子ども向け、カラフルな7種類がラインナップ

遊具でもあり、インテリアのアクセントになるものでもあり、階段のように使うこともできるだろう。じゃあ、一言でなんといえばよいか、率直に言葉に迷うのがカツデンアーキテック株式会社が作っているAthletic Series(アスレチックシリーズ)である。

同社は1958年にテレビ受像用アンテナ製造からスタート、アルマイトの被膜加工やアルミ製品と事業を拡大、現在では住宅用の階段、サイクルスタンドや車止めなど多岐にわたる住宅関連商品の製造、販売を手がけており、そのうちに主に子ども向けの商品もいくつかある。

「最初に階段を手がけたのは2003年で、その後、2014年に子どもを対象にロフト用の階段KIDS Lofty(キッズロフティー)を開発しました。これは単に登るというだけの階段ではなく、遊びながら楽しく登れる階段で、黄色や緑、赤といったカラフルな色を使い、インテリアのアクセントにもなるような商品でした」(カツデンアーキテック販促企画部・吉川亜由美氏)

これが人気になり、もっと子どもに特化した商品を作ろうと2015年に誕生したのが家の中で体を動かすためのシリーズである。キッズロフティー同様のカラフルな色使い、ポップなデザインの商品は全部で7種類。ぶら下がったり、登ったりするために使う輪っか・DECOバブルズや、よじ登って腕力を鍛えられるのぼり棒、大人の肩こりにも効きそうなけんすい棒などがあり、一番人気は大人も使えるうんていだそうだ。

キッズロフティーという子ども部屋のロフトに使う階段。上るのが楽しくなるキッズロフティーという子ども部屋のロフトに使う階段。上るのが楽しくなる

コロナ禍で問合せ急増

同社が作り始める前も木製、スチール製のうんてい、のぼり棒はあったそうだが、メーカー品はなく、注文製作するしかなかった。となると、ハウスメーカーとしては導入しにくい。それに対し、同社の製品は耐久試験を経ており、2年間の保証もつく。それなら安心して使えると、発売開始以降、500戸の住宅で使われている。

「コロナ禍の4月中頃からPV数や問合せが増えてきたのです。一般の方、ハウスメーカーともにウェブでの問合せが中心で、PV数は3月以前の2~3倍ほどにもなって、いまだに増えています。ステイホームで運動不足になる子どもを心配して家の中で体を動かせるようにしたいというお悩みからでしょうね」

コロナ以前から、最近の公園は子どもにとって遊びにくい場になっていたということもあろう。危険だからと遊具が撤去されたり、遊んでいるとご近所からうるさいと注意されたりとなれば、家の中で遊べたらと思う家族がいても不思議はない。それに家の中での遊びなら雨も関係なく、親の目も届く。

そこで、同社ではこうしたニーズに応えていく予定だ。設置用の建築下地を追加する必要があることから、これまでは主に住宅新築時に導入されてきたが、7月には間柱(家の構造を支える柱と柱の間にある小柱のこと)を利用する追加下地不要の片持ちけんすい棒をリリース、8月には既存商品の追加下地不要商品を出していく予定。そうなれば新築時でなくても導入できるようになるだろう。

よじ登ったり、ぶら下がったりとさまざまに遊べる。ハンモックを吊ってもよじ登ったり、ぶら下がったりとさまざまに遊べる。ハンモックを吊っても

実用性だけではない楽しさが魅力

大人も筋トレに役立ちそう。下はサイクルスタンド大人も筋トレに役立ちそう。下はサイクルスタンド

子どもだけでなく、大人も楽しめるのがポイント。バブルズ、ツイストといった何個かセットにして使う商品の場合には距離をどう取るかで大人、子どもで使い分けられる。うんていやのぼり棒の耐荷重は200kgあるので、普通の大人なら十分子どもと一緒に使える。住宅のみならず、オフィスに導入してぶら下がれば、気分転換、体力向上、肩や背中のストレッチなどにもなるのではなかろうか。

ぶら下がる健康器具などもあるが、この商品が優れているのは邪魔にならないこと。壁や天井などに設置されているため、つまずくことも、場所を取ることもない。使わないときにもインテリアとして楽しめるし、導入した家族の中にはモノを置いたり、干したりという使い方をしているケースもあるとか。なかにはハンモックを吊るしている例もあるそうで、意外に汎用性があるわけである。

DECOバブルズ、ツイストのデザインはスペインのプロダクトデザイナー、Marcelo Alegre氏。氏とは2013年にエージェントを介して知り合い、最初の仕事はサイクルスタンド・D-NA CESTA。最近では都心部を中心に展開しているシェアサイクルのサイクルポートに使われている商品(市販のものとはサイズ違い)で、実用的な性能に優れているだけではなく、デザイン性も高いのが特徴。日本の収納グッズが実用一辺倒で面白みに欠けることを考えると、収納以外も含め、日本の実用品にはまだまだ改善の余地があるともいえる。

その後、前述のキッズロフティー、アスレチックシリーズを手がけ、さらにインテリアとしても楽しめる猫グッズであるNeconoMaなども。氏のデザインには住むことを楽しくする商品が多く、住まいはちょっとした工夫で遊べる空間になるのだと感心させられる。

ボルダリング、アスレチックネットという手も

吹抜けに貼られたアスレチックネット。撮影/Hideki_Ookura吹抜けに貼られたアスレチックネット。撮影/Hideki_Ookura

商品は通販でも購入でき、施工もそれほど難しくはないそうだが、安全面を考えると施工は工務店などプロに頼んだほうがいいだろう。うんていなどセミオーダーできる商品もある。主に個人宅に導入されているそうだが、幼稚園などに入っている例も。新築時はもちろん、わが家を楽しく改装したいと思ったときに参考にしていただきたい。

それ以外に住宅内に遊び場を作る手としてはボルダリングができる壁を作る、アスレチックネットを利用するなど。ボルダリングについては流行り始めた頃にご自宅の吹き抜けに面して高い壁を作っているお宅に取材したことがあり、カラフルさにうっとりした。ただ、最近では外にできる場所が増えたこともあり、自宅に取り入れている例はあまり多くはないようだ。

アスレチックネットはアスレチックシリーズ同様、近年利用が増えているようで、今回の記事にあたり、何社か取材を申し込んだのだが、いずれも忙しいとのことで時間はもらえず。個人的には1年ほど前にクリーク・アンド・リバー社が手がけた賃貸住宅STAPLE HOUSEで吹き抜けに設置されたものを体験したが、子どものみならず、大人も興奮してごろごろしていたのが印象的だった。コロナ禍で体を動かせなくなったことをストレスに感じているのは子どもだけに限ったことではない。大人もホントは体を使いたいと思っているのではないかと思う。


カツデンアーキテック
https://kdat.jp/

STAPLE HOUSE(クリーク・アンド・リバー社 建築事業部)
https://creative-residence.com/archives/works/06

2020年 08月05日 11時05分