キャンピングカー・移動式小屋・トレーラー・コンテナ……移動可能な住空間
住まいと土地は、切っても切り離せない関係である(はずだ)。"どんな住まいに住みたいか"は"どんな地域に住みたいか"の要素もたぶんに含んでいるようだ。資産価値の側面もあるが、「住みたい街」のような調査結果が毎年注目を集める理由も"どこに居をかまえるか"が関心となっているからだと感じる。住み替えすることは、住宅だけでなく、土地を移ることであり、それは暮らし方にまで影響することが多い。
人を土地に定着させる理由は、様々あるであろうが、家族・仕事にまつわるロケーションやコミュニティの問題が大きかったように思う。インターネットの普及とその後の進化によって、"どこでも仕事ができる"人も増えてきている。オフィスだけでなく様々な場所で仕事をする新しいワークスタイルを指す言葉としてノマドワーキング、こうした働き方をする人を指すノマドワーカーという言葉も出てきた。また、都会と地方の二拠点暮らしによって、双方の暮らしを楽しむ例も増えてきており、コミュニティの形も変化しつつあるようだ。
海外の映画などで、キャンピングカーやトレーラーハウス(※和製英語らしい。アメリカではモービル・ホーム、またはトレーラーと呼ばれるようだ)を見たことがある人もいるだろう。多くは、旅をしながら暮らしている主人公や家族の話である。土地に根付いての定職を持たず、旅芸人や移動しながら生計をたてているものが多い。しかし、現代、働き方や暮らし方が多様化する中、先に述べたノマドワーキングや二拠点を検討する人にとっては、定住意識にとらわれず、キャンピングカーやトレーラーハウスで暮らすことも検討の視野に入るのかもしれない。利用目的によっては、週末過ごすセカンドハウスの代わりとして検討している人もいるだろうし、災害の時の備える住宅として今後検討する人もいるだろう。
暮らし方、住まい方、仕事と住まいの関係は変化し多様化しつつある。
過去に取り上げた定住の概念を変える"移動可能な住宅"についてお届けしたい。
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