既製品はまるで巨大な○○○みたい!

”お客さまらしさ”をオーダーキッチンを通じて表現したいと語る、キッチンスペシャリスト・水谷聡子さん”お客さまらしさ”をオーダーキッチンを通じて表現したいと語る、キッチンスペシャリスト・水谷聡子さん

先回、「キッチンは住まいの中で一番大きなファニチュア(家具)」と表現されたキッチンスペシャリストの水谷聡子さん。
「オーダーと設備メーカーさんのキッチンとでは何がどう違うの?」という質問はよく挙がるものの一つ。
その問いに対して、スペックや素材の違いでオーダーと既製品の特徴を説明してきたが、意外にも、あるお客さまの一言が明確にその違いを表現されていたという。 
それがこちら。

「既製品のキッチンは『大きな家電品』のようで違和感があるのです」

水谷さんはそれを聞いた瞬間大いに共感。キッチンは住まいの中で一番大きな影響力を持つ、ファニチュアのような存在だと。
オーダーキッチンは、サイズも規格の枠にとらわれず、カラーも素材も豊富で、設備も国産・海外製品と選べる幅の広がる、まさに“お客様らしさ”を最大限に表すことのできるスペースなのだ、と再認識されたそう。

次に、実際に納品されたオーダーキッチンを2例ご紹介頂こう。

オーダーキッチン施工例①~大手設備メーカー勤務の奥さまが選ばれたキッチンとは

「既製品のキッチンは大きな家電品みたい」と表現された奥さま宅の施工完成写真。

LDKのインテリアが白を基調に見事にマッチし、落ち着いた一体感を感じられる。確かにこの雰囲気を既製品の組み合わせによって作り出そうとするのは難しいのかもしれない。

「実はこちらの奥さまは某大手設備メーカーにお勤めで、キッチンについての基礎知識もあり、予算も希望も明確。打ち合わせも大変スムーズでした」と水谷さんから伺った時は驚いた。設備メーカーの商品に関しては知り尽くしている方が、自宅キッチンをその範疇の中から選ばなかった理由が「大きな家電品みたい」だから。

「食洗機も導入されず、ワークトップはチャイナオイスター(御影石の一種)という天然石をご指定でした。インテリアコーディネーターも顔負けのセンスをお持ちの奥さまからお仕事を通じて学んだことは、『キッチンは合理性よりも佇まい』が大切。そのお宅のインテリアテイストを決定づけるようなファニチュア的存在だということです」

「既製品は大きな家電品みたい」と奥様が表現されたお宅に納品されたオーダーキッチン「既製品は大きな家電品みたい」と奥様が表現されたお宅に納品されたオーダーキッチン

工務店・施主・コーディネーターの新たなつながり方

LDKのイメージのつながり、統一感はオーダーキッチンならではLDKのイメージのつながり、統一感はオーダーキッチンならでは

また、こちらの施工は別の建築会社がお客さまと契約を結び、水谷さんの会社がキッチン部分のみ委託されて請け負った事例でもあった。

このような場合、同時進行していく他の建築工事との難しい絡みも生じるようで、それ故にこのキッチンは【工務店・施主・コーディネーターの理解と連携協力の賜物】でもあるのあろう。
既存の流れに捉われるのではなく、工務店・施主・コーディネーターそれぞれが柔軟な視点を持つことができれば、得意分野を任せたり任されたりすることによって、お客さまはもとより、作り手を含めてより満足いく住まいづくりのカタチはまだまだ可能性に満ちているのかもしれない・・・この成功事例は、そう教えてくれているようにも思う。

オーダーキッチン施工例②~シニア世代のキッチン創り

高さやサイズなど、細かなこだわりをカタチにできるのはオーダーならでは高さやサイズなど、細かなこだわりをカタチにできるのはオーダーならでは

シニア世代の奥さまが、「キッチンを主体にした家づくりをしたい」とご来店されたことからスタートしたこちらのキッチン。

「お菓子やパン作りを存分に楽しんで頂けるよう、丁寧にプランを進めた思い出に残るキッチンです」と水谷さん。
とにかく勉強熱心・研究熱心な奥さまで、打ち合わせの度にお持ちになる資料は膨大なものだったそう。雑誌の切り抜きはもちろん、時には図書館で探した本も。
また、お料理教室にも出かけ、実際にガスコンロの使い勝手を体験。 

その結果、調理スペースは少々高めの床から90cm、コンロの部分は鍋が振りやすい83cmの2段階にワークトップの高さを設定したそうだ。 
「これぞまさにオーダーキッチンならではの自由度!お客さまのこだわりをカタチにできる喜びを感じました」と水谷さんは振り返る。

「食」は生きる上でもっとも基本的で重要なもの。
しかし、背筋が伸ばしづらくなった、屈むのが辛いなど、シニア世代は身体的な変化によってキッチンに立つこと自体が億劫になることもあるそうだ。家事ストレスを軽減し、更にそれを楽しいものにするという視点は、心豊かに暮らすことに繋がるといっても過言ではないように思う。

料理をつくるだけではない。キッチンは、家族への愛情を育み、楽しくHappyな時間を創り出す大切な場所

長年、日本の「台所」は陰の部分にあり、女性が家庭や社会において明るくたくましい存在になっていくのと同時進行で「キッチン」と呼び名も変わってきた。そうした時代を経てきた奥さまにだからこそ、明るく楽しいキッチンスペースをご提供したかったと水谷さん。

ただ料理をつくるだけではなく、家族への愛情を育み、楽しくHappyな時間を創り出す大切な場所だとキッチンを捉えているからこそ、まずはそこに立つ人が明るく楽しい気持ちになることを大切にしているという。

ご自身の起業から現在までのお話の中でも、「食」「キッチン」は大きなキーワードと感じた。

「どんなに忙しくても、他のことは大雑把でも、娘には手料理を食べさせたかったのです。ここだけは凄くこだわっていました」

お話を聞き終え、水谷さんのショールームをもう一度眺めてみる。
『女性が創る、女性のためのキッチン』は、デザインや性能の優秀さを超え、ご自身の育児・家事・仕事を必死で両立させてきた経験に基づいたもの。母親として、女性としての愛情を強く感じる素敵なこだわりの沢山詰まった大きなファニチュアに見えてきた。

取材協力:グランジュッテ 株式会社  代表取締役 水谷聡子氏 
http://www.pa-du-due.jp/

「キッチン主体の家作りがしたい」というお客さまの想いと努力がカタチとなった水谷さん思い出の一例。「キッチン主体の家作りがしたい」というお客さまの想いと努力がカタチとなった水谷さん思い出の一例。

2014年 12月04日 11時15分