ほしいアイテムを自分で作っちゃおう

木工家の井上敦史さん木工家の井上敦史さん

筆者の部屋で、ベッド脇に小物を置いている台がある。以前、通販で購入した書類ケースが入っている段ボール箱のサイズがちょうど良かったので、中身を取り出さず、そのまま台として使用していた。

ダンボールの上に布をかぶせ、2~3年そのまま使っているのだが、やはり味気ない。中身の書類ケースは使えないままだし、台の本体の空間を活用したいところ。しかしながら、ぴったりサイズのボックスを見つけるのは中々難しい。そんな訳で、今回は自分でマガジンボックスを手づくりするDIYに挑戦。

教えていただいたのは、木工家の井上敦史さん。筆者の出身大学、横浜美術短期大学(現:横浜美術大学)同期で、学生時代より木工作品を作り続けている。

今回作りたいと思っているマガジンボックスは5面からなるシンプルな形状な箱。井上さんにイメージを伝え、まずは材料購入。向かったのはホームセンター。

ホームセンターでの買い物

メインとなる木材は、価格が安価なOSB合板(配向性ストランドボード。木質ボードの一種)。集積した木材で、少しワイルドな感じがする。大きな板一枚(3×6板:ふすまや畳と同じ大きさ)のままで運べないのと、のこぎりでまっすぐ切るのは難しいため、ホームセンターで板をカットしてもらう。1カットは50円が相場のようだ。

ここで気をつけなければいけないのは、板厚。箱として組み立てるときに、板厚を計算して事前に引き算して、寸法を決める必要がある。今回、購入したのは厚さ11mmだったため、両脇の板2枚は上下をマイナス22mm、奥の板は上下左右をマイナス22mmとしている。

板が切れたところで、他の材料も購入。釘は真鍮製で長さ32mmを使用。箱を使っている間に経年変化で、味わい深い色になるそうだ。そういえばアンティークでも真鍮製のアイテムは人気。板を留めるための接着剤は、木工用ボンドを使う。

ペンキは人気のミルクペイントをチョイス。牛乳由来の成分で、においが少なく、優しい色合いと、なめらかな仕上がりが特徴だ。ペンキは選ぶのが悩むほどに種類があったが、井上さんによると「扱いやすい水性塗料がおススメ」とのこと。ペンキ色は、ミルクホワイトと落ち着いたピンクの2色を選び、中と外を塗り分けてみよう。

後は、刷毛、ペンキを入れるための小さなポリバケツ、紙やすりを購入した。紙やすりは目の粗さの種類がいくつもあるが、今回は100番のものでよいそうだ。

筆者は持参していたので、改めて購入はしなかったが、滑り止めつきの軍手は必要なアイテム。木材は切っただけでは、端がささくれていたりするので、買って運ぶ間に怪我をする危険もあるので、必ず用意しよう。

後、必要なものとして、金槌、キリ、定規、クランプがある。また、ペンキを塗り分けるのならば、マスキングテープも必要だ。今回は横浜美術大学の木工室をお借りして組み立てを行ったので、工具類もお借りできたが、ないものは材料と一緒にそろえておこう。なお、材料費は全部で4,000円ほどだった。

DIYの道具一覧DIYの道具一覧

いざ、マガジンボックスの組み立て開始

マガジンボックスを組み立てるマガジンボックスを組み立てる

さて、材料を購入して、横浜美術大学に移動して組み立てを行う。このように専門の作業室が使えればいいけれど、自宅で作るとなったらベランダや玄関で作業することになるだろう。できれば、晴れた風のない屋外で作業できれば、ベスト。ペンキを使用するので、汚れてもいいように新聞紙などを下にひき、換気は十分に行うことが必要である。

後は汚れても構わない服装に着替え、髪が長いならば事前にまとめておこう。筆者は古いエプロンを工作用にして身に着けた。それに、マスクも着用した。作業を始めると、なかなか服装まで気がまわらなくなる。ペンキでお気に入りの服に色をつけないようにしよう。

腕まくりをして作業開始。まず、板の端に鉛筆で筋をつけ、釘を打つ場所を決めるところから始まる。釘は板の一辺に対して、両端と中央の最低3ヶ所は必要だ。印をつけたら、キリで下穴を空ける。ここで板を作業机に固定するために、クランプが必要になる。下穴を空けることにより、釘を打ったときに板が割れるのを軽減する。地道な作業だけれども、仕上がりに大きく影響してくる。

キリで穴を空け終わったら、いよいよ釘打ち。これぞ、DIYらしい作業だ。まず木工用ボンドを、接合面の片側に塗り、板を合わせる。ボンドがはみ出してしまったり、手についてしまったりしたときは、水を含ませた布で拭き取るといいだろう。

金槌には真っ平らな面と、少し膨らんだ面がある。釘の大部分を真っ平らな面で打ち、最後の仕上げを少し膨らんだ面で打つ。こうすることにより、金槌の跡が板に残らない。実際に作業すると、釘を打つ音がするので、夜間に行うのは控えたい。

今回は、井上さんに教えてもらいながらだったので、当然ながら、作業がスムーズだった。組み立て途中の板は不安定なので、できれば2人以上で作業するのが望ましい。1人に板を押さえてもらいながら、もう1人が釘を打つようにすれば、楽しみながらDIYできるだろう。

箱を組み立てていると、作業も後半に入る。組み立て終わり、箱にやすりがけを行う。紙やすりは余った木材などに巻いて使う。角がささくれないように、数回やする。また表面全体も軽くやする。

ミルクペイントでペンキ塗り

ミルクペイントを使って色を塗るミルクペイントを使って色を塗る

次は、お楽しみのペンキ塗りタイム。ここで、箱の下に角棒を渡し、箱を少し浮かすと下にペンキがたれず良いそうだ。割り箸を四隅に置いても代用できる。ペンキを小さなポリバケツに移して、塗っていく。

今回は内側に白を、外側にピンクを塗った。縁にマスキングテープを貼り、色を塗り分ける。OSB合板の板自体が集積材なので、綺麗に均一に塗れなくても、塗りムラはそれほど目立たない。とはいえ、適当に塗ってしまうと、刷毛の跡が残ってしまう。ムラを防ぐには、2回以上塗り、最後に塗るときに長い方向にそろえて塗ると、跡が目立たないそうだ。

塗りの途中で、作業を中断する場合は、ポリバケツにラップをかけて、ペンキの乾燥を防ぐ。今回は2色使ったので、外側のピンクを塗る際に、内側用の白いペンキの残りが乾かないようにラップを掛けた。また、乾燥中についうっかり触って、ペンキを別のところに、つけないように気をつける必要がある。

今回は底面を塗らなかった。塗った場合、ボックスを使用中に、ペンキがこすれて床につくこともあるので、普段見えないところならば、無理して塗る必要はないそうだ。また、塗らないところを作ると、全体の乾燥時間も早くすむ。

細かい塗りの仕上げは、綿棒で行った。OSB合板は集積材なので、板の表面に重なりで奥まったところがあり、綿棒でちょんちょんと塗っていく。

マガジンボックスが完成

ペンキを塗り終わり、十分に乾燥すれば、マガジンボックスは完成! ホームセンターの買い物を含めて1日がかりだったが、ぴったりサイズのオリジナルが自分で作ることができた。

ペンキは今回、内側と外側の2色使用したが、表面にデザインするように塗り分けても面白いかもしれない。また、デコレーション用のシールを貼るなど、作った人によって、楽しみも広がるだろう。

OSB合板の板厚は店頭で、9mmと11mmの2種類があったが、強度を考えて11mmにして正解。また端をきっちりそろえて作ると、見栄えはもちろん、強度も出るそうだ。今回、DIYをしてみた、料理でいうところの「下ごしらえ」が完成度を上げると感じた。キリで下穴を空ける作業は地道だったが、きちんとした四角い箱を作るには重要だった。

今回、作ったマガジンボックスには、イラストレーターとしての仕事実績の本を入れていくつもりだ。仕事がたくさんくれば、ボックスの中も賑やかになる。自分でマガジンボックスを作ってみると、そんな楽しみや思い入れもできる。

早くも次は何を作ろうか、計画中。自分は小物を集めるのが好きなので、収納を兼ねた、コレクション用の棚などいいかもしれない。

■取材協力先
横浜美術大学:http://www.yokohama-art.ac.jp/
木工家 井上敦史さん:http://acorde-wood.com/

マガジンボックスが完成マガジンボックスが完成

2015年 04月17日 11時06分