これからますますニーズが高まることが想定される中古住宅!

2013年6月、国土交通省が「中古住宅の流通促進・活用に関する研究会報告書」を発表した。その文中には「人口が増加し、都市や経済が拡大していく時代は、右肩上がりの所得や地価を前提として住居を住み替えることが容易にできた」といった内容の記載があるように、昭和の時代を生きた日本人の間では「家を持つ」=「新築一戸建てを建てる」という概念が強かったが、この先は人口や世帯の減少から空家が増加するのは明白で、国としても中古住宅市場を今まで以上に活発に動かしていく方針であることが読みとれる。

そのため、今後は「家を持つための一つの選択肢」として中古住宅購入がもっと身近なものになると想定できるが、設計士がこまやかに対応してくれる注文住宅や、販売スタッフからの丁寧な解説が受けられる建売住宅とは違い、中古住宅購入の際には契約者自身が事前に気をつけなくてはならないポイントがいくつかある。そこで今回は筆者が「床下専門家の視点」から中古住宅購入時のチェックポイントについて解説しよう。

中古住宅購入希望者の不安、ナンバーワンは「見えないところ」

気になっていること、最後までよくわからないこと』についてアンケート(HOME'S調べ)気になっていること、最後までよくわからないこと』についてアンケート(HOME'S調べ)

まずは右図をご覧いただきたい。これは【HOME'S】内の中古住宅購入にまつわる特集記事の中で、中古住宅購入を予定している1,000人に『気になっていること、最後までよくわからないこと』についてアンケートを行った結果をグラフにしたもの。

1位 給排水管の劣化具合
2位 価格が適正かどうか
3位 構造の安全性
4位 耐震性
5位 シロアリや害虫の被害

という上位5項目の結果からも、多くの人たちが中古住宅を購入する際に「自分では見えない部分への不安を感じている」ということことがわかる。中でも戸建て購入予定者は「害虫の被害」に対して関心が高く、ここで私たち「床下専門家」が登場することになる。

建築関係者も意外と知らない?!床下の世界・・・

専門スタッフが床下に潜って目視する方法が最も有効だ専門スタッフが床下に潜って目視する方法が最も有効だ

床下をチェックする際の診断項目は様々で、床下点検口から覗ける範囲内だけを診断することもあれば、実際に床下に潜って各所を見て回る診断もある。しかし、床下は自由には出入りができず日ごろ目にしない場所だけに、建築関係者であっても“床下に潜った経験がない”という人も多く、床下を専門する診断会社との経験値は自ずと差が出やすい。そのため、経年による劣化、施工不良を発見するためには、数多くの事例を診断してきた経験豊富な専門スタッフが床下に潜って目視する方法が最も有効であると考えられる。ちなみに、私たち床下専門家が診断する際には、床下湿度計測や、カビ・腐れ状況などを詳しく調べるのだが、

□ 床にフワつきを感じないか。
□ 虫食いのような小さな穴など、痕が残っていないか。
□ カビの臭いがしないか。
□ 庭の杭など、建物周辺でシロアリに喰害されている箇所はないか。
□ 犬走りと基礎コンクリートの間に隙間や亀裂ができていないか。
  (隙間からシロアリが上がってくることがあるため)

などのポイントについては、みなさんご自身でもセルフチェック可能な項目でもあるため、内覧時や検討時に意識して見てみると良いだろう。

「ホームインスペクション」のススメ、得られるメリットとは?!

ところで、中古住宅の購入だけでなく売却を検討している方にもお勧めしたいのが「ホームインスペクション」(住宅診断)である。まだまだ認知度の低いサービスだが、リフォーム会社や建築会社による無料診断はあくまでも営業活動の一環となっているため、診断を専門におこなっている業者に「ホームインスペクション」を依頼をしたほうが、より正確な診断が受けられると想定できる。また、第三者による住宅診断を受けることによって下記のようなメリットも。

【1】売買時のトラブル軽減
「ひび割れ」「腐食」「給排水管の不具合」「シロアリ被害」など、中古住宅の劣化状況が第三者によって診断されるため、売主にとっては買主に対して誠意ある情報開示ができるし、買主側の安心感にもつながる。そのため、売買契約時のトラブルが軽減できると考えられる。

【2】修繕対策と費用イメージの具体化、売却物件の価値向上
第三者による住宅診断が実施されることによって現状把握ができるため、修繕やリフォームについての優先順位がつけられるほか、修繕にかかる費用を事前にイメージしやすくなる。また売主としては、物件価値を客観的に把握することで、付加価値を高めるための手立てが必要かどうかを検討するきっかけにもなる。

もちろん、「ホームインスペクション」には費用が発生する。
●シロアリの生息・被害
●腐朽
●カビ
●床下給排水管の不具合
●床組の不具合
●基礎のクラック
などを検査した場合、料金相場としては、目視による1次診断がおよそ5万円~6万万円。機械を使用する場合は10万以上かかることもある。「大切な財産の売買」を悔いなく納得できるものにするためにも、専門業者と相談しながら内容や予算を検討してみよう。

2013年 10月09日 10時30分