外からゴミがたまっていることが見えづらいゴミマンション・アパート

ここ数年、テレビなどで頻繁に報道されているゴミ屋敷。住宅の敷地を越えて道路まであふれ返ったゴミの山の映像に顔をしかめた人は多いだろう。

ゴミ屋敷は、周辺の道路をふさぐこと以外に、火災や悪臭、ゴキブリ・ネズミといった害虫・害獣の発生など様々な問題を引き起こす。周辺の住民にとっては迷惑極まりないものだ。筆者の家の近くにも1軒あり、東日本大震災で傾いた塀がそのままにされ、さらにその上にゴミが乗っている状態だ。近所の人たちはいつか崩れるとかなり心配している。

だが、このように周囲に認知されているゴミ屋敷は全体の中のごく一部だという。なぜなら、ご近所の目が届く一戸建てだけではなく、外からゴミがたまっていることが見えづらいゴミマンション・アパートも存在するからだ。

ゴミ屋敷は、悪臭、ゴキブリ・ネズミといった害虫・害獣の温床となる。昨今は火災の発生場所となるケースも多いゴミ屋敷は、悪臭、ゴキブリ・ネズミといった害虫・害獣の温床となる。昨今は火災の発生場所となるケースも多い

住民はゴミという認識がある比較的若年層

ゴミマンション・アパートは、窓を雨戸やカーテンで閉め切ってしまえば、第3者が中の様子を把握することは難しい。そのため死後数カ月後に発見される孤独死というケースもある。

一戸建てのゴミ屋敷に住む人とゴミマンション・アパートに住む人の傾向は、異なることが多いようだ。テレビなどで報道される前者は、ほとんどが比較的高齢でゴミとしての認識が薄く、すべて家財なので捨てることはできないと主張する。一方で後者は20代、30代の若年層が多く自分でもゴミという認識はあるが、仕事が忙しいといった理由でずるずると今の状態になってしまった、というケースが目立つ。その背景としては、独り暮らし世帯の増加、コンビニ食の増加、近所づきあいの減少、夜間労働者の増加、ゴミの分別の複雑化などがある。

また、ゴミマンション・アパートに住む人は、どちらかというと内気な人が多く、ゴミ出しの際に人に会うのを嫌がったり、分別の仕方で注意を受けることを恐れるといった傾向もあるようだ。

各自治体も「ゴミ屋敷条例」などで対策に乗り出す

そこで行政も対策に乗り出している。昨年(2015年)、京都市は50代男性の私有地のゴミを行政代執行によって撤去した。これは2014年11月に施行された「ゴミ屋敷条例」に基づく措置だ。

これまでゴミ屋敷に対する法的な規制はなかった。前述のように他人から見たら明らかにゴミでも、本人が家財だと言えば勝手に処分できなかったからだ。しかし、これに対処する京都市のような例は今後増えていくのではないだろうか。

根本的な解決のため行政機関やNPOへ相談を

これでゴミ屋敷、そしてゴミマンション・アパートは減っていくだろうか。状況はそんなに簡単ではない。ゴミがたまったら行政代執行、ではイタチゴッコが続くだろう。税金の無駄だ。根本的に解決するには、ゴミを捨てられないそもそもの理由を解決しなければならない。

ゴミマンション・アパートの住人に多い身体的には健康な若年層で、本人もゴミという認識がある場合は、ゴミ片づけの専門会社へ依頼し、一気に解決させるという方法がある。このような会社は、インターネットで「ゴミ片づけ 依頼」といったワードで検索すればいくらでも見つかるはずだ。費用の目安はゴミの量にもよるが、数十万円といったところだ。

問題は、自分でゴミという認識がない、またはゴミを撤去する体力やお金がないという人だろう。具体的には認知症の高齢者や精神疾患、病人、怪我人などだ。なかにはセルフネグレクト(自己放任」)といって自分の意思で食事や衛生管理を行わず、他人に援助を求めようとしない状態の人もいる。

このような人の場合は、周囲の人間が行政機関や専門のNPOなどの組織に相談するべきだろう。各自治体には高齢福祉課、障害者支援センターといった窓口があるはずだ。また、NPOに関してはインターネットなど「NPO ゴミ屋敷」などの検索ワードですぐに見つけることができる。

ゴミ屋敷・マンション・アパートの問題は、放っておけば解決するということではない。当事者、周囲の人いずれでも不安に思うなら、専門窓口へ相談してほしい。

ゴミ屋敷・マンション・アパートの根本的な解決には、第三者があたたかい手を差し伸べることも必要ゴミ屋敷・マンション・アパートの根本的な解決には、第三者があたたかい手を差し伸べることも必要

2016年 03月15日 11時06分