“住み手とつくる”という新しい発想の賃貸物件

和室をおしゃれな洋室にリノベーション和室をおしゃれな洋室にリノベーション

賃貸物件を考えていた人にとって、借りる部屋の内装を自分で選べるという感覚は、皆無に近かったかもしれない。

関西だけでも数十万件はある賃貸物件。空室が複数ある物件も少なくないなど、立地や住環境、間取り、賃料などによって各賃貸の回転率は様々だ。退去者がでれば原状回復のため内装工事を行うのが当たり前のようになっている日本。次の入居者が決まっていない状態で内装工事を行うのは、賃貸物件のオーナーにとっては少し腰の重いことだという。

そこで、入居してもらえるなら住み手の希望に近づく室内にリノベーションしても構わない、できるだけ長く住んで欲しいと思うオーナーと、自分らしいオリジナルな部屋に住みたいと考えている住み手、その双方の存在とニーズが合致したことで「入居者が内装を選べる」という新しい発想の賃貸物件が増えつつある。住み手が自由自在にカスタマイズできるとまではいかないが、間取りや水廻りの変更、壁紙や床材が選べるといった物件を目にする機会が増えている。

部屋の改装の進め方と注意点

間取り・住宅設備機器をすべてリノベーションした物件事例<築約35年、約42m2、1LDK>間取り・住宅設備機器をすべてリノベーションした物件事例<築約35年、約42m2、1LDK>

住み手が内装を自由に変更できるといわれても、何をどこから考えればいいのか分からない人も多いのではないだろうか。

そこで、賃貸物件に複数の空室がある場合、同じ建物内の1つの部屋を壁紙や床材、間取りを変更し住み手がイメージしやすいよう、モデルとなるおしゃれな部屋を用意している物件もある。そのモデルを見学することで、住み手が暮らしたい生活スタイルをより具体的にイメージできるというものだ。壁紙や床材のサンプルも数多く用意されているので、その中から自分好みのデザインを選ぶことができる。

ただ、内装工事の変更点として注意すべき点がいくつかある。例えば、壁を取って隣り合う2つの部屋を1つの大きな部屋にしたいという希望があったとする。その場合、建物の耐震強度の観点から、壁が撤去できるかどうかを検証する必要があるのだ。何も考えずに、壁を撤去してしまうと安全面で問題が生じることになる。また、キッチンやバスルームといった水廻りについても配置されているパイプスペースの都合で、簡単には移動できないことがある。こういった建築上の注意点は、オーナーや賃貸業者も確認したうえでの提案になっているハズだが、念のため事前に確認しておくと良いだろう。

住み手とオーナー、双方が満足するオリジナルの住まい

自分の選んだクロスが部屋の印象をガラリと変える自分の選んだクロスが部屋の印象をガラリと変える

このように内容変更ができる賃貸物件の事例として、部屋の印象をガラリと変える床材・壁紙を自由に選べる物件が増えている。
例えば、株式会社コモドスペースの場合、工事前の物件であれば入居者が複数のメーカーのサンプルの中から、自分の好きな壁紙や床材が選べ自分だけのオリジナルの住空間を創ることができる。工事が完了している物件でも部屋のアクセントとして、指定された壁に自身の趣向にあった壁紙を張り直してもらうことができる。また同社の場合だと、工事期間中の家賃や材料費といったリノベーションにかかる費用は一切不要。家賃は、相場から若干アップするが同じ賃料の新築と比べると、広い部屋が検討できる傾向にあるという。

賃貸業者のホームページに掲載されていなくても、入居を希望する住み手がその要望を賃貸業者に伝えれば、賃貸業者がオーナーに確認し、オーナーが許諾すれば対応可能というケースもあるようだ。

自分のこだわりのを反映した賃貸に住んだ人は、その満足感から愛着がわき長く大切に住む傾向にあるという。長く住んでもらえるというのは、オーナーにとってもうれしい結果になっているようだ。また転勤や転職といった住み手の仕事の都合で、やむなく退去することになった場合でも、次に住む街で同じような物件はないかと問合せがあるという。


取材協力:株式会社コモドスペース http://www.comodospace.com/

2013年 09月12日 11時22分