新築・リフォームでは次世代住宅ポイントを上手に活用したい

2019年10月に予定されている消費税引上げ後の住宅購入等を支援するため、国土交通省は、「一定の性能(省エネ性、耐震性、バリアフリー性能など)を満たす住宅」「家事負担の軽減に資する設備を設置した住宅」の新築やリフォームをされた方に対して、さまざまな商品(家電・インテリア・地場産品・食料品など)と交換できるポイントを発行する「次世代住宅ポイント制度」を実施している。

これまで新築やリフォームに対しては、いくつかの施策が講じられているが、今回の制度で注目したいのは、子育て支援や時短、働き方改革の観点で設けられた「家事負担軽減に資する住宅設備」を対象としたこと。
具体的には、消費者にとって比較的身近なアイテムと言える、ビルトイン食器洗機や掃除しやすいレンジフード、ビルトイン自動調理対応コンロ、浴室乾燥機、掃除しやすいトイレなど。また、最近話題になっている宅配ボックスも含まれる。

付与されるポイントは9000~1万8000ポイント。これらは、通常のプランニングの中でも取り入れられる機器も多いので、忘れずに確認しておきたい。

それぞれの対象商品のおおまかな基準と、最近の商品傾向をみていく。

キッチンキャビネットと一体化したビルトイン食器洗機。ノック2回で、自動でドアがフルオープン。 [食器洗い乾燥機 深型 フル扉材仕様】 パナソニックキッチンキャビネットと一体化したビルトイン食器洗機。ノック2回で、自動でドアがフルオープン。 [食器洗い乾燥機 深型 フル扉材仕様】 パナソニック

キッチンに取り入れたい、片付けが簡単になるアイテム

キッチンプランを検討する中で、今回対象となっている機器は、まず片付けの手間が省けるビルトイン食器洗機や掃除のしやすいレンジフードだ。

■ビルトイン食器洗機
対象製品の基準は、電気用品安全法に規定する「電気食器洗機」で、組込型であること。キッチンキャビネットなどにビルトインされたタイプで、据え置き型の食洗器は含まれない。多くの方が取り入れるシステムキッチンでは、フロアキャビネットをプランニングする際に選択することになるだろう。

食器洗浄乾燥機は、キッチンの設備機器としては一般的となっており、システムキッチンには標準的に組み込まれているケースもある。多くは引き出し式のタイプで、各メーカーともに洗浄方式に工夫を施し、除菌やエコ機能など特徴を持たせたタイプも。ノックするだけ自動全開開する使い勝手を高めた製品もみられる。フロアキャビネットと同様の扉材を用いることで、すっきりとしたデザインとなっているのも最近の傾向だ。

家族の人数、日常的に使用する食器類などに合わせて容量を選ぶこと。省エネ性能や運転時の音などもチェックしておきたい。

■掃除しやすいレンジフード
電気用品安全法に規定する「換気扇」で、ファンが「遠心送風機型」であること。備えられている整流板、グリスフィルター、ファンなどの着脱ができ洗えること、はつ油、親水、ホーローなどの表面処理を施したものなどが基準となっている。

各メーカーのレンジフードは、上記基準のような工夫を施し、多くがお手入れしやすくなってきている。長期間掃除の必要ない自動洗浄機能、汚れにくいフィルターや整流板、フィルターそのものがないタイプなどもみられる。

その他、加熱調理器と連動した自動運転タイプ、自動で最適な省エネ運転をするもの、リモコンで遠隔操作が可能なタイプなど使い勝手を高めた製品も。選ぶ際には、具体的な操作方法や掃除方法などを確認し、取り外し洗うことができる部品などは、実際に着脱してみることも大切だ。

(上)給湯トレイにお湯を入れ本体にセット、洗浄ボタンを押すと集めた油汚れを自動洗浄、排水トレイの水を捨てるだけと簡単にお掃除ができる。[洗エール レンジフード] 
(下)マルチグリルを搭載、お手入れが簡単なだけでなく、多彩な調理が可能。[ガラストップコンロ PROGRE ビルトイン自動調理対応コンロ] クリナップ
(上)給湯トレイにお湯を入れ本体にセット、洗浄ボタンを押すと集めた油汚れを自動洗浄、排水トレイの水を捨てるだけと簡単にお掃除ができる。[洗エール レンジフード]  (下)マルチグリルを搭載、お手入れが簡単なだけでなく、多彩な調理が可能。[ガラストップコンロ PROGRE ビルトイン自動調理対応コンロ] クリナップ

調理がしやすく、使い勝手のいい加熱機器も

調理が手間なくできる、ビルトイン自動調理対応コンロも対象となっている。

■ビルトイン自動調理対応コンロ
基準としては、JIS S2103に規定する「ガスこんろ」又は、電気用品安全法に規定する「電磁誘導加熱式調理器(IHクッキングヒーター)」のうち組込型のもの。自動温度調節機能や自動調理機能があること。炊飯機能は必須となっている。

一般的なビルトインタイプのガスコンロは、上記のような調理を効率よく仕上げるための機能が搭載されている。安全面の機能に関しても、調理油過熱防止、立ち消え安全装置、消し忘れ消火機能だけでなく、焦げ付きを感知すると自動消火する機能、鍋を置いていない状態では点火せず、消し忘れを防止する機能、機器本体が揺れを感知すると自動消火する機能なども搭載されている。

IHクッキングヒーターは、磁力線の働きによって鍋そのものを発熱させるしくみの加熱機器。通電するとすぐに鍋を発熱させるため、熱効率は高く、プレートと密着している部分だけ発熱させるため、エネルギーロスを抑えることが可能なのが特徴だ。自動調理機能だけでなく、操作手順を音声や文字情報などで知らせる機能、加熱中と認識しやすい表示など、操作性を高めたタイプも増えてきている。

ガスにしろIHにしろ、新しい機器は多機能化が進んでいる。わが家の調理スタイルに適したタイプを選ぶことが大切だ。開放的なキッチンプランの場合は、美しさを保つことができるように、掃除のしやすさも重視したいポイントだろう。

浴室やトイレのお手入れも楽になる機器

バス・サニタリーでは、浴室乾燥機とお手入れが簡単なトイレが設定されている。

■浴室乾燥機
電気用品安全法に規定する「電気乾燥機」、「換気扇」などで、乾燥運転時に、換気運転と連動し、温風で浴室内に干された衣類の乾燥を行うもの(浴室天井に設置されるもの)であることなどが基準となっている。

浴室換気暖房乾燥機の主な機能は、浴室換気・乾燥機能、浴室暖房機能、衣類乾燥機能、涼風機能。また、ミストサウナ機能、カビ抑制機能、衣類脱臭機能などを持つタイプもみられる。タイマー設定、温度や湿度を感知し自動運転するなど、使い勝手も高まってきている。

浴室換気暖房乾燥機は、住まい全体の換気計画に関わり、専門的な知識も必要となるため、設計担当者などと早めに相談を。浴室空間の広さや浴室のつくりなどに適したタイプを選ぶことはもちろん、家族構成や入浴スタイル、洗濯の頻度や量、ランニングコストを含め、トータルに検討することが大切だ。

■掃除しやすいトイレ
製品の基準は、節水型のトイレであることが条件で、総高さ700mm以下、もしくは、背面にキャビネットを備え洗浄タンクを内包している、または、便器ボウル内を除菌する機能を備えている、以上のいずれかを満たしていることとなっている。

最近のトイレは、いずれも掃除がしやすいタイプが揃っている。便器の素材や表面仕上げ、形状など各社それぞれに工夫を施しており、水流や勢いなどで洗浄力を高めたもの、洗剤の泡で汚れを落とすタイプなどもみられる。また、カビ菌や付着菌を除菌するもの、水に含まれる塩化物イオンを電気分解して作られる除菌成分を含む水で除菌する商品などもある。

ショールームでは、デザインやサイズだけでなく、実際の水流や掃除のしやすさなどを確認できる実験コーナーなどを利用し、機能や性能をチェックするようにしたい。

(上)入浴前と入浴中に風量の切り替え可能、衣類乾燥はエコモードで電気代節約も。 [浴室換気暖房乾燥機 三乾王] 	
(下)黒ずみのもとになる菌を除菌する「きれい除菌水」、ナノレベルになめらかな表面で汚れが落ちる「セフィオンテクト」、フチをなくしたデザインなどで掃除がラクに。[ネオレストAHW] TOTO
(上)入浴前と入浴中に風量の切り替え可能、衣類乾燥はエコモードで電気代節約も。 [浴室換気暖房乾燥機 三乾王]  (下)黒ずみのもとになる菌を除菌する「きれい除菌水」、ナノレベルになめらかな表面で汚れが落ちる「セフィオンテクト」、フチをなくしたデザインなどで掃除がラクに。[ネオレストAHW] TOTO

不在時でも荷物が受け取れ、再配達連絡も不要

宅配ボックスの基準は、保安性、保管箱の防水性等、保管箱の剛性、錠の施錠強さ等の機械的な抵抗力及び安定性、使用時の安全性及び保安性、表面の抵抗性、部材の耐食性等の耐久性など、すべて確保されていることが必要となっている。

宅配ボックスは、不在時に配達される荷物を受け取れ保管できること、再配達の連絡も不要なのがメリット。また、直接対面ではないためプライバシーやセキュリティ面で安心。子育て世帯であれば、赤ちゃんの世話で手が離せない場合などでも使い勝手がいいものだ。

一戸建て用の宅配ボックスは、エクステリアメーカーなどから多くの商品が提案されている。門塀や外壁などに埋め込むタイプや壁掛タイプ、専用のスタンドなどに設置したり機能門柱と組み合わせるタイプ、据え置きタイプなどがある。郵便ポストと宅配ボックスが一体化した製品や門柱や門扉などとコーディネートできるタイプなども。また、最近では、スマートフォンで荷物の投函や取り出し状況の確認ができる商品などもみられる。

検討する際には、利用する頻度や荷物の大きさ、操作性、将来のライフスタイルの変化などを考慮して選ぶこと。動線や使い勝手を含め、敷地条件やエクステリアプランと同時に選ぶことも大切だろう。

今回、「家事負担軽減に資する設備」の対象となったアイテムは、いずれも上手に使いこなすことで家事の効率化を図ることができるものだ。しかし、ポイントの対象だからと言って、むやみに取り入れるのではなく、間取りはもちろん、ライフスタイルや家族構成を考慮して選ぶことが大切なのは言うまでもない。ポイント数だけでなく、予算や設置した後のメンテナンス費用、機器本体の寿命なども含めて検討することが大切だ。

具体的に商品を比較検討する際には、次世代ポイントの対象製品であるか確認すると同時に、ショールームなどで必ず実物をチェックすること。操作できるものは動かすなどして、見ただけでは分からない特徴、他製品との違い、掃除やお手入れ方法などの説明を受けることも重要なポイントだろう。

門塀に埋め込んだり、ポールに取り付けることもできる、奥行きを抑えたデザイン。上部が郵便物、下段に宅配と一台二役の宅配ポスト。[戸建住宅用宅配ボックス コンボ-F] パナソニック

門塀に埋め込んだり、ポールに取り付けることもできる、奥行きを抑えたデザイン。上部が郵便物、下段に宅配と一台二役の宅配ポスト。[戸建住宅用宅配ボックス コンボ-F] パナソニック

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