旭化成ホームズ株式会社は、2026年7月から一戸建て住宅「ヘーベルハウス」や賃貸住宅「ヘーベルメゾン」の新築請負契約について、全国で電子契約を開始した。印紙税負担の軽減や契約業務の効率化を進め、年間約1億円超のコスト削減と、1邸当たり約1.5時間の業務時間削減を目指す取り組みだ。

【今回ピックアップするニュース】
旭化成ホームズ、新築請負契約を電子化(R.E.port)

契約DXの波が建築業界へ。不動産会社が見落としてはいけないポイント

賃貸住宅の建築提案を行う不動産会社が押さえておきたいのは、新築請負契約は売買契約とは異なり、建設業法のルールが適用される契約であるという点だ。建物の建築工事を請け負うには、原則として建設業許可が必要となる(軽微な建設工事のみを請け負う場合を除く)。そのため、宅建業免許だけで建築請負契約を締結できるわけではなく、建設業許可を持つ建築会社との役割分担や契約スキームを正しく理解しておく必要がある。
また、新築請負契約は契約金額が大きく、設計図書や仕様書、見積書など関連書類も多いため、電子化の難易度は高い。単に紙をPDFへ置き換えるだけではなく、契約内容を正しく説明し、顧客が十分に理解・確認できる運用体制が不可欠である。

電子契約によって業務効率化が可能になるが、本当に重要なのは、その結果生まれた時間をオーナーへの提案やコンサルティングに充てることだ。DX(デジタルトランスフォーメーション)は契約手続きを簡略化するだけではなく、顧客とのコミュニケーションの質を高めるための手段である。不動産会社には、宅建業と建設業、それぞれの役割を理解したうえで、デジタルを活用した付加価値の高い建築提案が求められる。

南智仁の賃貸ニュースピックアップ

不動産会社向けコンサルティング会社、株式会社南総合研究所の代表 南智仁氏が、賃貸業界に関わる方なら知っておくべきという観点でニュースを厳選し、豊富な経験に基づくコメントとともに伝えるコーナー。業界関係者はもちろん、賃貸住宅を探す人にとっても、重要な動きを理解できるほか、新たな視点を得ることができるはずだ。