エアコンの構造と仕組みをおさらいしよう

エアコンの手入れを説明する前に、なぜエアコンは涼しい風を吹き出すのか、構造を簡単におさらいしておこう。

エアコンは室内機と室外機で成り立っており、室内機は、おおまかにいえば、熱交換器(冷媒フィン)とファン(クロスフローファン)、フィルターで構成されている。室外機にも熱交換器が入っており、室内機と室外機を結ぶパイプには冷媒と呼ばれるガスが充満されている。冷媒とは、その名の印象とは違い、熱を運ぶガスのこと。熱交換器は温度の高い物体から低い物体へ熱を移動させるもので、冷媒が運んできた熱を受け取ったり、冷媒に熱を渡したりする役割がある。
部屋の空気を冷やす仕組みは、まず室内機内のファンの回転により、室内の熱い空気を吸いこむと、フィルターでほこりを除去してから、熱交換器に送り込まれる。ここで冷媒が熱を受け取り、室外機の熱交換器まで運び、熱だけを室外に排出するので、室内が冷えるのだ。

掃除をしないと冷房効率の低下や水漏れも…

エアコンの手入れで省エネもできるエアコンの手入れで省エネもできる

長期間、エアコンの掃除をしないでいるとフィルターにほこりが詰まり、室内の熱い空気を、十分に吸いこめなくなる。すると冷房の効率が落ちるから、「エアコンの効きが悪いな」と感じるようになるだろう。
また、気温が下がると空気中の飽和水蒸気量が減るので、水蒸気は液体となって、室内機から室外機へと送り出される。稼働中の室外機のパイプから、多量の水が流れ出る水漏れはそのせいだ。ほこりと水が室内機にたまり、カビが繁殖すれば、冷風とともに胞子が飛び散り、アレルギーの原因にもなってしまう。
そうならないためには、2週間に一度はフィルターの掃除をするのが良いようだ。
それでは具体的に、どのようにお手入れをすればよいのだろうか。

まずは基本、外部とフィルターの掃除

まずはエアコン本体の電源を抜き、室内機外部にたまったほこりを掃除機で吸い、固くしぼった雑巾などでふき取ろう。このほこりがエアコンの性能に大きな影響を与える心配はないが、内部掃除の前に外部をきれいにしておけば、ほこりが舞いあがる心配はない。水分がエアコン本体に入ると故障の原因になるので、必ず雑巾は固くしぼること。
エアコンの前面カバーを開くと、すぐにフィルターが目に入るはずだから、まずは表面についたほこりを、掃除機で簡単に取り除こう。目に見えるほこりがなくなったら取り外し、隅々まで掃除機で吸う。ブラシつきのアタッチメントを使えば、細かいところまできれいになるだろう。
この時に気を付けたいのは、フィルターの向き。ほこりは表側に付いているので、裏側から吸い込むと、フィルターの目詰まりを起こすおそれがあるのだ。必ず表側から吸うようにしよう。
掃除機だけでは細かいほこりは除去できないので、月に一度は水洗いをした方が良い。このときは掃除機と反対に、裏側から水をあてること。表からあてるとほこりがフィルターに詰まる可能性があるからだ。
水洗いの後は日陰干しが必要だが、夏の気温なら日陰でも1時間あれば乾くだろう。乾燥後にまた、エアコンにとりつければよい。

フィルターの掃除として、月に一度は水洗いをした方が良いフィルターの掃除として、月に一度は水洗いをした方が良い

忘れがちなルーバー、フィンとファンの汚れもチェック

フィルターをどけるとフィンが見える。汚れが目立つ場合は電気屋さんなどに相談をフィルターをどけるとフィンが見える。汚れが目立つ場合は電気屋さんなどに相談を

意外と忘れがちなのがルーバー。ルーバーは吹き出し口にある羽状の板で、風向を調節するものだ。水滴がたまってカビが生える場合もあるから、中性洗剤を染み込ませたタオルなどで、一枚一枚きれいに拭いていこう。

機種によって構造は違うが、フィルターを外して、熱交換器やファンが見えれば、汚れがついていないかチェックしよう。「ファン」と言われると、扇風機の羽根のようなプロペラ状のものを想像しがちだが、エアコン内部のクロスフローファンは、筒状をしており、その周囲横方向に、びっしりと羽根がついている。このような構造をしているため、直進する風を大量に発生できるのだ。
フィンやファンの汚れは基本的には電気屋さんに相談する方が良いが、ほこりなどの簡単な汚れなら、エアダスターを使って空気で吹き飛ばす方法も。ファンのほこりは乾いた歯ブラシで取り除いても良いが、故障の原因にもなるので、なるべくプロに任せよう。

また、エアコン洗浄スプレーも市販されているが、薬剤がたまって故障の原因となることもあるので、使用方法を必ず守ろう。

室外機も冷房性能に影響する

室外機の前には何もおかず、広い空間から空気を吸いこめるようにしておきたい室外機の前には何もおかず、広い空間から空気を吸いこめるようにしておきたい

エアコンをきれいに掃除しているのに、なぜか効きが悪いような気がしたら、室外機に問題があるのかもしれない。たとえば、室外機のカバーを外し忘れていないだろうか?室外機は、熱交換器で受け取った熱を吹き出し、比較的涼しい外気を吸いこんで室内へ運ぶため、前に立つと熱く感じるはずだ。ところが、カバーをしたままだと熱い空気がこもってしまう。その空気を吸いこむので、熱交換器で熱を奪っても追いつかず、室内に吹き込む風が十分に涼しくないと感じるのだ。
室外機の前には何もおかず、広い空間から空気を吸いこめるようにしておこう。
また、直射日光が当たる場所では、外気が熱くなりがちなので、すだれなどを利用して日陰を作ると良いだろう。室外機が熱くなっているときは、水をかけて冷やしても良い。室外機は雨に濡れる前提で作られているので、水が故障の原因になることは少ない。

エアコンの省エネ性能もアップしているとはいえ、利用者それぞれがコマメな手入れを心がけることで、快適な夏を過ごしたいものだ。

2016年 06月14日 11時19分