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不動産売却の売買契約書に収入印紙は必要?入手・作成方法も分かりやすく解説

不動産売買を行う場合、売主と買主との間で「売買契約書」を作成し、締結することになります。

売買契約書を作成する際には、原則として収入印紙の貼付が必要です。この収入印紙について、入手方法や、正しく貼らなかった場合に起こりうることなどについて、正しい知識を持っておいた方が良いでしょう。

この記事では、売買契約書における収入印紙の役割について解説していきます。収入印紙の入手方法や売買契約書の作成方法、印紙代を抑えるポイントなども詳しく紹介していきます。

この記事で分かること

  • 売買契約書の役割
  • 売買契約書に貼付する収入印紙を入手する方法
  • 売買契約書の作成方法
  • 売買契約書の収入印紙で起こり得るトラブルと対策
  • 売買契約書の印紙代(印紙税)を抑えるポイント

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もくじ

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そもそも売買契約書とは?

そもそも売買契約書とは、売主と買主との間で商品やサービスなどの売買取引を行う際に、締結される文書のことです。

民法においては、口頭での約束だけでも売買契約は成立しますが、万が一トラブルが発生した際に口約束だけでは契約内容の証明ができません。そこで、売買契約書を作成しておくことで契約内容を明らかにし、トラブルを未然に防いだりリスクを抑えることが可能です。

代表的な売買契約書の種類は以下の通りです。

  • 物品売買契約書
  • 不動産売買契約書・動産売買契約書

物品売買契約書

物品売買契約書とは、商品などの物品を売買する際に作成される契約書です。企業間以外にも対個人の取引でも作成されるケースがよくあります。

物品売買契約は、原則的に当事者が契約内容を自由に決めることができます。当事者同士の認識が一致するように、対象となる物品や仕様などを細かく記載することが重要になります。

不動産売買契約書・動産売買契約書

土地や建物などの不動産を売買する際は、権利関係や税金、契約までの手続きが複雑になるため、「不動産売買契約書」を作成するのが一般的です。

不動産売買契約書は、仲介する不動産会社が作成するケースが大半ですが、不動産会社が仲介せずに個人間で不動産売買を行う際は、売主と買主が協議して作成する必要があります。

なお、自動車や機械など不動産以外の財産(動産)を売買する際は、一般的に「動産売買契約書」を作成します。

売買契約書に収入印紙は原則必要

売買契約書を作成した際は、原則収入印紙を貼付ける必要があります。収入印紙とは、契約書や領収書など経済的な取引を行う際に、作成した書類(課税文書)に課せられる税金(印紙税)を支払うための証票です。

収入印紙は国が発行しており、1円から10万円まで31種類の額面があります。収入印紙を購入し、作成した文書に貼付けて消印することで、印紙税を納めた証明になります。

  • 収入印紙を貼らないと脱税になる
  • 収入印紙が不要なケースもある

ここでは、収入印紙について詳しく解説していきます。

収入印紙を貼らないと脱税になる

課税文書に収入印紙を貼らないと脱税になり、「過怠税」というペナルティが課せられます。

税務調査前に自主的に申出を行った場合は、納税すべき印紙税の1.1倍の金額を支払う必要があります。例えば、本来納めるべき印紙税が10,000円の場合、11,000円を支払わなければなりません。

税務調査によって収入印紙の貼り忘れが発覚した場合、納税すべき印紙税の3倍の金額を支払う必要があります。例えば、本来納めるべき印紙税が10,000円の場合、30,000円を支払わなければなりません。

課税文書を作成した際は、収入印紙の貼り忘れがないように注意しましょう。

参考:No.7131 印紙税を納めなかったとき|国税庁

収入印紙が不要なケースもある

売買契約書に収入印紙は原則必要ですが、以下の取引では収入印紙が不要です。

  • 契約金額が1万円未満の契約書
  • PDFファイルやクラウド型など電子発行された契約書

売買契約が電子契約の場合は、紙の文書が存在せず課税文書にあたらないと判断されるため、収入印紙が不要となります。

売買契約書にかかる収入印紙の金額はいくら?

売買契約書に貼付ける収入印紙の金額(印紙税)は、取引物や契約金額によって変動します。

物品の売買契約の場合、必要な印紙税額は以下の通りです。

契約金額 印紙税額
1万円未満 非課税(一部例外あり)
10万円以下 200円
10万円超50万円以下 400円
50万円超100万円以下 1,000円
100万円超500万円以下 2,000円
500万円超1,000万円以下 1万円
1,000万円超5,000万円以下 2万円
5,000万円超1億円以下 6万円
1億円超5億円以下 10万円
5億円超10億円以下 20万円
10億円超50億円以下 40万円
50億円超 60万円

契約金額がない取引の場合は、一律200円の印紙税が必要です。なお、売買取引基本契約書など継続的取引の基本となる契約書の場合は、一律4,000円です。ただし、契約期間が3ヶ月以内かつ更新の定めがない場合は除外されます。

不動産の売買契約の場合は、令和9年3月31日までは軽減税率が適用され、印紙税額が以下のようになります。

契約金額 印紙税額(令和9年3月31日まで)
10万円超50万円以下 200円
50万円超100万円以下 500円
100万円超500万円以下 1,000円
500万円超1,000万円以下 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 1万円
5,000万円超1億円以下 3万円
1億円超5億円以下 6万円
5億円超10億円以下 16万円
10億円超50億円以下 32万円
50億円超 48万円

なお、契約金額が10万円以下の場合は軽減税率が適用されず、従来の200円を納める必要があります。

※参考1:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁
※参考2:令和6年度 国土交通省税制改正概要|国土交通省

売買契約書の収入印紙を入手する方法

売買契約書の収入印紙を入手する場合には、主に以下の方法があります。

  • 全国の郵便局
  • 全国の法務局
  • 一部の店舗を除いたコンビニエンスストア

全国の郵便局

全国の郵便局の窓口では、基本的に1円〜10万円までの収入印紙全31券種を購入できます。 支払いは現金のみです。

ただし、規模が小さい一部の郵便局では、5万円以上の高額な収入印紙を取扱っていない場合があるため、事前に電話で確認しておいた方が無難でしょう。

全国の法務局

法務局に併設されている売店では、全31券種の収入印紙を購入できます。

なお、法務局の開庁日は平日午前9時〜午後5時で、土日祝日と年末年始(12月29日〜1月3日)は営業していないため注意しましょう。

※参考:法務局の窓口対応時間について|法務局

一部の店舗を除いたコンビニエンスストア

200円など金額の低い収入印紙は、一部の店舗を除きコンビニエンスストアで購入できます。ただし、在庫状況や店舗によっては購入できない可能性があるため、前もって確認しておきましょう。

売買契約書の作成方法

売買契約書を作成するには、以下の方法があります。

  • 売買契約書1通のみの作成方法
  • 売買契約書・売買基本契約書2通の作成方法

売買契約書1通のみの作成方法

売買が1度きりの場合は、売買契約書1通のみを作成するのが一般的です。売買契約書には、売買の対象物や契約の成立時期、代金の支払い方法などを詳細に記載します。

ただし、売主と買主それぞれが保管する場合は、売買契約書を2部作成するケースもあります。

売買契約書・売買基本契約書2通の作成方法

企業間の取引では、物品などの売買が継続して行われるケースがあります。取引を行うごとに売買契約書を締結するのは手間がかかるため、取引の共通項目を売買基本契約書にまとめて、個別の売買における変更部分を売買契約書にまとめるのが一般的です。

売買基本契約書には、物品の検査方法やトラブルがあった際の責任など、主に取引における共通ルールとして定めた内容を記載します。

売買契約書には、商品の価格や数量、納期など個別の取引に関わる内容を記載します。

【ケース別】売買契約書の収入印紙で起こり得るトラブルと対策

売買契約書に貼る収入印紙に関して、よく起こり得るトラブルには以下が挙げられます。

  • トラブル1.収入印紙を貼り忘れた
  • トラブル2.収入印紙の消印がない
  • トラブル3.収入印紙の金額を間違えた

トラブル1.収入印紙を貼り忘れた

売買契約書に収入印紙を貼り忘れた場合、前述の通り、税務調査前に申出を行えば、本来の収入印紙の金額の1.1倍を納めるだけで済みます。しかし、税務調査にて発覚した場合は、本来の収入印紙の金額の3倍を納める必要があります。

収入印紙を貼り忘れると追加で費用がかかるため、忘れないように注意しましょう。なお、売買契約書に収入印紙を貼り忘れたとしても、売買契約自体が無効になることはありません。

※参考:No.7131 印紙税を納めなかったとき|国税庁

トラブル2.収入印紙の消印がない

収入印紙の消印がない場合は、消印しなかった収入印紙の金額を過怠税として追加で納める必要があり、本来の収入印紙の金額とあわせて2倍支払わなければなりません。

消印とは、当事者の印章や署名を、収入印紙と台紙をまたぐようにして押印や署名をすることです。収入印紙を貼付けた際は、消印を忘れないようにしましょう。

※参考:No.7131 印紙税を納めなかったとき|国税庁

トラブル3.収入印紙の金額を間違えた

収入印紙の金額を間違えて貼ってしまった場合、税務署に申請することで還付を受けられる可能性があります。

収入印紙が未使用の場合は、郵便局に持参することで他の額面の収入印紙に交換できます。ただし、購入した収入印紙を現金には交換できず、1枚につき5円の交換手数料(10円未満の収入印紙はその半額)がかかるため注意しましょう。

※参考:収入印紙の交換と印紙税の還付について| 国税庁

売買契約書の印紙代(印紙税)を抑えるポイント

売買契約書の印紙代(印紙税)を抑えるには、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 最新の税率を常に調べておく
  • 電子契約を利用する
  • 本体価格と消費税額を分ける

最新の税率を常に調べておく

印紙税率は年度によって変更されたり、軽減税率が適用されたりする可能性があります。

また、震災などの自然災害で被害を受けた人に対しては、要件を満たすと印紙税が非課税になる救済措置が設けられている場合があります。そのため、印紙税の最新の税率を常に調べるようにしておきましょう。

印紙税の最新の税率は、税務署や国税庁のホームページから確認することが可能です。

※参考:令和6年能登半島地震により被害を受けられた方が作成する契約書等に係る 印紙税の非課税措置について|国税庁

電子契約を利用する

印紙税の対象は紙文書に限定されるため、PDFファイルやクラウド型の電子契約には印紙税が課税されません。電子契約のデータを印刷しても、コピーの扱いになるため課税されません。

ただし、電子契約であるものの、印刷して押印や署名などをした場合は、課税文書とみなされる可能性があります。

本体価格と消費税額を分ける

消費税がかかる取引の場合は、売買契約書に本体価格と消費税額を分けて記載しましょう。

消費税額を明記すれば、その消費税額は印紙税の課税対象から除外され、本体価格のみに課税されます。税込価格しか明記していないと、消費税額を含んだ税込価格が印紙税の課税対象になってしまいます。

参考:No.7124 消費税等の額が区分記載された契約書等の記載金額

売買契約書の収入印紙に関するよくある質問

売買契約書に貼付ける収入印紙に関するよくある質問を3つ紹介します。

  • 売買契約書を自分・相手用に2部作成した場合の印紙税はどちらが負担する?
  • 個人間で不動産売買した場合に収入印紙の貼付は必要?
  • 収入印紙の割印ってなに?

売買契約書を自分・相手用に2部作成した場合の印紙税はどちらが負担する?

売買契約書を2部作成した場合、自身と相手が保管する契約書にかかる印紙税を各自で支払うのが一般的です。

ただし、契約書を1部作成し、自分・相手用いずれかが契約書をコピーして控えとする場合、印紙税は1部のみに課税されます。その場合、契約書を保管する人が印紙税を負担するケースが多くなっています。

個人間で不動産売買した場合に収入印紙の貼付は必要?

個人間で不動産売買した場合でも、売買契約書に収入印紙の貼付が必要です。ただし、売買契約書を作成しなかったり、電子契約で締結したりする場合は、収入印紙の貼付は不要です。

収入印紙の割印ってなに?

収入印紙の割印とは、収入印紙と台紙をまたいで押印する印章のことを指します。印紙税法上では「消印」と呼びますが、割印という名称も一般的に使われています。

紙ベースの売買契約書なら収入印紙を忘れないように注意しよう

紙ベースの売買契約書を作成した場合、原則収入印紙の貼付が必要です。収入印紙の貼付や消印を忘れると脱税になり、過怠税を支払わなければなりません。

収入印紙は、全国の郵便局や法務局、一部の店舗を除いたコンビニエンスストアで購入できます。ただし、コンビニエンスストアは在庫によって購入できない可能性があるため、事前に確認しましょう。

印紙代(印紙税)を抑えるには、最新の税率を常に調べたり、契約書には本体価格と消費税額を分けて記載したりする方法があります。他にも、紙ベースではなく電子契約を利用すれば、印紙税がかかりません。

過怠税など余計な費用を支払う事態にならないように、紙ベースの売買契約書には収入印紙を忘れないように注意しましょう。

また、売買契約書や収入印紙などで不明な点は仲介を依頼する不動産会社にも相談できます。契約時に後悔しないためには、複数社に査定依頼して自分に合った不動産会社を見つけることが重要と言えるでしょう。

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初回公開日:2024年4月8日

記事執筆・監修

矢野 秀一郎(やの しゅういちろう)

不動産会社で2社勤務。1社目では時間貸駐車場の開発営業を中心に携わり、2社目では不動産売買の仲介営業や、一戸建ての分譲工事のプロジェクト、および新築・リフォーム工事の現場監督など、幅広く業務を担当。現在はフリーのライターとして不動産や金融に関する内容を中心にライティング・記事監修を実施。