中古住宅に価値をつけるには

「不動産流通市場活性化フォーラム」の様子「不動産流通市場活性化フォーラム」の様子

中古住宅流通市場を活性化させるためには、建物の評価を適正に行うことが必要で、そのために建物のコンディションを把握するホームインスペクションは必須。その上で、具体的にどうすれば建物に価値がつくようになるのか?

さくら事務所の25,000件に及ぶホームインスペクション経験からわかるのは、築20年でも30年でも、全く問題なく永く大切に住める建物がたくさんあるということ。

建物にどうやって価値をつけるか。このことは、先の不動産流通市場活性化フォーラムでも何度か話題になった。「築年数の経過によって一律に価値が下がっていくのではなく、建物の質や劣化度合いに応じて公平に価格差をつける。例えば築30年の建物であっても、品質が良く点検やメンテナンスが行われてコンディションが良ければ、それなりの評価をしよう。」といったことだ。

※不動産流通市場活性化フォーラム
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000042.html

ポイントは「住宅ローンの評価」

適正に評価すれば良いのだから、不動産仲介の担当者が査定をする際のマニュアルを見直し、建物のコンディションを把握した上で査定を行う仕組みにすればよいのかというと、ことはそう単純ではない。

建物を評価するのはとにもかくにも“購入者”だ。購入者がその価値を認めてくれなければ決してその評価額で買ってくれることはない。そしてその購入者は多くの場合“住宅ローン”を組むが、この“住宅ローンの評価”を見直すのが決定打となる。

具体的には、コンディションの良い中古住宅には、金利の低い、あるいは期間の長い住宅ローンを貸すようにすると、購入者は新築や賃貸と比較して、その割安感や買いやすさを踏まえながら中古住宅の購入を決定する。新築と比べて買いやすいから、あるいは賃貸より有利だと思うから、中古の価格が維持・評価される方向に働くのだ。

そして購入者にとってはより有利に中古住宅を購入する流れができ、こうした市場動向を受けて不動産仲介業の担当者は、建物の質に応じた査定を行う。こうした流れでだんだんと建物の価値がついてくるということになる。

「新築も中古も」はムリ

融資でも税制でも、新築の優遇が相対的に強すぎると、相対的に中古住宅は劣後するため、市場全体のバランスが大切だ。新築も中古も両方を追うことはできない。

これから空き家問題が深刻化する。新築は省エネなど設計基準を上げて徐々に抑制していき、中古住宅市場を整備・優遇する政策をとるのが、人口が減少し経済が成熟した日本の取るべき方策ではないだろうか。

2013年 09月26日 10時35分