エアコンの設置工事

エアコン設置には、まず据え付け板と呼ばれる板を設置するエアコン設置には、まず据え付け板と呼ばれる板を設置する

今年の夏は記録的な猛暑を受けて、家庭用エアコンの販売が好調だったそうだ。
量販店や大手メーカーの販売実績は、天候不順の影響で需要が低迷した昨年夏に比べて2倍程度になったらしい。多くは、家電量販店で購入したり、ネットで購入するわけだが、設置はその量販店やネットで依頼することになる。すると、多くは電気工事屋さんが来ることになる。

エアコン設置には、まず、エアコンを据え付ける位置を確定し、据え付け板と呼ばれる板を設置する。この板の位置でエアコンの設置場所が決まるわけだ。設置場所として多いのは部屋の角部。なるべく目立ちにくいようにと言う配慮だろう。ついで、エアコンと室外機を結ぶ冷媒管と排水のためのドレンホースを外に出すための穴を壁にあける。エアコン・室外機を設置して、室内と室外を結び、防水工事などを施して完成という訳だ。

電気工事屋さんは建築知識があるわけではない

エアコン設置の穴で筋交いが切れてしまっている現場を少なからずとも見かけるエアコン設置の穴で筋交いが切れてしまっている現場を少なからずとも見かける

ここで注意が必要なのは、この「壁に穴をあける」と言う行為だ。
壁に穴をあける際に「筋交いを切ってしまう」と言う事故が後を絶たない。ただ、事故と言っても、エアコン設置工事を請け負い穴をあけた本人も、依頼をした住人もその事実も知らなければ、その事実が自宅の耐震性を著しく損なっていることすら知らないので、そのことが問題になることがほとんどない。

もちろんプロだから、その様なリスクを把握していて、しっかりやってくれる電気工事屋さんの方が多いだろう。
しかし、「えいやっ」と、何も考えず穴をあけてしまう電気工事屋さんが少なからずとも存在する。その証拠に、後にリフォーム等で壁をはがす機会があった際に、エアコン設置の穴で筋交いが切れてしまっている現場を少なからずとも見かけるからである。

エアコンの設置工事の際に、設計図書を確認する電気工事屋がどれだけ存在するだろう。そのようなケースはほとんどないだろう。

エアコン設置場所は筋交いがある可能性が高い

エアコン設置の際に、壁のど真ん中の位置に付けるケースは少ない。あまり目立たないよう角の壁に付けることが多い。
ここで知っておいていただきたいのが、「角の壁は筋交いが存在する可能性が非常に高い」ということ。しかも、たすき掛けになっているケースが多い。

耐震性のことを考えると、建物の出隅は窓ではなく壁が望ましいとされている。また、地震の揺れで家が水平の力を受けると、柱が土台から引き抜ける力が発生するのだが、その引き抜け力は平面に存在する柱より出隅に存在する柱の方が強くなる。その様な理由からも、筋交いが配置される可能性(強い壁が設置されている)が高いのである。

筋交いの構造筋交いの構造

エアコンの設置場所の選定

では、どのような事に気を付けながらエアコンの穴を設置すればよいのだろうか。

1)無開口壁への設置は避ける
腰窓(壁面の中ほどから上、ほぼ腰の高さにある窓)の上の壁は筋交いが入っていないので優先順位が高い。しかし、出隅でない場合が多い。

2)無開口壁へ設置する場合
出隅は無開口壁の場合が多いのだがその様なところに設置する際は、以下の様な手順を踏みたい。
① 設計図書で筋交いの有無、向きなどを調べる
② エアコンの電源があれば、コンセントカバーを外し壁の中をチェックする
③ コンセントなどが無い場合は、小さな穴をあけ、筋交いが無いことを確認する
④ 筋交いが無いことが確認できたらホールソーで穴をあける

せっかく耐震性のことを考慮して建築(購入)した住宅なのに、エアコンの設置でその性能を著しく落とすようなことがあってはいけない。

本来、そのような事故の無いようプロが担保すべき話だが、少なくとも設置工事の担当者には「筋交いを切らないように」と、一言注文を付けることを忘れないようにしたい。そして、穴をあけた際の確認は自らの目でも確かめればより安心だ。

エアコンの設置の際、穴をあけた場所の確認は自らの目でも確かめようエアコンの設置の際、穴をあけた場所の確認は自らの目でも確かめよう

2015年 08月31日 11時04分