ずさんな業務が目立つ遺品整理業

悲しいことだが人は皆いずれ亡くなる。そこで遺族は深い悲嘆の中、葬儀を済ませ、喪に服すわけだが、同時に行わなければならないことに遺品の整理がある。
遺品の整理は、従来遺族が行うものだった。しかし、昨今の核家族化・高齢化などから、離れて住んでいるため時間的にも労力的にも対応できない、または遺族自体がいないといったケースが目立つようになってきた。
このような背景から街の便利屋さんなどが遺品整理を代行することが多くなってきている。ところが現時点で遺品整理業に関する法整備はほとんど整っておらず、不要品を不法投棄したり、法外な料金を請求する会社も存在する。過去の事例では、亡くなった方のマンションの駐車場に会社がそのまま遺品を放置したり、見積りでは約20万円の費用が、頼んでもいない清掃なども勝手に行われ約100万円の請求となったケースもある。

遺族は遺品の整理以外にもやらなければならないことが多数ある

このように問題の多い遺品整理だが、いざ当事者になると、「どこにお願いしていいのか分からない」、「適正価格が分からない」、「遺品以外に何を整理すればいいのか分からない」と分からないことばかりだろう。
一般的には、葬儀社や役所、便利屋さんなどに相談するケースが多いようだが、前述のように法整備が整っていないため、相談される方もどこを紹介するか、またはいくらが相場なのか熟知していないことがある。
また、葬儀を終えた遺族は、遺品の整理以外にもやらなければいけないことが以下のように多数ある。

・生命保険の手続き
・預貯金の解約手続き
・クルマの処分や名義変更
・亡くなった方の所有する不動産の処分や登記変更
(賃貸物件に住んでいたら、その解約手続き)
・仏壇や神棚のお焚き上げ手続き
・亡くなった部屋でのおはらい手続き

ほとんどの人にとって初めての経験となるこのような手続きを、スムーズに行うのは非常に困難だ。

遺品整理の代行・アドバイスを行う遺品整理士

そこで上記手続きの代行、アドバイスを一括して行うのが遺品整理士だ。これは一般社団法人 遺品整理士認定協会が認定する資格で、次のような業務を行っている。

・故人や遺族の希望に基づく遺品の「残す物」「売却するもの」「廃棄するもの」の仕分け
・自治体ごとに異なる遺品処分方法の確認
・廃棄物収集会社やリサイクル会社、お焚き上げ・おはらい等を行う関連会社の紹介
・その他のアドバイス

このような業務を一つの窓口で受け付けてくれるのは助かる。しかも遺族の気持ちを理解し、丁寧に対処するよう義務付けられている。中には「どうせいらないものでしょ」と、遺品を2階の窓から下のトラックへ投げてしまうような会社もいるのだ。

費用は地域や遺品の数によって異なるが、1LDK程度の部屋の物なら廃棄費用も含めて15万円前後。全国47都道府県に1万人以上存在する。
くわしくは同協会のホームページ↓を確認してほしい。
http://www.is-mind.org/

遺品整理士は遺族の希望に沿って、遺品の仕分けから廃棄物収集会社の紹介、</br>おはらいの手配までワンストップで対応してくれる
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(資料提供:一般社団法人 遺品整理士認定協会)遺品整理士は遺族の希望に沿って、遺品の仕分けから廃棄物収集会社の紹介、
おはらいの手配までワンストップで対応してくれる
(資料提供:一般社団法人 遺品整理士認定協会)

課題は整理士の認知度アップと買取り会社の健全化

遺品整理士の認知度は、まだまだ高いとはいえない (資料提供:一般社団法人 遺品整理士認定協会)遺品整理士の認知度は、まだまだ高いとはいえない (資料提供:一般社団法人 遺品整理士認定協会)

親族が亡くなった際、または親族がいない方が亡くなった際に頼りになる遺品整理士だが、まだまだ認知されているとは言いにくい。今後さらなる普及活動に期待したい。
また、遺品の整理には、ほかにも課題がある。リサイクル会社など買取り会社のモラルの問題だ。
彼らの中には、無理やり遺品を買い取っていく、いわゆる「押し買い」する者や本来の価値よりも著しく低い価格で買い取る者などもいる。さらに遺品の買い取りにも8日以内なら解約できるクーリングオフが適用されるのだが、遺族がこの制度を知らないことをいいことに、解約に応じないケースもある。
同協会では今後、遺品査定士の資格認定も行い、適正な遺品売却のアドバイスができるように仕組みを整備していく予定だ。

2014年 03月24日 09時49分