして頂いた小野信一さんが、取材時にそのことについて教えてくださった。
※小野信一さんは、ホームズプレスのオピニオンのお一人です※

全部とはいわないけど、担当営業が図面を描いていることがあるそうだ。
つまり設計の素人。
ええっ?なんで??

ハウスメーカーの無料設計図ってなんで無料なの?

素人が設計?素人が設計?

大抵のハウスメーカーは、設計図を無料で制作します、とうたっている。全部が全部というわけじゃないけど、営業が自分で図面を引いていることもあるらしい。なんでー?そんなの素人仕事なんだから、無料でも当然じゃん?なんで大切な家の図面を素人に描かせるのだ~。

なんでそんなことになるのか?

ハウスメーカーでは、一人の設計士が3人くらいの営業の仕事を担当する。営業がひと月に「無料の図面依頼」をとってくるノルマが3~5件。図面の修正は3回まで。つまり、3回目の修正の時には契約をとれるようにする。
単純に計算すると

営業3人×無料の図面3件×修正図面3回=27枚の無料図面

だから、一人の設計士はひと月に27枚もの無料図面を描くことになるのだ。
ええっ!?一日一枚描いても追いつかないよ。

設計士の仕事はそれだけじゃなく、契約の取れたお客さんの図面や手直し、現場の立会、書類の作成などいろいろあるので…

契約が取れるかどうかわからない無料図面を描く時間は物理的に無理!というわけ。だから営業が自分で図面を描く…。そりゃあちぐはぐな図面になるよなあ。(すべての場合に当てはまるわけではありません)

そして、次回は起死回生?
塩辛ホームのベースくんが、上司と設計士を引き連れ、再び図面を持ってきた!
なんかカッコいい家だぞ!次回へ続く。

2013年 12月03日 09時51分