
一戸建て売却では、住宅ローン残債の一括返済手数料、仲介手数料、印紙税など様々な費用が発生します。
最終的な手取り額は売却価格から諸費用・税金を差し引いた金額で決まりますが、費用の項目ごとの金額差が大きいため、正確に把握しておかないと予定より大幅に手取りが少なくなる可能性があります。
一部の費用を見落としたまま売却を進めた場合、資金計画にズレが生じるケースも少なくありません。
この記事では、住宅ローン残債の確認方法や売却相場の調べ方など、手取り額を正確に算出するために重要な基礎知識を整理して解説します。
この記事で分かること
- 一戸建て売却の手取り額をシミュレーションする方法
- 一戸建て売却の手取り額を実際にシミュレーション
- 一戸建て売却の手取り額を登録なし・無料でシミュレーションできるサイト
- 家・一戸建ての売却ならホームズの一括査定がおすすめ
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もくじ
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一戸建て売却の手取り額をシミュレーションする方法

一戸建て住宅を売却した際の手取り額をシミュレーションする流れは以下の通りです。
- STEP1.住宅ローン残債を確認する
- STEP2.売却価格の相場を調べる
- STEP3.不動産会社に支払う仲介手数料を算出する
- STEP4.一戸建て売却にかかる費用・税金を算出する
STEP1.住宅ローン残債を確認する
一戸建てを売却する場合には、現在の住宅ローン残債額を正確に把握することが重要です。
手取り額は一般的に「売却価格−残債−諸費用」で決まるため、ローン残債が不明確だと手取り額を正確に計算することができません。特に、売却価格よりも残債のほうが多いオーバーローンに該当する可能性がある場合は、早めの確認が不可欠です。
住宅ローン残債の確認方法
住宅ローン残債は、主に次の3つの方法で確認できます。
- 住宅ローン残高証明書
- 返済予定表
- インターネットバンキング
住宅ローン残高証明書は毎年金融機関から発行されるもので、氏名・ローン内訳・年末残高などが記載されています。万が一、紛失しても再発行できる場合が多いので、必要に応じて金融機関に問合せてみましょう。
借入時に受取った返済予定表でも目安を把握できますが、変動金利の場合は見直しによって実際の残高と差が出ることがあるため注意が必要です。
もし、インターネットバンキングに対応している金融機関であれば、オンライン上で最新の残高をリアルタイムで確認することも可能です。ログインするだけで残債がすぐに確認できるため、対応している場合は最も手軽で便利な方法といえます。
売却代金が住宅ローン残債を下回る場合
売却代金より住宅ローン残債が多い状態はオーバーローンと呼ばれ、完済のために不足分の金額を別途用意する必要があります。
たとえば、残債2,000万円に対し売却価格が1,000万円の場合、不足分1,000万円を自己資金などで補填するのが一般的です。
手持ち資金が足りない場合は、既存の残債と新居購入費をまとめて借りられる住み替えローンを利用する方法もあります。
ただし、審査が厳しく返済負担が増える点に注意が必要です。どうしても不足分を用意できない場合は、金融機関の合意を得て売却する“任意売却”を検討することになります。任意売却はローンが滞った際に利用される方法のため、通常の売却とは条件が異なります。
オーバーローンの可能性がある人は早めに残債額を確認し、どの選択肢が現実的か検討することが重要です。
STEP2.売却価格の相場を調べる
物件の売却価格を調べる場合には、不動産会社に査定を依頼するのが一般的です。
その際、事前に不動産ライブラリやレインズマーケットインフォメーション、不動産ポータルサイトなどをリサーチしておくことで、不動産会社から提出された査定価格が市場価格からズレていないかどうかを確認できます。
不動産情報ライブラリ
国土交通省は、不動産の取引価格や地価公示・都道府県地価調査の価格をWeb上で検索できる「不動産情報ライブラリ」を運営しています。
このサイトでは、実際に取引された不動産の取引価格を、取引時期や物件の種類、エリアごとにリサーチすることが可能です。「宅地」「土地」「土地+建物」「中古マンション」「農地」など、さまざまな種類の取引価格を閲覧できます。
一戸建て住宅の価格を調べるときは「土地+建物」を選んでください。画面をクリックするなど直感的な操作で簡単に調べられます。
実際に取引が実現した事例が記載されているので、現実的な売却価格を知ることが可能です。
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レインズマーケットインフォメーション
レインズ(REINS)は、不動産会社が物件情報を共有・確認するための専門システムです。顧客情報や取引履歴など機密性の高いデータを扱うため、利用できるのは登録済みの不動産会社に限られます。
一方、一般ユーザー向けにはレインズマーケットインフォメーションが公開されており、個人情報に配慮した形で過去の成約価格や面積、相場データを確認できます。
物件種別はマンションと一戸建てに分かれており、エリアを指定して類似物件の成約事例を調べることが可能です。
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不動産ポータルサイト
不動産ポータルサイトには、現在売り出されている一戸建ての情報が多数掲載され、広さ・間取り・築年数・立地などの条件を絞って検索することで、自宅と近い条件の物件を簡単に探すことができます。
似た条件の物件の売り出し価格をチェックすることで、周辺エリアのおおまかな相場をつかむことが可能です。
ただし、掲載されているのはあくまで売り出し価格であり、実際に成約した価格とは異なる点に注意しましょう。
より正確な相場を知りたい場合は、ポータルサイトが運営する不動産一括査定サービスで複数社を比較検討するのがおすすめです。
STEP3.不動産会社に支払う仲介手数料を算出する
売却価格の相場を把握したら、次に不動産会社へ支払う仲介手数料を計算します。
仲介手数料は売買契約が成立したときに初めて発生する費用で、金額は法律で上限が定められているため、事前に概算を把握しておくと安心です。
仲介手数料の計算方法
仲介手数料の上限額は法律で定められており、規定以上の金額は双方が合意したとしても受取れない決まりになっています。
上限額は、以下の速算式で算出可能です。
| 売却価格 | 取引手数料の上限(速算式) |
| 400万円超え | 売却価格(税抜)×3%+6万円+消費税 |
| 200万円超え、400万円以下 | 売却価格(税抜)×4%+2万円+消費税 |
| 200万円以下 | 売却価格(税抜)×5%+消費税 |
参考:<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ|国土交通省
例えば、1,000万円の不動産を売却した時の仲介手数料は以下の通りです。
1,000万円(税抜)×3%+6万円+消費税10%=39万6,000円
仲介手数料は、支出のなかでも金額が大きいのでしっかり把握しておきましょう。
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仲介手数料の早見表
以下は、一般的な売却価格に対して仲介手数料がいくらになるかをまとめた早見表です。
| 一戸建ての売却価格 | 仲介手数料(税込) |
|---|---|
| 1,000万円 | 39万6,000円 |
| 1,500万円 | 56万1,000円 |
| 2,000万円 | 72万6,000円 |
| 2,500万円 | 89万1,000円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 |
| 3,500万円 | 122万1,000円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 |
| 4,500万円 | 155万1,000円 |
| 5,000万円 | 171万6,000円 |
STEP4.一戸建て売却にかかる費用・税金を算出する
一戸建てを売却すると、仲介手数料以外にもさまざまな費用や税金が発生する可能性があります。
手取り額の精度を高めるためには、どの費用・税金が自分のケースに当てはまるのかを事前に把握しておくことが重要です。
一戸建て売却にかかる主な費用一覧
以下は、一戸建て売却にかかる主な費用の一覧です。
| 費用項目 | 内容 |
|---|---|
| 抵当権抹消登記費用 | 不動産1件につき1,000円(一戸建ては土地+建物で2,000円程度) |
| 司法書士報酬 | 約1万7,000円 |
| 測量費用 | 30~60万円程度 |
| 解体費用 |
木造:3〜5万円/坪 鉄骨造:5〜7万円/坪 鉄筋コンクリート造:6〜8万円/坪 |
| ハウスクリーニング費用 | 5~15万円 |
| 住宅ローンの一括返済手数料 | 5,000〜3万円 |
| 引越し費用 |
通常期:5~15万円 繁忙期(3~4月など):10~20万円前後 |
参考1:抵当権の抹消登記に必要な書類と登録免許税|法務局
参考2:報酬アンケート結果(2024年(令和6年)3月実施)|日本司法書士連合会
一戸建て売却にかかる主な税金一覧
以下は、一戸建て売却にかかる主な税金の一覧です。
| 税金 | 内容 |
|---|---|
| 印紙税 | 売買契約書に貼付する印紙にかかる税金。売買価格が1,000万円超え5,000万円以下の場合、10,000円 |
| 譲渡所得税 |
売却益が出た場合に課される税金 <計算式> 譲渡所得=売却価格–取得費–譲渡費用–特別控除 譲渡所得税=譲渡所得×税率 |
参考1:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁
参考2:No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)|国税庁
一戸建て売却の手取り額を実際にシミュレーション

それでは、実際に一戸建て売却の手取り額をシミュレーションしてみましょう。
一戸建て売却の手取りとは、最終的に残るお金のことです。売却価格から諸費用や税金を控除した額になり、計算式は以下の通りです。
一戸建て売却の手取り額=売却価格−諸費用−税金
ここでは、以下2つのケースでシミュレーションします。
- 【ケース①】3,000万円控除が適用される場合
- 【ケース②】3,000万円控除が適用されない場合
なお、シミュレーションには共通して以下の条件を設定して行います。
・売却価格:3,000万円
・住宅ローン:完済済
・居住期間:7年(=長期譲渡所得に該当)
・売主の状況:マイホーム(一戸建て)を所有
・売却状態:そのままの状態で売却
・取得費:売却価格の5%に設定(=150万円)
・仲介手数料:105万6,000円
・売却時期:2025年12月
・印紙税:1万円(軽減税率適用)
・その他諸費用:約5万円(抵当権抹消・司法書士など)
・特別控除:居住用財産の3,000万円控除を適用
・譲渡所得税:0円(控除により課税なし)
【ケース①】3,000万円控除が適用される場合
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例を適用した場合、譲渡所得税は以下の式で算出されます。
譲渡所得=売却価格3,000万円−(取得費150万円+譲渡費用約111万円)−特別控除3,000万円
※譲渡費用は売却にかかった費用を指す
上記の場合、最終的に譲渡所得がマイナスになるため課税はありません。居住用財産の3,000万円控除が適用されると、税金が0円になるケースも多くなっています。
次に、以下をもとに手取り額を計算します。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売却価格 | 3,000万円 |
| 仲介手数料 | ▲105万6,000円 |
| その他の諸費用 | ▲約5万円 |
| 印紙税 | ▲1万円 |
| 譲渡所得税 | 0円 |
表を踏まえると、手取り額は「3,000万円−(105.6万円+5万円+1万円)=約2,888万4,000円」となります。
※参考:No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁
【ケース②】3,000万円控除が適用されない場合
居住期間7年の場合、長期譲渡所得税(所得税・住民税)として譲渡所得に対して20.315%が課税されます。
譲渡所得と譲渡所得税の計算方法は、以下のとおりです。
<譲渡所得の計算>
譲渡所得=売却価格3,000万円−(取得費150万円+譲渡費用約111万円)=2,739万円
<譲渡所得税の計算>
2,739万円×20.315%= 約556万4,000円
次に、以下をもとに手取り額を計算します。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売却価格 | 3,000万円 |
| 仲介手数料 | ▲105万6,000円 |
| その他の諸費用 | ▲約5万円 |
| 印紙税 | ▲1万円 |
| 譲渡所得税 | ▲約556万4,000円 |
表を踏まえると、手取り額は「3,000万円−(105.6万円+5万円+1万円+約556万4,000円)=約2,332万円」となります。
一戸建て売却の手取り額を登録なし・無料でシミュレーションできるサイト

一戸建て売却の手取り額は自力でも試算できますが、前述したように非常に複雑になるため、シミュレーションサイトを利用するのも一つの選択肢です。
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- シミュレーションサイトを利用するメリット
- シミュレーションサイトを利用するデメリット
シミュレーションサイトを利用するメリット
シミュレーションサイトには、以下のようなメリットがあります。
- 複雑な計算を自動化できる
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- 想定外の出費を避けることができる
- 何度でも条件を変えて試算できる
- 不動産会社に相談する前の予習になる
シミュレーションサイトを活用すれば、仲介手数料や諸費用などの複雑な計算を自動で行えるため、売却後の手取り額を手軽に把握できます。登録不要で利用できるサービスも多く、個人情報を入力せずに金額感をつかめる点も安心です。
たとえば、三井不動産リアルティや三菱UFJ不動産販売といった不動産会社のサイトでは、こうしたシミュレーション機能が用意されているので、利用を検討してみても良いでしょう。
シミュレーションサイトを利用するデメリット
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- 税制特例の適用可否は判断できない
- 最終的な売却判断には不十分
シミュレーション結果はあくまで概算であり、実際の手取り額とは誤差が出る可能性があります。物件の個別事情や税制特例など、専門家の判断が必要な項目は反映されないため、結果をそのまま鵜呑みにするのは危険です。
本格的に売却を検討する段階では、不動産会社の査定と併用することが重要です。
シミュレーションはあくまで概算!一戸建て売却なら一括査定がおすすめ

シミュレーションサイトを利用すれば、一戸建て売却後の手取り額を手軽に概算できます。
しかし、入力した条件によって結果が大きく変わるほか、建物の状態や周辺環境、個別の事情は反映されません。シミュレーションは、あくまで目安として利用する必要があります。
また、実際の売却価格は不動産会社が現地の状況や市場動向を踏まえて算出するため、シミュレーションの数値と差が出るケースは少なくありません。手取り額を正確に把握し、資金計画のズレを防ぐためには、複数社から査定を受けて比較検討することが重要です。
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