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リースバックのメリット・デメリットとは?自宅を有効活用するための手段を解説

老後資金の準備や相続発生後の空き家問題対策など、自宅の有効活用法としてリースバックを利用する人が増えています。とはいえ、リースバックは大切な自宅を売却することになるため、メリットだけではなくデメリットを含めて、正しく理解しておく必要があります。

この記事では、リースバックの仕組みや、そのメリット、デメリットについて解説します。

この記事で分かること

  • リースバックの仕組み
  • リースバックのメリット・デメリット

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▶︎家売却後も住み続けられるリースバックとは?仕組みやメリットを解説

もくじ

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リースバックとは

リースバックとは、「セール・アンド・リースバック(Sale and Lease Back)」とも呼ばれ、不動産を売却し、売却後は買主と賃貸借契約を結んで、そのままその不動産を借主として利用し続ける不動産取引です。これまで、不動産証券化の一つとして、企業が保有している自社ビルなどの不動産などで多く取り扱われてきました。

売り手企業にとっては、所有不動産の売却資金を他の設備投資などに使うことができる上に、継続して使用することもできるため、企業の資産効率の向上と成長投資などのための資金調達手段として有効な手法です。

近年では、こうしたリースバックの対象が個人宅にも広がってきています。自分や家族が住んでいる自宅を売却し、売却資金としてまとまった金銭を入手すると同時に、売却した家の賃貸借契約を締結し住み続けることが可能なのです。

リースバック提供業者によっては、自宅以外にも工場や倉庫、駐車場など、さまざまな不動産物件でリースバックを可能としているところもあります。リースバックを取引する際は「不動産の売買契約」と「賃貸借契約」を組み合わせて取り交わすことになるため、不動産会社やリースバック専門業者またはこれらの関連会社が買主かつ貸主となるのが一般的です。

また賃貸管理も自社または関連会社が行うケースも少なくありません。なお、リースバックは自宅を売却しますが一般的な自宅売却とは異なり、後日自宅を買い戻すことも可能な場合もあります。例えば、以下のような契約内容により住宅の所有者(買主)が一定期間第三者へ転売せずにもとの所有者(売主)が優先的に買い戻しできる状態にしてあるケースもあります。

  • 賃貸借契約に買い戻し特約を付ける
  • 別途売買予約契約(リースバック業者が売主、リースバック利用者が買主の売買を予約する契約)を締結する

このように、リースバックはさまざまなメリットがある一方でデメリットも少なくありません。そのため、リースバックの利用を検討する前には、メリットだけでなくデメリットをしっかりと理解しておきましょう。

リースバックのメリット

まずは、リースバックの主なメリットを6つ紹介します。ライフプランに応じてリースバックをうまく活用することを検討してみても良いでしょう。

自宅を売却しても同じ家に住み続けられる

通常の不動産売却では、不動産売買契約のなかで定めた引渡し日までに売主はその家から退居しなければなりません。なぜなら、売買契約を締結し、自宅を引渡したあとは、自宅が買主の所有物件となり、自分の家ではなくなるからです。

リースバックの場合も同様に、売却後は所有権が買主に移るため、自分の家ではなくなります。しかし、一般的な売却と異なり不動産売買契約と同時に賃貸借契約を結んでいるため、退居の必要がなく、そのまま住み続けることが可能です。

「事情があって自宅を売却することになっても転居したくない」「ずっと住み続けたい」と考える人にとって、転居せずにずっと同じ家に住み続けることができるのは、リースバックの最大の特徴かつメリットといえるでしょう。

転居の必要がないため、売却後に転居先物件を探す必要がありません。例えば、子どもがいる場合には、学区や友人関係を気にする必要もありませんし、働いている人は通勤経路や通勤時間を気にかける必要がない点はメリットといえます。

もちろん、役所や金融機関、勤務先、子どもの学校などへの住所変更手続きにわずらわされることもありません。なにより、引っ越し費用がかからないため、経済的なメリットも大きいといえます。

資金調達の方法として活用できる

自宅を活用して資金調達ができる点も大きなメリットです。リースバックは、自宅を売却するため、まとまった資金を受け取ることが期待できます。リースバック業者によっても異なりますが、多くの場合、売却の相談をしてから現金化まで1ヵ月もかからずに短期間で資金調達が可能です。

売却資金の使途に制限はないため、医療費や老後資金など、ライフプランのなかで必要となるさまざまな資金として活用ができるでしょう。例えば、数年後に施設に入居したいと考えている人ならば売却資金を入居一時金や月額費用に充てることもできます。

他にも、住宅ローンをはじめ各種ローンがある人は、売却資金で繰上げ返済をするという選択肢も出てきます。また、事業をしている場合は、事業資金としての活用も可能です。

自宅にかかるコストを削減できる

リースバックを利用すると自宅の所有者ではなくなるため、自宅にかかるさまざまなコストを削減できる点はメリットと言えます。例えば、物件を所有している時は、毎年かかっていた固定資産税の支払いは不要となります。

また、不動産を所有している場合、どんな住宅でも長く住むほど経年劣化に伴い住宅の修繕が必要です。しかし、賃貸物件で通常故意や過失でない場合、所有者(貸主)が修繕費の負担をするため、リースバックで賃貸物件の借主になれば修繕費の削減も期待できます。

リースバック業者によっては、買い取った物件をリフォームしてから賃貸してくれる場合もあります。

買い戻しも検討できる

リースバックの利用を検討している人の中には、「本当は自宅を売りたくないけど、一時的な資金ニーズで住宅を手放さなければならない」というケースもあるかもしれません。

上述したようにリースバックでは、売った家を後日買い戻すことが可能です。「賃貸借契約に買い戻し特約を付ける」「別途売買予約契約を締結する」といった点に注意を払えば、将来的に買い戻せるからこそ自宅売却の決断が下せる可能性があります。

一般的な不動産売却の場合は、売った住宅を買い戻すのは難しいものです。本当は手放したくないけど、資金面で住宅売却が必要な人にとって、買い戻しを検討できる点は大きなメリットです。

相続対策に利用できる

相続財産の大部分が自宅の場合、遺産分割しにくいため、相続人の数や他の財産状況によっては相続トラブルに発展する可能性があります。そういった場合にリースバックを活用すれば、不動産を生前に売却して遺産分割しやすい現預金に換金できるため、相続トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。

一般的な不動産売却では自分や家族が住んでいる自宅を売却してしまうと、その後の住まいに困ってしまうことも想定されます。しかし、リースバックは資産を現金化しつつ、自分や家族の住まいも確保できるメリットがあるため相続対策への活用も可能なのです。

売却を周囲に知られずに済む

転勤や老後の住み替えなど特定の事情がない場合、自宅を売却することが周囲に知られると「住宅ローンの返済困難」「経済的な行き詰まり」などマイナスな印象を持たれる可能性があります。リースバックは、一般的な不動産売却のように売主と買主の間で売買契約を交わしますが、多くは買主がすでに決まっており、すぐに賃貸借契約も締結できるのが特徴です。

そのため、通常の売却や競売のように自宅売却情報が公開されることはなく、周囲の無用な詮索を避けられるメリットがあります。売却後もこれまで通りに住み続けることができるため、売却したことを周囲に知られることもありません。

リースバックのデメリット

リースバックには、主に以下の8つのデメリットもあります。自宅は、大切な資産となるため、リースバックの利用にあたっては、どのようなデメリットがあるか把握したうえで利用しましょう。

売却価格が安くなる傾向がある

リースバックによる売却価格は、一般的な仲介による売却の場合に比べて安くなる傾向がある点がデメリットです。リースバックの場合、一般的な不動産売買と異なり、住居を購入しても売主がそのまま住み続けるため、買主はすぐに第三者に売却できません。

また、契約の仕方や内容によっても異なりますが、転売できない期間は長ければ十数年に及ぶこともあり、その間には不動産相場や不動産自体の価格が大きく下落するリスクがあります。買主は、このようなリスクを長年抱えることになるため、その分が価格に反映されてしまうのです。

残債・ローン次第で利用不可

リースバック業者によっても異なりますが、基本的に住宅ローン債務が残っている物件でもリースバックの利用は可能です。しかし、住宅ローンの残債額や売却想定価格によってはリースバックの申し込みに対応してもらえないこともあります。

住宅ローンを利用して購入した住宅には、金融機関から抵当権が設定されており、抵当権は住宅ローンを完済しないと抹消できません。仮に住宅ローンが残っていて、その金額がリースバックの売却想定価格よりも多い場合は、売却資金を住宅ローンの精算に充てようとしても完済できません。つまり、金融機関から抵当権を抹消してもらえないため、買主にとっては購入物件の権利上の支障が出ます。

そのため、住宅ローンが残っている物件の場合は、必ずしもリースバックを利用できるとは限らないことを知っておきましょう。なかには、住宅ローンの残債額が売却想定価格より高くても、住宅ローン完済のために貯蓄などの手元資金で補てんし、抵当権を抹消できればリースバックに対応してくれる業者もあります。

ただし、その場合は「手元資金が減少しても大丈夫かどうか」など、長いライフプランに照らし合わせてじっくりと検討することが大切です。

家賃が相場より高くなることもある

売却価格の場合と同じようにリースバックの売却後の家賃は、一般的な賃貸住宅物件の家賃相場よりも高く設定されることがあります。すぐに転売できない買主は家賃収入で稼ぐ必要があるため、同じような賃貸物件に比べて家賃が高くなる傾向があるのです。

そもそも家賃は、家計に占める割合が大きいため慎重に検討することが必要ですが、長く住み続けるうちに支払う家賃の合計額が物件の売却価格を上回ってしまう可能性もあります。家賃が支払いできず滞納となれば借主は退居を余儀なくされる恐れもあるでしょう。

もちろん、一度でも期限までに払えなかったらすぐに退居させられるとは限りません。しかし、一般的には3ヵ月滞納、リースバック業者によっては契約の条文に2ヵ月滞納したら退居する旨記載しているところもあります。「こんなことになるなら、はじめから普通に家を売って別の賃貸物件に引っ越しすれば良かった」とならないように、しっかりとシミュレーションしたうえで利用することが大切です。

賃借期間に限りがある

賃貸借契約には、大きく分けて「定期借家契約」と「普通借家契約」があります。定期賃貸借契約は、2年、3年、5年などとあらかじめ契約で定められた賃借期間が満了により契約が終了するものです。更新はありません。一方、普通借家契約は、期間の定めがあるものの正当な理由がない限り貸主は更新拒絶ができず、契約は更新されるというものです。

リースバック業者によっても異なりますが、リースバックでは「定期賃貸借契約」が多い傾向にある点も押さえておきましょう。なかには、「ずっと住み続けられると思っていたのに数年後に住めなくなってしまった」というトラブル例もあります。なお、定期借家契約でも貸主が認めれば再契約をして住み続けることはできますが、リースバック契約をする時点ではその保証がないため注意が必要です。

所有権がなくなる

これまで説明したように、リースバックは自宅を売却してしまうため、自分のものではなくなる点もデメリットの一つです。同じ家に住み続けることはできるものの住宅の所有権は買主に移るため、賃借人として新たな家主の定めるルールに従い自宅を使用する義務が生じます。どのようなルールになるかは、家主(リースバック業者)次第です。

例えば、室内での喫煙やペットの禁止などといった決まりが加わることも考えられます。自分の家ではなくなるため、賃借人の故意や過失などで住宅に損害を与えた場合は、費用自己負担による修繕を求められる可能性もあります。

商品によっては建て替えできない場合がある

所有権がなくなることで、自分の権限で建て替えやリフォームなどができなくなる点もデメリットです。建て替えなどを希望する場合には、所有者の許可が必要となりますが、商品およびリースバック業者によっては許可を得られない場合があります。

買い戻せないことがある

リースバックでは、買い戻しを可能としている業者も多くありますが、一般的には買い戻しができる期間を定めています。「リースバックはいつでも買い戻しできる」と考えていて、いざ買い戻しを申し出ても時期的に拒否されてしまうケースもあるため、注意が必要です。

また、一般的に買い戻し価格や諸条件は契約内であらかじめ設定されていますが、買い戻すための資金および各種諸費用が予定していた通りに準備できずに結局買い戻せない可能性もあります。買い戻しができることを前提にリースバックを利用したい人は、買い戻しの諸条件を確認するとともに、買い戻し資金準備を怠らないことが重要です。

遺族に不動産を残せない

リースバックを利用すると相続財産として不動産を残せません。同居している家族がいる場合、自分の死後に家族が住み続けることができるかどうか確認しておく必要があります。

また、一定の居住用住宅には相続税の計算上、相続税評価額を軽減できる特例がありますが、リースバックを利用した場合は当然この特例は利用できません。

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▶︎リースバックでよくあるトラブル事例10選!後悔しないための対策も解説

リースバックはメリット・デメリットを理解して使おう

リースバックは、まとまった売却資金を得られるうえに、引っ越しすることなく自宅にそのまま住み続けられるサービスです。現金は必要なものの長年住み慣れた我が家に住み続けたいという二つの要望を満たせることで注目が集まっています。

これまで解説してきたようにリースバックはさまざまなメリットがある一方で、気を付けなくてはいけないデメリットもあります。リースバックの利用を検討している場合は、メリット・デメリットを十分に理解してから利用を検討しましょう。

初回公開日:2023年2月27日

記事監修

峰尾 茂克(みねお しげかつ)

株式会社THEFPコンサルティング 代表取締役。ファイナンシャルプランナー(CFP)、1級FP技能士宅地建物取引士。FPとして独立後約25年間、住まいと暮らしに関する個別相談やセミナーを中心に活動を行う。テレビ・ラジオに出演の他、新聞・雑誌の取材協力。住宅関連の著書を出版。過去15年間のセミナー実績(過去15年超前の実績は除く)は1,000回以上。住まいと暮らしに関する個別相談実績は、5,000件以上。

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