旅に!アウトドアに!『動く家』感覚に夢が膨らむキャンピングカー

海に!山に!川に!と出かける際に目にすることも多いキャンピングカー。
さまざまな装備を施したキャンピングカーで快適にアウトドアレジャーを楽しむオーナー家族を見ては羨望の眼差しを送ってしまう筆者。「キャンピングカーがあれば、宿泊先にも困らず何処でも行けるなぁ~」「キャンピングカーで日本一周したいなぁ~」「定年後にキャンピングカーで夫婦二人旅なんてどう?!」と夢を膨らませたりもしている。
中には、キャンピングカーを“住まい化”して車上生活を愉しむツワモノもいらっしゃるが、ともあれ、「キャンピングカーで旅したい!」と憧れを抱く人は少なくないのではないだろうか。

一般社団法人日本RV協会がまとめた『キャンピングカー白書2016』によると、2015年の日本国内におけるキャンピングカーの総保有台数は約9万5,100台。業界全体の売上を見ると過去最高の約357億円を記録しており、キャンピングカーの需要が増えていることがうかがえる。

「キャンピングカー=1,000万円レベルの車両」との印象すらある高額車だが、一口にキャンピングカーと言ってもさまざまなジャンルがある。
キャンピングカーの定義で言えば、就寝設備や炊事設備などについて法律で定める構造要件を満たした俗に言う「8ナンバー」のついた特殊車両を指すが、その義務条件は満たしていないものの、寝るには支障のない「8ナンバー以外」の国産キャンピングカーの出荷や売上も増している。その中でも、『軽キャンピングカー』の市場拡大も目覚ましいと聞き、軽キャンパーを取り扱う車販売店を訪ねることにした。

気軽に車中泊できる、キャンピングカー仕様の軽自動車【ちょいcam(きゃん)®】/ユーズネット豊田店にて気軽に車中泊できる、キャンピングカー仕様の軽自動車【ちょいcam(きゃん)®】/ユーズネット豊田店にて

はじまりは、「もっと小さいキャンピングカーはないの?」の声

ユーズネット/株式会社ルート代表取締役の井上政彦氏(左)と、キャンパー事業部部長の安藤雅彦氏(右)ユーズネット/株式会社ルート代表取締役の井上政彦氏(左)と、キャンパー事業部部長の安藤雅彦氏(右)

訪ねたのは、クルマの街・愛知県豊田市に本社を置く株式会社ルートが展開するユーズネット。豊田市を中心とする6拠点で40年ほど車販売を行っている会社だ。そんな同社は、軽キャンパー【ちょいcam®】を独自開発し、今や全国にその販売店を持っている。

そもそも、同社が軽キャンピングカーの製造販売をはじめたのは8年ほど前。
当時は一販売店として通常のキャンピングカーを取り扱い出した頃で、とあるキャンピングカーのイベントに参加した際に「もっと小さいのはないの?」と来場者に言われたのがきっかけだったとか。小型キャンピングカー自体が少ない頃だったので、「それならば自社で作ろう!」との運びになったのだそうだ。

地元の家具工房とコラボした、“あたたかみ重視”の寛げる空間

試作の末に現在のスタイルになったという同社の軽キャンパーには大きな特徴が2つある。

一つ目は、『キット化』されていること。
通常はベースとなる車両を半年ほどかけてキャンピングカーに仕上げる“オーダーメイドの完成品”になるのだが、【ちょいcam®】の場合、ごく普通の4人乗り軽自動車に“架装キットを取付け”てキャンピングカー仕様にする。例えばカーナビを取付けるように、装備を足す・後付けする感覚で、気軽に愛車をカスタマイズできるわけだ。

そして二つ目は、『天然木の内装家具』であること。
一般的にはベニヤの内装が多いキャンピングカーだが、地元の家具工房にオーダーした三河家具職人が作る天然木の内装家具を組み付けている。
「キャンピングカーを希望する多くは団塊世代で、『ゆっくり過ごしたい』との考えをお持ちです。車中でホッと寛げるように、天然木が醸すあたたかみであったり、手触りの良い質感、見た目の高級感でその想いに応えたいと思ったのです。」(安藤氏)

天井収納やキャビネット、折り畳みテーブルなど・・・軽自動車に天然木家具を造作したような印象。</br>
タモ材の内装家具はスペースの無駄を省きながら使いやすく設計された機能美デザイン。絶妙なフォルムに家具職人の技を感じる。</br>対応車種はスズキ「エブリィ」・ダイハツ「アトレー」など。架装キットは全部で5種ある。※写真は【ちょいcam® 豊】天井収納やキャビネット、折り畳みテーブルなど・・・軽自動車に天然木家具を造作したような印象。
タモ材の内装家具はスペースの無駄を省きながら使いやすく設計された機能美デザイン。絶妙なフォルムに家具職人の技を感じる。
対応車種はスズキ「エブリィ」・ダイハツ「アトレー」など。架装キットは全部で5種ある。※写真は【ちょいcam® 豊】

車を寝室化するために重要なのは・・・「平ら」であること!

そんな特徴を持つ同車は、『気軽に車中泊ができる』ことを目的に作られた軽キャンパー。
普段は4人乗りの見た目も普通の軽自動車が、必要な時にフロアマットを敷けば就寝スペースを設けられるようになっている。

例えば、夏フェス前夜に現地入りして車中で仮眠・・・という光景もこの時季は珍しくないが、車中泊と聞くと、シートを全部倒して眠るもののフルフラットにはならずスペースも限られるため、「寝た気がしない」「カラダが痛い」と感じることも多いはず。
やはり心地よく眠るためには、“完全な平ら”であり、“室内を最大限に広く使える”ことが重要なのだろう。基本装備をシンプルにしてメインとなる就寝スペースをしっかりと確保している。

実際に寝てみたが、二人並んでも十分な幅がある上に天井も高いので、「軽自動車ってこんなに広かったっけ?」と思うほど想像以上のゆとりを感じた。シートの固さも快適で、何よりも目に飛び込んでくる天然木に和み、車内というよりも個室の感を覚えた。

フロアマットのサイズは1240mm×1930mmで、身長167cmの筆者が寝ても余裕の広さ!!</br>
取り付け&取り外しも簡単なので、就寝スペース不要の時はすぐに4人乗りの通常車に戻せるのも魅力。</br>
また、通常車にある構造上の穴を活用して架装キットを取り付けるため、必要以上に車体を弄ることなく、</br>取り外せばほぼ原状復帰できる点も良いと感じたフロアマットのサイズは1240mm×1930mmで、身長167cmの筆者が寝ても余裕の広さ!!
取り付け&取り外しも簡単なので、就寝スペース不要の時はすぐに4人乗りの通常車に戻せるのも魅力。
また、通常車にある構造上の穴を活用して架装キットを取り付けるため、必要以上に車体を弄ることなく、
取り外せばほぼ原状復帰できる点も良いと感じた

アウトドアに・趣味に・ペット同伴旅に・・・
現代のニーズに応える軽キャンピングカー

『キャンピングカーの要素もある軽自動車』と呼ぶのがしっくりくる軽キャンパーだが、オーナーはどんな使い方をしているのか安藤氏に聞いた。

「釣りやカメラを趣味にされている方が、夜出発して明け方までの仮眠用に活用しているケースが多いですね。今は道の駅や立ち寄り温泉施設なども各地にたくさんあるので、気ままに・安価に旅を楽しみたいご夫婦や、ベッドのセッティングも簡単な上に車中泊を喜ぶお子さんのために購入される子育て家族もいらっしゃいます。
それから、ペットとの家族旅行を愉しむためにオーナーになる方も。ペット同伴可能な宿がなかなか見つからない事もありますが、車中泊ができれば家族の一員であるペットと一緒に旅ができますから。夫婦喧嘩をして一人になりたい時も良い!と仰るオーナーさんもいらっしゃいますよ(笑)。」

疲れた身体を真横にして休める上にプライバシーも確保できるため、万が一の災害時対策としても軽キャンパーに魅力を感じるという声も増えてきたのだとか。

収納付きフロアマットのみの架装キットならば15万円弱で購入できると聞いた。
“動く寝室”として楽しめそうな軽キャンパーに、「キャンピングカーで全国を旅したい!」の夢が近づいた気がしたのは筆者だけだろうか。

取材協力/株式会社ルート(ユーズネット本部)
http://www.yousnet.co.jp/company/route.html 

軽キャンパー【ちょいcam®】
http://choi-cam.com/

畳下収納のようにフロアマットの下が収納になっていたり、寝袋などを固定できるベルトが付いていたり・・・</br>
天井収納や小物入れ、可動式テーブル、物掛けバーなど就寝スペースを大きくとりながらも家具充実の車内。</br>
アウトドア時にも役立つサイドオーニングや、サブバッテリー電源システム、ソーラー電源システムの搭載もOK。</br>
上段200kg耐荷の二段ベッド仕様があったり、後部窓に網戸を付けられるなど、“セカンド住空間”にもなれるかも?!畳下収納のようにフロアマットの下が収納になっていたり、寝袋などを固定できるベルトが付いていたり・・・
天井収納や小物入れ、可動式テーブル、物掛けバーなど就寝スペースを大きくとりながらも家具充実の車内。
アウトドア時にも役立つサイドオーニングや、サブバッテリー電源システム、ソーラー電源システムの搭載もOK。
上段200kg耐荷の二段ベッド仕様があったり、後部窓に網戸を付けられるなど、“セカンド住空間”にもなれるかも?!

2016年 09月01日 11時07分