アパートとマンションの違い

アパートとマンションの定義は、法律などで具体的に決まっているわけではありません。建築基準法や宅地建物取引業法では、どちらも「共同住宅」として扱われるので、両者が明確に区別されているわけではないのです。

 

あくまで一般的な俗称であるため、どのような建物をアパート、マンションと呼ぶかについては、ある程度慣習によって左右される部分があります。

 

同じ物件であっても、所在する地域や所有者、不動産会社によってどちらで呼ばれるかは異なるので、物件を探す際には必ず内見を行い、実際の建物を確かめることが大切です。

建物の構造で区別するのが一般的

 

前述のように、アパートとマンションの違いに明確な定義はないものの、一般的には建物の構造で区別することが多いです。

 

たとえば、木造や軽量鉄骨造の2階建て、あるいは3階建てまでの共同住宅をアパート、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造で3階以上の高さがある共同住宅はマンションと呼ばれるケースが多いといえます。

 

実際のところ、国土交通省でマンションストック数などの調査が行われるときも、以下の条件の住宅が対象とされています。

・3階建て以上 ・分譲、共同建て ・鉄筋コンクリート造、鉄骨造

そのため、定義について迷ったときには、この基準を参考にして考えてみるといいでしょう。また、ほかにも共用設備の違いや家賃の違いで比べる場合もあります。

 

たとえば、所有者などによっては「エレベーターがある物件はマンション、ない物件はアパート」のように区別されるケースもあります。

 

そのため、おおまかな基準を参考にしながらも、自分なりの判断基準を持っておくことが大切です。

2階以上の物件 鉄筋コンクリート造の物件

アパートに向いている人

 

これまで解説したように、どのような住宅をアパートと呼ぶかについては、明確なルールがありません。

 

そこで、今回は「木造・軽量鉄骨造」「3階建て以下」の共同住宅をアパートと定義して、アパートの特徴や住むのに向いている人を紹介します。

家賃を抑えたい人

 

立地や間取り、広さなどの条件が同じであれば、一般的にはマンションよりもアパートのほうが家賃は安くなる傾向があります。

 

一方、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造と比べて防音性などの面では劣ってしまうので、生活の快適さという面では気になってしまう人もいます。

 

そのため、立地や広さにこだわりつつも、ほかの条件は少し緩めて、家賃を抑えたい人に向いている選択肢といえるでしょう。

顔の見える近所付き合いを好む人

 

物件のつくりにもよりますが、アパートはマンションと比べて総戸数が少なく、規模も小さくなるのが一般的です。

 

1棟当たりの世帯数が少ないので、居住者同士が情報を把握しやすく、顔の見える近所付き合いが生まれやすい面があります。

 

そのため、小規模のコミュニティーに居心地の良さを感じる人や、顔の見える近所付き合いを好む人には適しているといえます。

家賃・賃料6万円以下の快適物件

マンションに向いている人

 

続いて、マンションを「鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造」「3階建て以上」の共同住宅と定義して、住むのに向いている人を見ていきましょう。

できるだけ静かな環境で暮らしたい人

 

マンションは、アパートと比べて堅固なつくりになるため、防音性が高いのが特徴のひとつです。

 

また、特に防音性能が高いサッシなどを使っていれば、周囲の道路を通行する車の音なども気になりにくいので、静かで落ち着いた生活環境を整えやすい面があります。

セキュリティ設備にこだわりたい人

 

マンションは、アパートに比べて共用設備が充実している物件が多いのも特徴です。

 

物件にもよりますが、防犯カメラやオートロック、宅配ボックスなどが整えられていれば、女性の一人暮らしでも安心感があります。また、一定以上の階数の部屋なら、ベランダ側からの侵入リスクなども少なくなります。

 

さらに、総戸数が多いマンションでは、管理のグレードも向上しやすい面があります。

 

総戸数が少ないアパートでは、限られた部屋数で管理人常駐などの管理グレードを維持しようすると、どうしても一部屋当たりの管理費・共益費がかさんでしまいます。

 

しかし、総戸数が多いマンションなら、一部屋当たりの管理費は少なくても十分な資金が集まるので、管理形態も充実しやすいのです。

女性限定（専用）の物件 セキュリティ・防犯対策が充実した物件

アパートとマンションの違いを押さえて、自分に合った物件を探してみよう

自分に合った物件を見つけるためには、できるだけ明確な条件設定を行うことが大切です。最後に、条件設定のコツや注意点を見ていきましょう。

できるだけ条件設定は明確に

 

先ほども解説したように、アパートとマンションは構造上の違いなどで使い分けられることが多いです。

 

たとえば、不動産情報ポータルサイトのLIFULL HOME’Sを使って、東京都の賃貸マンションを検索したところ、2022年1月時点では19万8,716件もヒットしました。

 

しかし、同じ条件で建物構造の条件を「木造」に絞り込んだところ、物件数は68件にまで少なくなりました。そのうちの多くが「タウンハウス」と呼ばれる2～3階建ての長屋風住居であり、一般的にイメージされるマンションとは異なる外観を持っています。

 

この検索結果からも分かるように、明確な定義こそありませんが、木造の建物はアパートとして扱われることが多いようです。

 

そのため、単にアパートかマンションかで区切るよりも、建物の構造や必要な設備などから部屋探しをするほうが、理想的な住まいを見つける近道になるでしょう。

物件の種類は多様化している

 

賃貸物件は、アパートとマンションのように種類分けが難しい項目も数多くあります。人々のライフスタイルが変化するなかで、住まいに求められる条件も多様化しているため、既存の枠にとらわれない物件も増えているのです。

 

たとえば、入居者それぞれに個室があり、リビングや水回りなどは共同で利用する「シェアハウス」、長屋のように一戸建てが連なる「テラスハウス」などは、比較的に新しいスタイルの住居とされています。

 

また「DIYができる物件」や「共同で使えるテレワークスペースがある物件」など、これまでの賃貸物件のイメージとは異なる物件もあります。

 

こうした点を踏まえても、できるだけ住みたい物件の理想を明確にしてから部屋探しをすることが大切だといえるでしょう。

LIFULL HOME’Sで効率的に部屋探しをしよう

 

LIFULL HOME’Sでは、立地や広さ、設備、間取りタイプといったさまざまな条件から絞り込んで物件を検索できます。

 

もちろん、一戸建てやマンション、アパートといった物件種別でも絞り込めるので、条件が明確であればあるほど、スムーズに理想の物件へたどり着くことが可能です。

 

住みたいエリアを選択すれば、ペット相談可やバス・トイレ別など、さまざまなテーマ別に条件の項目を入力できるようになっているので、どのような条件があるのか知りたい場合も活用してみるといいでしょう。

まとめ

• アパートとマンションの区別について明確な定義はない
• 一般的には木造や軽量鉄骨造で3階建て以下の共同住宅をアパートと呼ぶことが多い
• 鉄骨造や鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造で3階建て以上の共同住宅をマンションと呼ぶことが多い
• アパートとマンションの違いを理解したうえで、住みたい物件の条件を明確にすることが大切

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