5月15日に発表された株式会社レオパレス21の2026年3月期決算は、賃貸市場の追い風をしっかり取り込みながら、収益性改善を実現した内容だった。売上高は4,448億2,000万円で前期比3.0%増、営業利益は359億6,600万円で同23.0%増、経常利益は348億4,200万円で同29.4%増となった。特に営業利益の伸び率が高く、単なる増収ではなく利益体質の改善が進んでいる点が大きな特徴だ。一方で当期純利益は149億3,300万円と前期比16.4%減となったが、これは自己新株予約権消却損約100億円の計上など特別損失によるものであり、本業そのものは好調に推移している。

需要底堅く、賃料上昇局面で利益を出しやすい事業構造

【今回ピックアップするニュース】
2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)【株式会社レオパレス21】
2026年3月期 プレゼンテーション資料【株式会社レオパレス21】

今回の決算で特に注目すべきは、主力である賃貸事業の強さだ。賃貸事業の売上高は4,296億2,300万円、営業利益は442億9,600万円となり、グループ全体の利益を牽引した。期末入居率は88.78%と前期比1.21ポイント上昇し、家賃単価も上昇基調が続いている。レオパレス21はサブリースを中心とした事業モデルのため、市場賃料の上昇がそのまま収益改善につながりやすい構造を持っている。今回の数字は、まさにその強みが発揮された結果と言えるだろう。

背景には現在の賃貸市場全体の好調さがある。建築費高騰によって新築供給が抑制される一方で、都市部を中心に単身者需要や法人契約需要は堅調に推移している。さらに外国人就労者の増加も賃貸需要を支えている。特にレオパレス21は法人契約や短中期利用の需要に強みを持つため、現在の市場環境との相性が非常に良い。入居率上昇と賃料上昇を同時に実現できている点は、現在の賃貸市場の強さを象徴している。

現場目線で見ると期待感は大きい。賃貸住宅需要そのものは今後もしばらく底堅く推移する可能性が高く、法人需要や外国人需要の拡大も見込まれる。実際に会社側も次期予想として売上高4,650億円、営業利益385億円を計画しており、成長継続への自信を示している。

一方で懸念点もある。今回の業績拡大は市場環境の追い風による部分が大きく、景気減速や企業の採用抑制が起これば法人契約需要は影響を受けやすい。また、サブリース事業は賃料上昇局面では利益を出しやすい反面、オーナーとの賃料改定交渉が課題化する可能性もある。加えて人件費や修繕費、建築コストの上昇も続いており、今後は高い入居率を維持しながら利益率をどこまで確保できるかが重要なテーマになりそうだ。

今回の決算は、レオパレス21が過去の再建フェーズから脱し、「市場成長を利益に変えるフェーズ」へ移行しつつあることを示した決算だったと言えるだろう。

「南智仁の賃貸ニュースピックアップ」とは?

不動産会社向けコンサルティング会社、株式会社南総合研究所の代表 南智仁氏が、賃貸業界に関わる方なら知っておくべきという観点でニュースを厳選し、豊富な経験に基づくコメントとともに伝えるコーナー。業界関係者はもちろん、賃貸住宅を探す人にとっても、重要な動きを理解できるほか、新たな視点を得ることができるはずだ。