国土交通省ハザードマップポータルサイト

今年は夏の初旬から台風が次々と到来し、鬼怒川の堤防決壊では多くの家屋が被害を受けた。
ニュースで映像を見てショックを受けた読者も多いだろう。気象庁は大雨特別警報を発令したが、地域の被災を防ぐことはできなかった。大雨特別警報は、台風や集中豪雨により数十年に一度の降雨量となる大雨が予想される、若しくは数十年に一度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により大雨になると予想される場合に発令される警報で、該当地域の危険度は非常に高いとされている。

数十年に一度しか起きない災害とはいえ、それがいつ起こるかわからない。気象状況の変化によりゲリラ豪雨も珍しくなくなった昨今、前もって自宅の危険度や災害時の避難経路、またどのような状況になれば避難すべきなのかを確認しておきたいものだ。

国土交通省ハザードマップポータルサイト(http://disaportal.gsi.go.jp/)が開設されているので、チェックしてみよう。

荒天時、水は人々を襲う怪物と化す荒天時、水は人々を襲う怪物と化す

ハザードマップとは

いざというときの避難用の非常袋に地域で配布されているハザードマップがあれば入れておきたいいざというときの避難用の非常袋に地域で配布されているハザードマップがあれば入れておきたい

ハザードマップとは、自然災害が起きた際少しでも被害が抑えられるよう、防災に役立つ情報を表示した地図のこと。被災想定地域や、予報の伝達方法、被災時の避難場所、避難場所までの経路などが掲載されている。

自然災害といっても、津波、土砂災害、洪水などがあるが、本格的な台風シーズンを前に、洪水のハザードマップを見てみよう。国土交通省ハザードマップポータルサイトでは、広範囲の防災情報はもとより、全国各地のハザードマップへのリンクがあるので、該当のマップを開いてみてほしい。

ハザードマップは地方公共団体ごとに作られており、ポータルサイトでハザードマップが見つからない場合は浸水被害の心配がない可能性もある。しかし、ごく一部に未公表の市町村もあるから、心配な場合は自宅付近を流れる川が二つ以上の都道府県にまたがる河川(一級河川)か、一つの都道府県内だけを流れる河川(二級河川)かを確認しよう。そして一級河川は国土交通省、二級河川は該当都道府県庁に、ハザードマップが作成されているかどうかを確認してみてほしい。もし浸水が想定されながらハザードマップが作成されていない場合は、避難場所などを確認しておく方が良い。

ハザードマップをチェックする

それでは具体的に見ていこう。
国土交通省ハザードマップポータルサイトを閲覧し、「防災に役立つ情報を閲覧」をクリックすると、日本地図が表示される。この状態で、「浸水想定区域」のボックスにチェックを入れると、国土の多くの部分が水色に染まる。日本がどれほど水害に弱いかわかるだろう。

では次に、自分の居住地域の情報を詳細に見ていこう。左側にあるメニューから、「地名等検索」タブを選び、自宅の市町村で検索すれば、該当地域の地図が表示される。その状態で、「防災に関する情報」タブを選ぶと、「浸水想定区域」などの各種ハザード情報を確認できる。
たとえば今回水害の起きた常総市の地図を表示して、「浸水想定区域」のボックスにチェックを入れると、鬼怒川流域の広い範囲が水色に染まってしまうことがわかるだろう。さらに水色の範囲にマウスポインターを載せると、想定される浸水の深さも左下に表示されるから、自宅が浸水想定区域にあたっている場合は、すぐにでも予報の伝達方法や避難場所、避難経路を確認した方が良い。「ハザードマップ」のボックスにチェックを入れても特に何も表示されないので、地方公共団体のハザードマップを確認することにしよう。

ポータルサイトのトップページに戻り、「全国の地方公共団体のハザードマップを閲覧」をクリックすると、各地方公共団体のハザードマップへのリンク集が表示される。
今回は右側メニューから「洪水ハザードマップ」を選択し、市町村名や郵便番号を入れると、その地方自治体が作成したハザードマップへのリンクが表示されるのがわかるだろう。

ここでも例として常総市のハザードマップを見てみると、鬼怒川と小貝川・利根川の二種類があるから、今回は鬼怒川のものを開いてみよう。すると、黄色から薄い緑色、薄い水色、水色、紫色に染められた地域が広がっているのがわかるだろう。概ね100年に一度程度起こる大雨の際に浸水が想定される地域を表示したもので、黄色の地域は浸水深が0.5m未満、薄い緑色は0.5~1.0m、薄い水色は1.0~2.0m、水色は2.0~5.0m、紫色は5.0mが想定されている。国土交通省の「浸水想定区域情報」でも浸水深はわかるが、公共団体ごとのハザードマップは洪水時に各地域がどの程度の深さまで水に浸かるか一目でわかるように工夫されているから、念のため確認してみてほしい。自宅近辺の浸水想定状況を知れば、洪水の恐ろしさが身に染みてわかるのではないだろうか。

ハザードマップには避難場所が書かれているから最寄りの避難場所を確認し、川べりや橋、地下歩道などをなるべく通らずに済む避難の経路をチェックしておこう。また、河川の水位情報を得る手段も掲載されているから、雨天が続く場合は早めに近隣にある河川の水位をチェックしておけば、避難の準備に慌てずに済む。また、防災関係の窓口一覧が示されているから、不明点があれば確認しておこう。常総市のハザードマップには避難情報がどのような手段で発表されるかが明記されていないから、この点を確認しておけばさらに安心だろう。避難情報には3種類あり、「避難準備情報」が発表されれば避難の準備を始め、「避難勧告」が発表されたら避難開始、「避難指示」が発表される前には避難を完了しておくのが原則だ。

ハザードマップは公共団体ごとに内容が異なるので、ぜひ自宅のある公共団体のハザードマップを閲覧し、上記情報をチェックし、不明点があれば確認しておこう。

避難時の心得

では実際に洪水が心配されるほどの大雨が降った場合、どのように行動すべきだろうか。近隣の河川が氾濫する危険を感じる水位になったら、ガスの元栓を閉じて電気のブレーカーを落とし、避難の準備を始めよう。
あれもこれもと持ち出したくなるだろうが、万一避難途中に堤防が決壊し、出水があった場合を考えれば身軽にしておくべきだ。現金や通帳、印鑑などの貴重品のほか、最低限の非常食や携帯電話、懐中電灯、ラジオなどをリュックやショッピングカートなどに詰めて持ち出すようにしよう。高齢者や小さな児童は、住所・氏名・連絡先などを記した「防災メモ」を身に付けておけば、はぐれても再会しやすくなる。また外出中の家族がおり、携帯電話などで連絡がとれない場合は、どこへ避難したかわかるメモを残しておこう。
そして避難するのは必ず徒歩で。車は約30cmの浸水で移動困難に陥ってしまい、水圧で扉が開かなくなる可能性もあるからだ。避難場所についたら、住所氏名を報告することを忘れずに。その他、公共団体ごとのハザードマップにはさまざまな心得が書かれているので、前もってチェックしておきたい。

いつ起きるかわからない自然災害。避けることはできないが、被害を最小限にとどめることならできる。ハザードマップを上手に利用し、日ごろの準備をしておこう。

参考サイト:国土交通省ハザードマップポータルサイト
http://disaportal.gsi.go.jp/

いつ起きるかわからない自然災害。避けることはできないが、被害を最小限にとどめることならできるいつ起きるかわからない自然災害。避けることはできないが、被害を最小限にとどめることならできる

2015年 09月24日 11時09分