
「不動産売却の反響を得るためにチラシやポスティングは有効?」 「他にどのような手段があるか知りたい。」
今回はそんな悩みをもつ不動産会社の方に向けて、不動産売却の反響につながる広告手法を解説します。広告運用の考え方についても解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の対象となる人
- チラシ、ポスティングは不動産売却の反響につながるか知りたい人
- 広告に取り組んでみたいが、何をすればいいかわからない人
- 新しく不動産売却の反響を増やす取り組みを始めてみたい人
チラシやポスティングは不動産売却の反響につながるのか?

まず、チラシやポスティングは不動産売却の反響につながるのでしょうか?
LIFULL HOME’Sが実施した「不動産売却経験者が利用した情報源に関する調査」によると、売却経験者は、チラシを含め、さまざまな情報源を利用していたことがわかりました。
| 順位 | 利用した情報源 | 割合 |
| 1位 | 不動産会社が運営しているWebサイト | 51.1% |
| 2位 | 不動産・住宅情報Webサイト(一括査定サイト) | 38.5% |
| 3位 | 不動産会社からの営業 | 19.8% |
| 4位 | 付き合いのあった不動産会社を利用した | 17.7% |
| 5位 | 折込チラシ、ポストインのチラシ、郵送のダイレクトメール | 16.4% |
| 6位 | 雑誌・住宅情報誌・フリーペーパー | 14.4% |
| 7位 | その他Webサイト | 14.0% |
| 8位 | 友人・知人・家族からの紹介 | 13.8% |
| 9位 | SNS(Twitter、Instagramなど) | 12.0% |
| 10位 | テレビ番組やCM | 11.4% |
チラシやポスティングは5位にランクインしていることから、ある程度、有効であることがわかります。他にはWebサイトや一括査定サイト・SNSなども利用されています。
では、どのようにチラシやポスティングを活用していけばよいのでしょうか?
チラシやポスティングを用いて不動産売却の反響を得る方法

実際にチラシやポスティングを用いて、どのように反響を得るのか解説します。
ポスティングの方法は1種類ではない
ポスティングは、各個宅の郵便受けに直接チラシを投函する手法です。
戸建てやマンションなどさまざまな物件に配布でき、自分で配布するケースの他に、ポスティングスタッフを雇う方法とポスティング業者に依頼する方法があります。
例えば、自分で配布すると広告コストは低く抑えられますが、その分活動量を増やさないといけないため、時間投資コストは高くなります。一方、ポスティング業者へ代行すると時間投資コストは抑えられますが、広告コストは高くなります。
| 手法 | 広告コスト | 時間投資コスト |
| 自分で配布 | 低 | 多 |
| ポスティングスタッフ | 中 | 中 |
| ポスティング会社へ代行 | 高 | 小 |
自社の現状などを踏まえて、適切な手法を活用する必要があります。
チラシやポスティングのメリット・デメリット
チラシやポスティングは、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリットとしては、自身でチラシを配布する場合は、街や道を覚えることができる点が挙げられます。「不動産会社に入ったらまずはポスティング」というように、これまでも一般的な手法として活用されています。また、不動産は「不」とあるように固定されているため、特定の物件にアプローチできるわかりやすい手法といえます。
デメリットとしては、気の遠くなる作業量をこなす必要がある点、効果測定がしづらい点です。ポスティングは数を増やし、定期的に配布することが必要です。不動産会社としては、不動産売却を依頼してほしいですが、一般的にチラシを投函された物件の所有者は、売却を考えている人の方が少数です。
売却を考え始めたタイミングで手元にチラシがある状態にするためには、一定数を定期的に配布する必要があります。時には反響が全くない、という時期も出てくるため、長期戦を覚悟で取り組む必要があります。
場合によっては、チラシを入れないでほしい、とクレームがくることもあります。
チラシのデザインの工夫が必要
ポスティングを売却の反響につなげるためには、チラシのデザインにも工夫が必要です。不動産所有者の自宅にはさまざまな書類が投函されるため、そのまま捨てられることがほとんどだと考えれます。
「いかに捨てられずに残してもらえるか?」「問い合わせる必要をどうやって感じてもらうか?」などは、注力しておくべきポイントです。
例えば、以下は筆者の周りの方で実績が出た例ですが、他社と差別化を図るチラシを作成することが反響の可能性を高めます。例えば、チラシを無地封筒の中に入れる、イラストではなく写真を使う、などの方法でオリジナリティを出すこともできます。
チラシやポスティング以外の広告も組み合わせる
冒頭のデータにあったように、チラシやポスティングにも多数の広告手法があります。
変化が早い現代においては、ポスティング以外もうまく活用して不動産売却の反響を得ていく必要があります。
Webサイト・一括査定サイト・チラシ・DMなど、自社に合う広告手段を見つけるにはどうすればよいのでしょうか?
ここからは広告に取り組むうえで、大切な考え方や具体的な手法について解説していきます。
不動産売却の広告に取り組む前に考えたいこと

不動産売却の広告で効果を上げるには、自社に合った方法を見つけ出す必要があります。そのためにまず「市場と顧客」「競合他社の動き」「自社の現状と強み」を把握しておくことが有効です。
市場と顧客について
自社が活動しているエリアや市場の特徴を把握しておくことは、広告だけでなく事業展開を考えるうえでも役に立ちます。
地域の特性や人口の増減、高齢者か若年層どちらが多いのか、空き家率、地価の上下など、大きな市場の流れをつかんでおきます。
統計データは行政のホームページや総務省の国勢調査でも確認できます。
参考リンク:国土交通省 令和5年度 土地統計調査
あわせて顧客の年齢層やよく見る媒体、ニーズを把握することも大切です。都心のマンションに住んでいるか、地方の戸建てに住んでいるかで行動は異なります。 競合他社はどのような動きをしているか
競合他社の動きを知ることで、自社に合った広告の活用ができます。
勝率を上げるためには、いかに戦わずして勝つかをテーマに、自社が取るべき戦略を考えるヒントにしてみましょう。他社の成功事例を取り入れて組み合わせることで、自社のオリジナルの施策につなげることができます。
競合他社の調査には、次のような情報収集も有効です。
- 不動産会社の関係者の集まりに顔をだす
- レインズやポータルサイトで販売状況を見る
- 取引先の営業担当者に競合他社の動きを聞く
- 他エリアでうまくいっている事例を探す(SNSやネットで)
自社の現状と強みを知る
市場・顧客・競合を知ったうえで、どのようにして自社の強みを打ち出していくかを考えてみましょう。不動産会社は、各社で強みとしている分野が異なります。総合的に行っている会社もあれば、売買・賃貸・仲介・買取再販などに特化している会社もあります。
自社の強みの言語化は、広告を考えるうえでも役に立ちます。
例えば、「地域で一番●●に強い」「土地活用に強み」「空き家再生が得意」「売主さまのためのセラーズエージェント」などの切り口が考えられます。
自社の強みを紙に書くことで考えが整理されるので、ぜひ試してみてください。
▶︎自社の強みを知る上で参考になる質問例
- 自社の目指すべき方向は?
- 売上の内訳や事業の現状は?
- 今ある経営資源(ヒトモノカネ)は?
- 扱う物件の傾向や利益率は?
具体的な広告手法の決め方
ここまでの解説を踏まえたうえで、具体的な広告手法を決めていきましょう。
大きく以下の3つについて詳しく解説していきます。
①Web・オフライン広告
②不動産一括査定
③コンテンツ・SNS運用
不動産売却反響を得るためのWeb・オフライン広告運用

まずは、Web広告・オフライン広告について解説します。
Web広告
ここでのWeb広告はリスティング広告・SNS広告などを指します。
リスティング広告の例として「不動産売却」とGoogleで検索したときに、ページの上位に「広告」と表記が出るものがあります。クリックすると課金される仕組みのため、クリックされなければ広告費はかかりません。
SNS(TwitterやFacebook、Youtube)でも「プロモーション」や「広告」と表示があるバナーはSNS広告に該当します。
Web広告のメリットとデメリットは、以下が挙げられます。
メリット
- 少ない広告費で始められる
- 特定の地域や年齢層などターゲットを絞れる
- すぐに始められて軌道修正しやすい
- 効果が数値で出るため改善しやすい
デメリット
- ランディングページと呼ばれる自社サイトを充実させる必要がある
- バナー制作の改善が必要
- Webの一定の知識が必要
実施する場合は、まず少額の費用でテストマーケティングをしながら、Webの知識を積み重ね、改善を重ねていきましょう。
オフライン広告
オフライン広告はWeb以外の「テレビ・ラジオ」や「デジタルサイネージ・新聞折込・フリーペーパー・DM」など不特定多数の人に宣伝可能な広告です。
オフライン広告のメリットとデメリットは、以下が挙げられます。
メリット
- ブランディング効果が高い
- 地域を絞って配信できる
デメリット
- 内容が変更しづらい
- 効果測定がしづらい
- 費用が高額なケースもある
テレビCMなどの費用は高額ですが、近年はAI活用により効果測定やカスタマイズした広告も出しやすくなっています。また、行政の広告コーナーをはじめ、タクシーやエレベーターなど、幅広い場所に広告が掲示できる場合があります。
実行する場合は、ある一定期間特定の地域に広告を出し、そのエリアから反響の増減を測定しながら、費用対効果を見ていきましょう。
不動産一括査定を利用して反響を得る方法

不動産一括査定広告は、不動産売却を検討している方からの反響を得ることができます。サービス提供会社は複数ありますが、料金は反響課金型がほとんどで、反響1件あたりいくらと決まっているケースが多いです。
一括査定の仕組みはこちらの記事も参考にしてください。
【あわせて読みたい】
▶︎【不動産一括査定】導入時の費用や注意点は?データを元に解説
売主側のメリットは「複数社から同時に価格査定の提案がもらえる」ことです。
不動産一括査定広告の一番のポイントは「売却の可能性がある売主と直接つながることができる」点です。他の広告にはない魅力ですが、複数社に査定の反響があることを想定して、自社の動き方を工夫する必要があります。
不動産一括査定広告のメリットとデメリットは、以下が挙げられます。
メリット
- 不動産売却に関心のあるお客さまからの反響がある
- 広告費の予測がしやすい
- 顧客資産が積み重なる
デメリット
- 競合他社との競争が激しい
- 定期的にアプローチする必要がある
- 反響の質に濃淡がある
不動産一括査定の運営会社は10社以上あり、サービス内容自体は大きく変わりません。ただ、各社のスタンスや料金体系が異なる場合があるため、実際に問い合わせして確認してみましょう。
不動産売却反響に生かせるコンテンツやSNS運用

通常の広告は不動産売却をしたい人に「売りませんか?」と訴求しますが、コンテンツやSNSの運用は広告以外の手法で「困ったらここに頼みたい」というように、自社のブランディングに役立ちます。
ブランディングがうまくいくと、自社のサービスや姿勢に共感してくれるファンが増え「この人にお願いしたい」というお客さまと出会うことができます。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは「潜在顧客に見つけてもらう」仕組みをつくることです。具体的には、広告ではない記事やお役立ちセミナーなど、コンテンツを使ったマーケティング活動をいいます。
不動産売却に困っている方に向けて、自社のノウハウを用いて解決できることや、お客さま事例などをブログやセミナーで発信することも一つの手段です。
例えばブログであれば、不動産売却に関する自社の姿勢やお客さまの声、買取事例、成約事例などを紹介します。記事を書く時間はかかりますが、会社の休日にもアクセスがあったり、同じ悩みを抱えたお客さまへリンクを送信したりするなどの二次利用にも優れています。
それらのコンテンツが積み重なることが自社の資産となり、営業マンの代わりとなり活動してくれます。
コンテンツマーケティングのメリットとデメリットは、以下が挙げられます。
メリット
- 広告費を使わずに集客できる
- 自社に共感、理解してくれるお客さまから依頼される可能性が高まる
- 費用対効果が良くなる
- コンテンツは半永久的に残り続ける
デメリット
- 即効性がない、成果が出るまでに半年以上かかる
- 途中でやめてしまうと効果が出ない
- 取り組みを周囲に理解してもらう労力が必要
SNS運用
他のSNS運用もコンテンツマーケティングに近い部分もありますが、たくさんの手段があります。YoutubeやTwitterのほか、noteやInstagram、Tiktokなどのほか、2023年7月にはInstagramを運用するメタ社からThreadsという新たなSNSも誕生しました。
さまざまな種類がありますが、結論としては「まず続けられるものを1つ選び、突き抜けるまでやること」がおすすめです。
情報発信自体、費用は抑えられますが、知恵を絞り労力をかける必要はあることは覚悟しておきましょう。労力といえば、ネガティブなイメージかもしれませんが、将来果実となる楽しい労力と思えばポジティブに捉えられるかもしれません。
運用自体を外注するという手段もあるので、自社に合ったスタイルで、取り組みやすいSNSに取り組んでみるのがおすすめです。
SNS運用のメリットとデメリットは、以下が挙げられます。
メリット
- 無料で利用できる(SNSによってはTwitterBlueなどの有料プランもあり)
- 媒体によっては拡散され認知度が上がる
- SNS上で交流できて出会いが広がる
デメリット
- SNSごとに研究が必要
- 即効性がない、成果が出るまでに半年以上かかる
- 途中でやめてしまうと効果が出ない
不動産売却反響を得るために、自社ならではの集客方法を作る

今回はチラシやポスティング、その他の広告運用について解説しました。
最適な広告費で反響を得ることができれば理想ですが、初めから自社に合った広告を見つけることは困難なため、仮説を立てて試行錯誤や改善を重ねる必要があります。短期的な施策と長期的な施策をうまく組み合わせていきましょう。
不動産業界で長く活用されているチラシやポスティングも有効ですが、Web広告やコンテンツ・SNSなどは無料でできますので、コンテンツを積み重ねることで後々大きなパフォーマンスを発揮します。
また、不動産一括査定は高確率で売却反響が得られる不動産業界特有の広告です。うまく活用して、自社なりの集客の仕組みを作ることがおすすめです。
不動産売却反響を得るためのご参考になれば幸いです。