いきなり症状があらわれる花粉症。対策は「持ち込まない」「取り除く」の2つ

花粉症の原因となる植物は、スギやヒノキなど多岐にわたる。ブタ草などは秋がシーズンだが、スギやヒノキのほかにもイネ科など、特に花粉症を発症する人が増えるのは春だろう。

花粉症の恐ろしさは、いきなり症状があらわれるところ。アレルゲンを少し吸引しただけではなにも支障がないので、無自覚のまま体内に取り込み続けると、ある日いきなりくしゃみや目の痒み、皮膚疾患などの症状があらわれるのだ。

花粉症になった人は、できれば何の花粉のアレルギーなのか調べてもらい、どの季節に対策をすべきか確認するのがよいだろう。

アレルゲンがわかれば、対策は大きく分けて、
①花粉を家の中に持ち込まない
②入りこんでしまった花粉はなるべく取り除く
の二点なる。

次に、どのように家の中の花粉症対策をすべきなのか、具体的にみてみよう。

対策①外から家の中に花粉を持ち帰らない

花粉の季節は、外を歩けば、そこら中に花粉が舞っていると考えてよい。
それらを吸い込まないように、マスクやメガネで防備するのはもちろんだが、なるべく持ち帰らないのも花粉症対策の第一歩。花粉は静電気で衣類に付着するので、服はフリースやウールなどを避け、化学繊維などのつるつるした素材の上着を着るようにしたい。髪の毛にも花粉がつきやすいので、できれば帽子やスカーフなどで覆うとよい。

その上で、家の玄関には小型の掃除機などを用意しておき、帰ったらすぐに洋服と髪の毛の花粉を吸い取る。この際、掃除機は、排気がクリーンなものを選ぶのを忘れずに。また、部屋でくつろぐ前にシャワーを浴びることで、家内に持ち込む花粉の量をさらに減らすことができるだろう。

花粉は家の中にできるだけ持ち込まないように玄関先で払って家に入りたい花粉は家の中にできるだけ持ち込まないように玄関先で払って家に入りたい

対策①:家の中に花粉を持ち込まない
 ・外出時の服や髪の毛に静電気でつく花粉は玄関先でできるだけ払う
 ・花粉を払うのに小型のハンディ掃除機を玄関先においておき、服の表面に掃除機をかけると効果的

 

対策②:洗濯物や布団干しで花粉を家の中にいれないために

また、日頃の家事にも、家内に花粉を入れてしまう原因がある。

代表的なものが布団干しや洗濯だ。布団を干せば、シーツに花粉がたっぷりついてしまうから、花粉のシーズンはなるべく布団を干さないのが一番だが、そういうわけにもいかないという方もおられるだろう。そこで花粉の飛散が少ない時間に布団を干すことを考えよう。花粉は日の出とともに飛散を始め、午後3時ごろにピークを迎えるといわれている。だから、朝早ければ早いほど空中にある花粉の量は少ないわけだ。つまり、日の出と同時に布団を干し、なるべく早く取り込むと良いのだ。

また、風向きも考慮にいれよう。アレルゲンがスギやヒノキの花粉である場合、花粉は山の方角から飛んでくるものがほとんど。だから、風が山から家に向いて吹いているときではなく、家の方向から山へ向いているときに干せば、花粉の吸着量は最小限で済むのだ。もちろん、乾いた布団を取り込む前にはシーツをよくはらい、なるべく家の出口に近いところで掃除機をかけ、花粉を取り除こう。
洗濯物も同様で、取り込む前にできるだけ花粉を取り除くのが大切だ。

花粉症が酷い人は、この時期の洗濯物はできるだけ、部屋干しや乾燥機や浴室乾燥機を使うことことをおすすめする。送風運転で花粉を飛ばす機能がついた洗濯乾燥機なども販売されているので、あまりにも症状がひどい人は、購入を検討するのもよいだろう。

また、掃除の際の換気も最小限に。家の換気扇を花粉除去フィルター付きのものに変えるなど、窓から入ってくる花粉をなるべく減らす工夫をしよう。

この時期の洗濯はできるだけ乾燥機や部屋干しをこの時期の洗濯はできるだけ乾燥機や部屋干しを

対策②:洗濯物や布団干しでも花粉対策を
 ・洗濯物は花粉症がひどい人は、部屋干しがおすすめ
 ・外干しの場合洗濯物や布団は、表面をよく払う、取り込む前にハンディ掃除機で表面を掃除する
 ・お昼から飛散が増えるというので、早めに干して午前中に取り込む
 ・掃除をしても花粉が舞うと効果が薄まるため、加湿をして、花粉を床に落として掃除をする
 ・拭き掃除をしてから、掃除機をかける

対策③:花粉を上手にとる掃除の仕方

夜、人が寝静まると、空気の対流がとまり、家の中を舞い飛んでいた花粉も床に落ちる。つまり、人が動き出す前に床掃除をすれば、多くの花粉を除去できるわけだ。

もちろん、ただ掃除をすればよいというわけではない。排気がクリーンな掃除機を使ったり、雑巾や床ワイパーなどを使ったりして、花粉がなるべく舞い上がらないように気をつけながら掃除をしよう。
また、家の中が乾燥しているとその分、花粉が舞う。加湿器も上手に使うとよいだろう。

掃除機をかけると花粉が舞い上がるため、ワイパーなどで床をふいてからかけるとよい掃除機をかけると花粉が舞い上がるため、ワイパーなどで床をふいてからかけるとよい

対策③:花粉対策できる掃除の仕方
 ・乾燥すると花粉が舞い掃除をしても効果が薄まるため、加湿をして花粉を床に落として掃除をする
 ・床用ワイパーなど拭き掃除をしてから、掃除機をかける

対策④:エアコンも注意。加湿機能付き空気清浄機や、ベッドカバーの利用なども

家の中の花粉量を減らせるわけではないが、加湿器を使うと、花粉が舞い上がるのを押さえられる。花粉は湿気を吸い取るため、重くなって床に落ちるのだ。また、湿度が呼吸器の粘膜を保護してくれるため、呼吸が楽になるという利点もある。さらにカビなどの空気環境が気になる人は加湿機能付きの空気清浄機もあるから検討するとよい。
また、エアコンは外の空気を取り込むため、この時期はこまめにフィルターを掃除したい。ホコリや花粉を取るの貼るタイプのエアコンフィルターもあるので、こまめに取り替えながら利用して花粉対策するのもよいだろう。

寝てもくしゃみや鼻水が止まらない……という人は、もしかするとベッドに降り積もった花粉が、夜間の花粉症をひどくさせているのかもしれない。
なるべくベッドや布団に花粉がつかないようにしたい。そのために、簡単な方法としては、ベッドカバーを利用するのがよい。朝、掃除機などでシーツや布団の花粉を除去した後、ベッドカバーをかけておく。ベッドカバーがなければ使っていないシーツを利用してもよい。そして就寝直前にカバーをそっととりはずし、花粉を飛び散らさないように気をつけながら丸めて、洗濯機に放り込む。乾燥まで自動でしてくれる全自動洗濯乾燥機なら、夜に洗ったベッドカバーは朝には乾いているから、朝起きたらまたベッドにかける。これで寝苦しい思いが、多少は低減できる。

この時期はエアコンもこまめにフィルターを掃除したいこの時期はエアコンもこまめにフィルターを掃除したい
この時期はエアコンもこまめにフィルターを掃除したい花粉が落ちてシーツや布団につかないようにベッドカバーを利用

対策④:加湿機能付き空気清浄機、エアコンフィルター・ベッドカバーなどの利用で工夫を
 ・加湿機能付き空気清浄機で花粉を除去
 ・エアコンを使用する際は掃除機でフィルターをこまめに掃除する
 ・エアコン用の貼るタイプの花粉除去フィルターを利用する
 ・ベッドカバーをかけて、夜寝る前に舞い上がらないように取り外す


いやでも毎年やってくる花粉の季節。一度花粉症を発症すると、完治は難しいから、なるべく花粉を排除して、少しでも快適に過ごしてほしい。

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