鹿児島県民は情に厚い?

九州最南端の鹿児島県。桜島、焼酎、さつまいも、西郷さん…など、いろいろなイメージが浮かぶが、実際に住んでいる人にとってはどのような県なのだろうか。
今回は現在鹿児島県に住んでいる20~65歳の男女400人に、鹿児島県についてアンケートを行った。

まず、鹿児島県についてどう思っているか聞いてみた。その結果がグラフ1だ。
「誰がなんと言おうと鹿児島県を愛してる」17.8%、「鹿児島県に住んでいることに満足しているし、結構好きだ」45.5%、「好きでも嫌いでもないけど、どちらかと言うと好きな方だ」23.5%と、好感を持っているという回答が全体の8割以上を占める結果となった。自由回答で理由を聞いてみると、「食べ物は美味しく、人が優しく、自然が豊か」「人情味あふれる人が多いし、最初はとっつきにくいように感じられるが、情に厚く真っ直ぐな人物が多い」と、食べ物や自然はもちろんのこと、人の優しさを挙げる人が複数いたのが印象的だった。

一方、「好きでも嫌いでもないけど、どちらかと言うと嫌いな方だ」3.8%、「機会があれば他県へ住み替えたい」8.3%、「いますぐ出て行きたいぐらい大嫌いだ」1.3%と、好感を持っていない人の理由を自由回答で聞いてみると、「賃金は安いが物価が高い」と感じている人や「火山灰がやっかい」といった理由が挙げられていた。

グラフ1:鹿児島県についてどう思っていますか?最も近いものを選んでください(n=400)グラフ1:鹿児島県についてどう思っていますか?最も近いものを選んでください(n=400)

車が無くても意外と大丈夫? 家賃と降灰量は要チェック

次に、自分の住んでいるエリア(最寄り駅周辺)についてどう思うか聞いたところ、こちらも全体と同様に好感を持っている人の割合が多い結果となった(グラフ2)。地域別(鹿児島県HPを参照)に見ると、今回の調査参加者では、鹿児島地域(鹿児島市、日置市、いちき串木野市、三島村、十島村)の人が66.2%、姶良・伊佐地域(霧島市、伊佐市、姶良市、湧水町)が15.5%と、多くの回答が集まった。

では、住んでいるエリアに好感を持っている人の理由を見ていこう。
鹿児島地域の中では、特に鹿児島駅(14.6%)と鹿児島中央駅(38.9%)周辺エリアの人からの回答が多かった。鹿児島中央駅周辺エリアでは、半数以上の人が「ここに住んでいることに満足しているし、結構好きだ」と回答。「交通の便がよい」「県内で一番栄えているが、温泉も沢山あり、桜島が綺麗に見える地域でもある」と、高い利便性がありながら鹿児島らしさもあることが人気の理由のようだ。また、「自転車があれば車は不要」「自転車でいろんなところに移動できる」という意見も見られた。
隣の鹿児島駅周辺エリアは、7割の人が好感を持っているものの、「どちらかと言うと嫌い」「機会があれば住み替えたい」と回答した人からは「車が多すぎる。交通マナーが悪い」「道を整備してほしい」という意見もあった。
谷山駅周辺エリアは、「子ども支援センターや、近くの市民館にも子どものサークルがあり子育てしやすい」との情報が。ただし、鹿児島市全体に言えるようだが「比較的家賃が高い」という意見もあった。
鹿児島地域ではほかに宇宿駅や郡元駅、広木駅周辺エリアも交通の便がよいという意見が挙がった。「車の免許を持っていなくても公共交通機関が充実しているから困らない(宇宿)」というように、地方都市ながら車がなくても移動しやすいのは鹿児島地域の特徴といえそうだ。

姶良・伊佐地域では帖佐駅周辺エリアの人の7割が「ここに住んでいることに満足しているし、結構好きだ」と回答。理由として「映画館もあるし、買い物にも困らないから」と利便性を挙げた人が多いほか、「桜島の降灰量が、鹿児島市内や垂水市内に比べて少ない」という理由を挙げた人もいた。

全体の傾向として、交通利便性に不満をもっている人は比較的少なく、豊かな自然やゆったりとした空気が好きだと感じている人が多い印象だった。ただ、「昔から住んでいる方と若い方との間で感覚の違いを感じた」といった意見が見られ、地域によってはご近所づきあいに少々苦労したという人もいるようだ。

グラフ2:お住まいのエリア(最寄り駅周辺)についてはどう思っていますか?(n=400)<br>※熊手、大島地域は回答者1名のため省略グラフ2:お住まいのエリア(最寄り駅周辺)についてはどう思っていますか?(n=400)
※熊手、大島地域は回答者1名のため省略

鹿児島の人はそうめんが好き? 「そうめん流し」は夏の風物詩

「そうめん流し」の定番はマスの塩焼きや鯉こく(鯉の味噌汁)、鯉あらい、おにぎりのセット「そうめん流し」の定番はマスの塩焼きや鯉こく(鯉の味噌汁)、鯉あらい、おにぎりのセット

鹿児島県の観光スポットといえば真っ先に桜島が思い浮かぶが、ほかにはどんなところがあるのだろうか。地元の人おすすめのスポットを聞いてみると、やはりシンボルである桜島の絶景を楽しめるスポットが多く挙げられた。

鹿児島市の「城山公園」からは、市街地や錦江湾、桜島を一望できる。「桜の時期は城山公園に向かう道が桜道で綺麗」だそうなので、春に訪れてみたいものだ。そのほか、同じく鹿児島市の「吉野公園」や「寺山公園」、霧島市の「中茶屋公園」などから桜島を眺めるのもおすすめとのことだ。

鹿児島の夏の風物詩が「そうめん流し」。鹿児島市の「慈眼寺公園」や、指宿市の「唐船峡」の名物となっている。竹を使って上から下へ流す「流しそうめん」とは異なり、円形のそうめん流し器で、流れるプールのようにぐるぐると回すのが鹿児島流のようだ。そうめん流しは、慈眼寺公園では例年3~10月ごろの営業、唐船峡では年間を通じて楽しめる。

錦江湾に浮かぶのは桜島だけではない。指宿市の「知林ヶ島」は、周囲約3kmの小さな無人島。干潮時に島までの道(砂州)が出現し、歩いて渡れるという。島内を一周すると2時間ほどかかるとのことなので、観光する場合には行き・帰りの時間に砂州が出現するか、出現予測時刻を事前に調べておこう。

鹿児島の人は本当にお酒に強いのか?

「鹿児島の人はお酒をよく飲む」というイメージをもっている人もいるのではないだろうか。お酒に関する質問をしてみた。

■普段、お酒をどれくらいの頻度で飲みますか?(n=400)
・毎日…14.3%
・週に4、5回…5.0%
・週に2、3回…7.0%
・週に1、2回…11.0%
・月に1、2回…14.3%
・年に数回…14.3%
・飲まない、飲めない…34.3%

毎日飲むという人もいたが、月に数回、年に数回という人も同じくらいいる。また、飲まない、飲めないという人が3割強だった。飲めない人からは「鹿児島出身と言うだけで 焼酎好き、お酒が強いと思われて困る」という意見があった。
さらに、普段からお酒を飲んでいる人たちに、飲酒量を聞いてみた。

■飲酒日には、どれくらいの量を飲みますか? 清酒に換算してお答えください。(n=264)
1位:1合以上2合(360ml)未満…31.6%
2位:1合(180ml)未満…31.2%
3位:2合以上3合(540ml)未満…21.7%
4位:3合以上4合(720ml)未満…7.6%
5位:4合以上5合(900ml)未満…4.2%
6位:5合以上…3.8%

飲酒量は2合未満、多くても3合程度という人が多い結果になった。先ほどの数字と合わせて見ると、「酒豪」が多いわけではなさそうだ。
厚生労働省が推進している「健康日本21」によると、お酒の「基準量」は純アルコールに換算して1日平均約20g。日本酒1合、ビールロング缶1本、焼酎はグラス半分ほどの量にあたる。お酒によりアルコール度数が違うため、同じ量でも純アルコールの量は異なる。主なお酒の純アルコール量は目安として覚えておきたい。

さて、鹿児島のお酒といえば芋焼酎が有名だが、やはり鹿児島県民も芋焼酎を愛しているのだろうか?
国税庁が発表している「酒のしおり(2017年)」によると、鹿児島県の成人1人当たりの酒類販売(消費)数量は合計81.9Lで、全国で14位、九州の中でも宮崎に続いて2位の数字だ。しかし単式蒸留焼酎だけに絞ってみると、鹿児島は21.8Lで全国1位。この数字を見ると、芋焼酎を飲んでいる人は多いのではないかと予想される。
そこで、よく飲むお酒のトップ3を聞き、1位を3ポイント、2位を2ポイント、3位を1ポイントとして合計、獲得ポイント数でランキング化した(グラフ3)。

■よく飲むお酒はなんですか?(n=264、各々トップ3を回答)
1位:ビール…401ポイント
2位:チューハイ…299ポイント
3位:焼酎(芋)…251ポイント
4位:発泡酒…194ポイント
5位:その他…132ポイント
6位:ワイン…122ポイント
7位:ウイスキー…49ポイント
8位:日本酒…47ポイント
9位:焼酎(麦)…46ポイント
10位:焼酎(その他)…37ポイント

焼酎の中では芋がダントツ人気のようだが、お酒全体としてはビールやチューハイの方が人気。コンビニなどで気軽に買える分、飲む機会も多いのかもしれない。では、年代別に見てみるとどうだろうか。

■20~30代 よく飲むお酒ランキング(n=89)
1位:チューハイ…140ポイント
2位:ビール…91ポイント
3位:その他…65ポイント

■40~60代 よく飲むお酒ランキング(n=175)
1位:ビール…266ポイント
2位:焼酎(芋)…192ポイント
3位:発泡酒…131ポイント

40代以上になると芋焼酎をよく飲む人が増えるという結果になった。年齢が上がるにつれて、芋焼酎のおいしさに目覚めていくのかもしれない。ちなみに20~30代では、お酒を飲まない、飲めない人が40.3%、40~60代では30.3%と、若い世代ではお酒自体を飲まない人も多いようだ。

グラフ3:よく飲むお酒はなんですか?獲得ポイントの割合(全体n=264、20~30代n=89、40~60代n=175)グラフ3:よく飲むお酒はなんですか?獲得ポイントの割合(全体n=264、20~30代n=89、40~60代n=175)

「将来何になるの?」と聞けば、鹿児島県民かどうかが分かる!?

ちょっと意外(?)な鹿児島県民のデータが明らかになったところで、「鹿児島県民あるある」をご紹介しよう。

■鹿児島県民あるあるランキング(自由回答を集計、n=259)
1位:桜島が噴火しても驚かない…18.9%
2位:同意するときは「ですです」…15.4%
3位:鹿児島弁が難しい…9.6%
4位:「将来何になるの?」「公務員!」…8.9%
5位:黒板消しは「ラーフル」…3.9%

1位は桜島について。噴火と聞くと大ごとにとらえてしまうが、鹿児島では日常茶飯事なので気にしないそう。「灰が降るのは雨が降るのと同じ感覚」だそうで、外出時には雨の日同様に傘をさすという。「洗車した後の桜島の噴火でテンション下がる」「灰が降ったあとは、洗車場が混む」「車の色も灰を心配して、白や黒は選べない」など、自動車を所有する人はいろいろと苦労がありそうだ。
鹿児島の天気予報では桜島上空の風向きを紹介しており、県民はそれを見て洗濯物を外に干すか判断するそうだ。これだけ生活に密着している桜島なので、県外から鹿児島へ帰ってきたときに「桜島を見るとほっとする」という意見も多数見られた。

2位と3位には方言に関するあるあるが入った。
「そうですね」など、同意する際の相づちは「ですです」。強調したいときは「ですですです」と「です」が増えていくそうだ。「ですです」と同じくらいよく使われるのが「だからよ」。共感するときに「だからよ!」と言うそうである。
「ですです」「だからよ」はシンプルだが、「鹿児島弁は難しい」そう。「同じ鹿児島でも地域によって方言が違うため何を言っているかわからないときがある」「年上の方言がわからず、聞きとれない」など、地域や年齢による差が大きいようだ。

4位は、鹿児島で有名なローカルCMのフレーズ。昔からあるそうなので幅広い年代の人から情報が寄せられた。CMと同じように「将来何になるの?」と聞かれるとつい「公務員!」と答えてしまう、という鹿児島県民が多いようだ。

5位は「黒板消しのことをラーフルという」。「これがわかれば薩摩人」というほど、鹿児島県民には「ラーフル」が定着しているそう。全国的には、主に文房具メーカーなどが「ラーフル」と呼んでいるようで、オフィス用品の通販サイトを見てみると「ラーフル」という商品名が多く見受けられた。

そのほかにも鹿児島独特の「あるある」が寄せられた。
焼酎についてだが、鹿児島では「焼酎のお湯割りはお湯から先に入れる」のだという。本場の飲み方をぜひ試してみてほしい。
食べ物では、「鹿児島のラーメン屋では必ず大根の漬物がついている。ラーメンにとても合うし欠かせません」とのこと。ラーメン屋に立ち寄ったらチェックしてみよう。

桜島の灰に関しては、「灰用のごみ袋がある」「灰が降るので夏もマスクを持っている」。鹿児島に引越すことになったら、こうした灰との付き合い方を早く覚える必要がありそうだ。


鹿児島県民のお酒の強さに関しては、ほかの地域とあまり変わらないようなので、下戸でも安心してよさそうだ。「火山灰」というほかの県にはない要素が、独特の習慣をつくっている鹿児島県。自然を身近に感じながら生活できそうだが、引越しの際には事前に情報を集めておき、降灰に慌てないよう備えておきたい。

--------------------------------------
【調査実施期間】
2019年9月12日~9月14日
【調査対象者】
現在鹿児島県に在住している20歳~65歳までの男女
【調査方法】
インターネット調査
【有効回答数】
400サンプル

※データ使用や詳細データのお問合せはhomes-press@LIFULL.comまでご連絡ください。

噴煙を上げる桜島。鹿児島では日常の風景だが、外から来た人にとっては不思議な感覚かもしれない噴煙を上げる桜島。鹿児島では日常の風景だが、外から来た人にとっては不思議な感覚かもしれない

2019年 11月25日 11時05分