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【事例あり】不動産一括査定の初期対応や追客の方法を具体的に解説

不動産一括査定サイトを運用しているが、適切な初期対応や追客の頻度がよくわからない。

今回はそんな悩みをもつ不動産会社の方に向けて、不動産一括査定の運用方法について解説します。

実際に不動産一括査定を利用して、多数媒介・売却の実績を出されている方の事例取材も行いましたので合わせてご紹介します。

この記事の対象となる人

  • 不動産一括査定を利用しているが中々結果が出ない人
  • 初期対応と追客の具体的な方法を知りたい人
  • 不動産売却反響を得るための事例を知りたい人

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不動産一括査定の集客をするうえで押さえておきたいこと

不動産一括査定サイトとは「不動産売却をしたい人が査定価格を一括で見積もることができるサイト」です。売却を検討中の方が複数社から同時に価格査定の提案を受けることができるため、多くの方に利用されています。まずは、不動産一括査定を利用するうえで知っておきたいことを解説します。

不動産一括査定サイトとは

不動産一括査定サイトを提供する会社は10社を超え、一般的には反響があったときに課金される仕組みになっています。不動産会社として広告費の見込みが立てやすく取り組みやすいのも一つの特徴です。

広告手法はチラシやポスティング・Webやオフラインなど多岐にわたりますが、不動産一括査定サイトは、効率よく不動産売却をしたいユーザーとつながることができます。

不動産売却を検討している方のほとんどは、一生に一度の経験として不動産売却を行う人たちだと考えられます。不動産の知識がない状態で、売却を任せる不動産会社を選ぶことは難易度が高いです。不動産一括査定サイトを使うことで、その地域で実績のある不動産会社から、複数価格査定を受けられるというメリットがあります。

競合他社がいる前提という仕組みを理解する

不動産一括査定を利用している不動産会社は多いものの、反響が成果に結びつかないという声もよく聞きます。成果を上げるためには「不動産一括査定は競合他社がいる前提」であることを理解して対策を立てる必要があります。

例えば、ホームページやブログを読んで、指名の問い合わせがあった場合、確度は高くなるでしょう。しかし不動産一括査定を利用する売主には、複数社から価格査定をしてほしいというニーズがあります。

競合する複数社からいかに自社を選んでもらうか工夫することが、不動産一括査定サイトと上手に付き合っていくカギとなります。そこで、重視したい点が「初期対応」と「追客」です。

不動産一括査定サイト運用では「初期対応」と「追客」がカギを握る

不動産一括査定では訪問査定につなげられるかが勝負

不動産一括査定サイトの査定には、机上査定と訪問査定があります。机上査定は実際に物件の中を見ず簡易査定する方法です。売主も売却の緊急度が低い場合が多いと考えられます。

一方、訪問査定は実際に物件を訪問し、具体的に売却査定をしたうえで媒介契約へとつなげられる可能性が高くなります。訪問査定につなげるためには初期対応と追客の工夫が欠かせません。

競合他社との差別化を図るための初期対応

初期対応においては、とにかく対応スピードを上げることが重要です。前述したように、不動産一括査定では複数社の中から自社を選んでもらう必要があります。

複数社同時に査定が行われる場合、売主が判断する基準の一つに、初期対応の速さがあります。反響があってすぐに電話をした場合、電話に出ていただける可能性は高いでしょう。

売却理由やタイミングなどを聞くことができれば、その流れで訪問査定のアポイントのチャンスが広がります。連絡が遅れれば遅れるほど、他社もすでにそのような話をして約束を取り付けている場合もあるため、自社の優先順位は落ちてしまいます。

全てではありませんが、訪問査定率を上げるためにも初期対応は速いに越したことはありません。

今すぐ売却を考えていない方のための追客

追客とはただやみくもに量や頻度を増やすということではなく、相手の状況に応じた対応を考えることです。

不動産一括査定サイトの利用者は、今すぐ売却を考えている方ばかりではありません。売却時には人それぞれ理由や事情があります。売りたい気持ちがあっても、売却はまだまだ先ということも考えられます。

問い合わせがあった時点で、今すぐ売りたいのか、時間がかかるのか、その点を見極めて自社なりに分類をしておきましょう。適切なタイミングで不動産売却を依頼してもらえるように、適切な対応を考えてみることが大切です。

【事例】不動産一括査定の初期対応と追客の具体的な方法

それでは、具体的にどのような方法や頻度で初期対応・追客を行っていけばよいのでしょうか?今回は、不動産一括査定を利用して、多数の実績を上げられているユーザーの方にお話を伺いました。

お話を伺った方:だんらん住宅株式会社 中川 真之祐さん

2021年4月だんらん住宅株式会社へ入社。不動産売却専門の営業として活動し、利益の99%を一括査定サイトからの集客で実現し、1年目は未経験で粗利益2,400万円、2年目で粗利益4,000万円(いずれも税抜)を達成。LIFULL HOME’Sや不動産業界関連のセミナー多数登壇実績あり

好きな言葉:「人を愛するように一括査定を愛せ(笑)」

不動産一括査定サイトの利用状況

―まずは不動産一括査定の利用状況を教えてください。

中川さん:一括査定サイト利用社数は約10社以上です。個人としては月間100件ほど反響対応をしています。媒介契約は専任がほとんどで約95%です。不動産一括査定以外に使っている広告はなく、チラシやポスティングも行っていません。

不動産一括査定サイトで初期対応が大切になる理由

―不動産一括査定サイトでの初期対応の方法や流れについて教えていただけますか?

中川さん:不動産一括査定サイトからメールが来たタイミングで、1秒でも早く電話します。つながった場合は、訪問査定を取得するトークをします。つながらない場合は、知らない番号のために出られない可能性もあるので、もう一度着信を入れます。

―やはり初期対応は大切にしているのでしょうか?

はい。初期対応は一番大切だと思います。競合他社より早く連絡することが大切で、比較せずに決める人もいるためです。

例えば、売主さまが最初に連絡があった不動産会社と20分話した場合、2社目以降も同じボリュームで話をするのは大変です。アポイントも1社目で取った場合は2社目以降を断る場合もあります。

選択肢が多すぎると難しくなるので、大体3社ぐらいに絞って話を聞くか専任媒介を選ばれる売主さまが多い印象です。

―初期対応がつながらなかった場合などはどうされていますか?

累計で4回から5回は電話をかけることが多いです。後はメールとSMSで連絡を送ります。メールは、売主さまの売却理由に合わせて役に立ちそうな内容を送ることもあります。これだけの回数電話したらやめるなど、ルールを決めています。

不動産一括査定サイトで選ばれるための追客と工夫について

―不動産一括査定サイトの追客はどのように捉えられていますか?

まずは、反響の種別を大きく2つに分けます。

①すぐの売却につながるのか中長期で売る方なのか
②そもそも対応できるかどうか

①の場合ですぐの売却につながる方は、現地査定をさせてもらうようなアプローチをします。体感ですが、訪問査定日がすぐその場で決まるのは1割ほど、査定書を見てから訪問査定が決まるのは3割と、なかなかすぐには決まりません。そのための追客が必要です。

一方、例えば遺産分割協議で時間がかかっている人に対しては時間を開ける必要があります。3日後に連絡しても状況が変わっているわけではないので、売主さまがどのタイミングで売却するのかはしっかりつかんで追客します。

②の場合は、例えば自社で取り扱っていない借地の案件などの反響があった場合は、お断りするか課金除外申請を行うようにしています。

―追客はどのようにしてされるのでしょうか

机上査定の場合でも、郵送で査定書を送るようにします。しかし、ここまでだと競合他社との差別化はできません。査定書にプラスして、不動産の売却ガイドを送ったり、お客さまの声を郵送で送ったりしています。

売主さまに、お会いしたことがない状態で「会いたい」と思ってもらえるようになるには、どこまで査定書などの資料で説明できるかが大事です。判断基準がないままでは相手も選びようがありません。

―確かにそうですね。お客さまの声も郵送で送られるのですね。

はい。また、お客さまの声やGoogle my businessの口コミを増やすことも注力しています。売主さまとしても、他の方の口コミがあった方が安心できますし、スタッフ紹介のページは自然と見ると思います。サイトも顔も口コミもなければ少し怖いですし、どんな人が来るのかな?と緊張感もあります。

実際にどこの会社を選ぶかは、査定書が届いてから決めますというケースも多いので、そこで選んでもらえるように査定書に厚みを持たせたり、金額もしっかり売出し価格やチャレンジ価格を明記したりすることで、売主さまのための売却プランを考え抜けるかどうかも勝負だと思います。

―追客をするうえで意識している点や大切な考え方はありますか?

一括査定の反響の背景は多岐にわたります。売るための基準を知りたい、絶対売りたい、買い替えであればどのぐらいの検討の幅が出るのか知りたい、など。

今すぐ「本当に売りたい人」だけを集客するのは現実的に難しいです。一括査定を利用する方には、それぞれの人生があります。例えば、親族がお亡くなりになったことに伴う不動産売却の場合、不動産や銀行口座、遺産分割など初めて直面することばかりです。

それぞれの課題に対して適切な情報を得てクリアしていく必要がありますが、不動産会社には積極的に関わってほしくないという方や、すべてを任せたいという方など、さまざまな思いがあります。その一つの手段として不動産一括査定を使っているのだと思います。

反響があったからといって、相手が求めていないことを無理につなげようとせず、上手に距離感をとっていくことが大切です。ご自身で考えられて最終判断する方に対してはこちらから積極的にプッシュするのも逆効果です。恋愛の駆け引きと同じかもしれません(笑)。

一括査定といえども全てが「売却をしたいための査定」ではないことを意識する必要があると思います。

自社が選んでもらえるように、差別化は欠かせないテーマだと思います。

不動産一括査定のメリットやデメリット

―不動産一括査定のメリットやデメリットはどのような点と思われますか?

メリットしかないと思います。外回りが減るので、営業効率が上がること。広告費を払うことで反響が得られるのでわかりやすくシンプルな仕組みです。安定して集客できることも良い部分だと思います。

デメリットを挙げるとすれば、広告費がかかるという点。すぐ売る人ばかりではないので、その点はあらかじめ理解しておいた方が良いと思います。

―不動産一括査定を始める場合はどのような点で選んでいけばよいでしょう

それぞれの会社で広告費に限りがあると思うので、どれだけ売上を上げたいかを考えてみるのも一つの手だと思います。

不動産会社のミカタさんが公表されている訪問査定率などのデータも参考にしながら、自社で目標とする売上を達成するためには、どのぐらいの契約率・訪問査定率が必要かを考えると良いでしょう。

媒体名 訪問査定率 キャンセル率 査定数
LIFULL HOME'S 30.6% 5.2% 909
スーモ 21.5% 3.0% 231
すまいステップ 20.0% 10.6% 1243
HOME4U 17.1% 6.6% 3764
リビングマッチ 14.0% 16.4% 3871
イエウール 12.3% 11.9% 4888
マンションナビ 10.8% 7.6% 303
おうちクラベル 8.8% 9.6% 842

出典:【2022年下半期 一括査定サイト 訪問査定率ランキング】(不動産会社のミカタ)

―ありがとうございました

不動産一括査定の初期対応と追客まとめ

以上、不動産一括査定の初期対応と追客について事例を交えながら具体的に解説しました。

近年は、不動産一括査定も一般的になってきたため、いかに差別化を図りながら媒介契約をもらうかという視点が欠かせません。

事例の中でも述べましたが、方法に正解はなく、売主の事情に合わせて対応することが大切です。

今回の記事が運用に悩む不動産会社の方のご参考になれば嬉しく思います。

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記事執筆・監修

不動産のOTOMO

不動産ブロガー。人材やIT業界などを経て未経験で不動産業界へ。売買営業を経た後に、物件の仕入れや賃貸経営のマーケティング・DXに取り組む。また、個人で不動産業界の魅力を伝えたいと思い、ブログ「不動産のOTOMO」を2021年に開始。2年で300記事以上執筆し累計30万PVのブログに成長。資格:宅地建物取引士