赤ちゃんとすごす空間づくりをどう考えるか

初めて「赤ちゃん」という新しい家族を迎えることになった家庭。今までは大人だけで暮らしていたけれど、赤ちゃんが生まれればその生活は大きく変わる。環境や設備、ライフスタイル、場合によっては住み替えを考えるタイミングにもなる。
「野村不動産アーバンネット株式会社 ノムコムwith Kids」の2015年の調査によると、将来子どもに専用の部屋を用意しようと考えている人は77.1%。ただし部屋を用意するタイミングは「小学校や中学校への進学の時」が約半数で、未就園児のうちは0.6%。この中に子どもが生まれたときの用意が含まれるとしても、乳幼児期は同じ部屋で過ごすのがやはり日本では一般的だ。

では、生まれたばかりの赤ちゃんと共に過ごすとき、リビングや寝室の注意点や安全対策はどんなことがあるのだろうか。
もうすぐむかえる赤ちゃんへの喜びとともに、新しい生活への不安をやわらげるためにも事前の心構えと準備をしたい。

「ノムコムwith Kids 子ども部屋についてのアンケート」より
「ノムコムwith Kids 子ども部屋についてのアンケート」より

成長段階に合わせた部屋作りのポイント

登れるが自分で降りれない時期は、ソファーからの転落にも注意したい登れるが自分で降りれない時期は、ソファーからの転落にも注意したい

「赤ちゃん」と言っても子どもの成長は早く、最初の一年だけでも、ねんね、ハイハイ、歩き出し…と大きく変わる。成長段階に合わせて、お部屋に気を付けることをあげてみる。

ねんねの時期
・部屋の温度、湿度…夏季は27~28度、冬季は20~22度、湿度は50~60%が目安。温湿度計を寝ている赤ちゃんの高さに配置すると良い
・部屋の明るさ…日当たりはいいが、直射日光の当たらない場所。蛍光灯の真下も避ける
・寝る場所の配置…壁や棚からの落下物やひもなどがないか、エアコンの風が直接当たらないかに注意
・寝具…窒息の予防として、寝具はベビー用の硬いマットを使用し、寝ているそばにぬいぐるみなどを置かない

ハイハイの時期
・なんでも口にするので誤嚥に注意。レシートやティッシュ、ビニール袋など、ちょっとしたものを短時間でも放置しない
・必要に応じてフロアマット、コーナークッションなどを導入
・つかまり立ちや歩き出しもすぐなので、この段階でゲートなどを検討
・親子ともども床で過ごすことが多くなるので、お世話グッズをまとめたバスケットのようなものがあると便利

歩き出しの時期
・コーナークッションにつかまるので剥がれに注意。引き出しを開け閉めして指を挟んだり、棚に入っているケースをつかんで転倒することも
・危険なものはさらに高い場所に。室内に置くものを選別する
・椅子やソファーからの転落にも注意。登れるようになるのは早いが、自分で安全に降りられるようになるのはまだ先

部屋作りに役立つグッズや、最近の傾向をプロのベビーシッターに聞いた

「株式会社ファーストウォーク」代表 参納初夏さん「株式会社ファーストウォーク」代表 参納初夏さん

具体的に、赤ちゃんのいる家庭はどんなものを使ったり工夫したりしているのだろうか?

ベビーシッターを派遣する会社を立ち上げ、自身もシッターとして現場に出て10年以上のキャリアを持つ「株式会社ファーストウォーク」代表 参納初夏さんに話を聞いた。
「ひとつの家庭に長くかかわることも多いのですが、仕事柄いろいろなお宅に伺います。最近よく見かけるのは、食事時のハイチェアか、机にはめるタイプの食事用イス。椅子になるバウンサーもありますが、布製のものは衛生面が気になります。それから、空気清浄機を用意しているご家庭は多いです。昔にくらべ、衛生グッズの種類が増えた印象があります。」
オムツの替え方、衛生グッズの使い方は家庭によって違うが、ベビーシッターは基本的に訪問家庭のやり方に沿うそうだ。また、お風呂はベビーバスを使う以外に、最近はマットの上で洗ってシャワーで流すという方法もある。

住んでいる家の間取りによって、赤ちゃんのために気を付けたい場合もある。
「センターキッチンなど部屋の作り上、ベビーゲートを設置するのが難しい家庭ではベビーサークルを使われています。場所を取るのが難点ですが、赤ちゃんによっては、落ち着ける場所になるようです。収納についても、どうしてもモノが増えていくので、工夫しているご家庭は多いです。使用済みオムツのバケツなども、オムツ専用のものではなく、インテリアにあったものを工夫して使用している方もいます。」
赤ちゃん用品でなくとも、工夫して長く使えるようなものを取り入れてみてはどうだろうか。

ベビーシッターの視点から見た、家庭内での「危険回避」

リビングは生活の場、赤ちゃんのイタズラで事故にならないように気を付けるリビングは生活の場、赤ちゃんのイタズラで事故にならないように気を付ける

シッターさんが訪問先で気をつけていることも、部屋づくりの参考になるだろう。
「家庭のリビングでお預かりすることが多いのですが、まず確認するのは、水回り、室内にある段差、ガラスの入った家具、低いテレビ台などです。仕事中はなるべくそれらから離れた場所で子どものお相手をします。」
逆に最近気になっていることは?
「電動バウンサーは便利ですが、寝具ではないので長時間の使用は避けてください。コンセントカバーは、かわいいものは逆に子どもの注意をひいてしまうので、シンプルなものをおすすめします。」

最後に、参納さんが仕事をする中での考えについても伺った。
「自由に動き回れる空間を確保するのが体の発達にもいいと考えています。リビングは生活の場でもありますので、危ないものは撤去し、イタズラされても怒らなくてもいい環境を整えてあげてください。子どもの発達段階をよく見て、ものを揃えたり変えたりしてはいかがでしょうか。子育てはお世話をする側の負担も増えます。便利なグッズはうまく使って、赤ちゃんだけでなく親のケアも考えてほしいと思っています。」
赤ちゃんのための部屋づくりは、家族のライフスタイルや住んでいる部屋の作りによっても変わってくる。部屋の導線を考えて家具の配置を変えるなど、親子ともども快適に過ごせるような工夫を重ねていこう。

新品でなくても良いものも…フリマや中古を賢く利用

さて、実際に必要なものを揃えていくとなると、専門店での購入以外にどのような方法があるか。
雑誌などに出産準備品として紹介されているものをすべて揃えるのは現実的ではないし、「寝てくれない」「嫌がる」などせっかく用意したものが赤ちゃんの個性に合わない場合もあるので、賢く選びたい。

・レンタルや中古
短期間しか使わないものはレンタルや中古も視野に。中古でもそもそも短期間しか使っていないので新品同様の場合が多いし、レンタルは返却してしまえば処分の手間がない
・バザーやフリマ、フリマサイト
出産前は情報が集まりにくいが、時期によっては近所の児童館や幼稚園などでバザーが行われている。実際にみんなが使っているものを見ることができるのも利点
・通販サイト、赤ちゃん用品専用通販サイト
衣類、グッズ、食品、消耗品、家具や器具など、サイトによって得意なジャンルが違う。使いそうなサイトは事前に会員登録しておくのがおすすめ

小さい子どもがいると買い物自体が難しくなるので、特に消耗品などは手に入れやすさも選択の基準になる。大きな家具や家電などは必要になった段階に応じて用意する、まずはレンタルで試して気に入ったら購入する、という方法もある。
便利なものは大いに利用して、賢く赤ちゃんのための空間づくりをしてみよう。

成長に合わせた賢い赤ちゃんのための空間づくりをしよう成長に合わせた賢い赤ちゃんのための空間づくりをしよう

2017年 12月25日 11時04分