なにより大切な「第三者性」

ホームインスペクターは何よりも「第三者性」が重要ホームインスペクターは何よりも「第三者性」が重要

ホームインスペクター(住宅診断士)にとって何より大切なのは“客観性”“第三者性”。リフォームの仕事を取りたいがためのホームインスペクションでは、その内容に恣意が含まれるのは自明である。そしてホームインスペクターが最も気をつけることは“事実だけを告げること”だ。例えば雨漏りが発見された場合、だから「良い」「悪い」「買え」「買うな」というようなことは決して言わないこと。それはあくまで不動産仲介業の分野だからだ。雨漏りがあるという事実だけを告げること、そしてその次の可能性について言及する。

例えば「このままにしておくとおおよそあと何年でこのようになる可能性がある」「補修する場合には、おおよそいくらくらいの費用がかかり、そうするとあと何年くらいもちそうだ」というようなことだ。ホームインスペクターは、不動産取引における判断材料を提供しているわけで、購入の可否について判断をするわけではないということである。

米国では業者とインスペクターの癒着が問題に

アメリカはかつて、ホームインスペクターと不動産会社との癒着が問題となり、州によっては“不動産会社によるホームインスペクター紹介禁止”としている。またホームインスペクションがリフォームや耐震工事を請負うための“お手盛り”となっては元も子もない。ASHI(アメリカホームインスペクターズ協会)では「ホームインスペクションを行なった物件について、1年間はリフォームなどの工事に携わってはならない」と倫理規定で定めている。これもやはり“リフォームなどの仕事を取るためのホームインスペクション”が問題となったためだ。

とはいえ、これからホームインスペクション黎明期と言える日本では建築や設計・不動産業務などと兼業せず、誰もが専業で成立する状況にはまだないため、現実的にはこれからしばらくはホームインスペクションは兼業で行なわれることも多いものと思う。

この時、例えば無料でホームインスペクションを行い、しかし必ずリフォームや耐震工事のプレゼン付きといったことをやっていてはユーザーは信頼しづらいだろう。ホームインスペクションはあくまで第三者を立てるのがよく、ユーザーが自らホームインスペクターを選択するのがベストである。

ホームインスペクションはあくまで第三者に依頼してみようホームインスペクションはあくまで第三者に依頼してみよう

バックマージンを禁止

ホームインスペクターは司法書士や弁護士と同じような立ち位置が重要ホームインスペクターは司法書士や弁護士と同じような立ち位置が重要

“ホームインスペクターは、依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価を支払ったり、受け取ってはなりません”

日本ホームインスペクターズ協会では、ホームインスペクターが不動産会社などを営業でまわる際に「ホームインスペクションの紹介をお願いします。つきましては紹介料を支払います。」といった、金銭の授受をやめようという趣旨で、上述のような規定がある。営業活動はもちろん構わないが、司法書士や弁護士と同じような立ち位置を保とうということだ。

日本の“司法書士倫理”や“弁護士職務基本規程”には、これとほぼ同様の記載があるほかASHI(アメリカホームインスペクターズ協会)にも同様の規定がある。

2013年 10月11日 10時04分