検討しやすい価格帯の小規模マンションで“ホテルライク”なサービスを実現

“ホテルライクなマンション”
これは、新築分譲マンションの不動産広告に頻出する常套句とも言えるキーワードだ。

エントランスにはコンシェルジュが待機し、セキュリティに守られた館内にレストランやラウンジ、スポーツジム、コンビニまで様々な施設が揃う“ホテルライク”なマンションは、これまで大規模物件や高級物件の特権とも言われてきた。

しかし、このたび世田谷区砧に登場した『レ・ジェイド世田谷砧』は、全25戸という小規模かつ1LDK・3100万円台からという比較的検討しやすい価格帯ながら、一味違う“ホテルライク”なサービスを実現させているという。

今までありそうでなかった『カフェ付きマンション』の開発秘話について、事業主である株式会社日本エスコンの開発事業本部・小桜和彦サブマネージャーに話を聞いた。

▲2016年7月に竣工し、すでに入居者の新生活がスタートしている『レ・ジェイド世田谷砧』。<br />小田急線『祖師ケ谷大蔵』駅から徒歩15分、世田谷通りに面して建つモダンなマンションで<br />その1階には住民だけでなく一般客も利用できる『カフェアパートメント183』がある(2016年9月30日オープン)▲2016年7月に竣工し、すでに入居者の新生活がスタートしている『レ・ジェイド世田谷砧』。
小田急線『祖師ケ谷大蔵』駅から徒歩15分、世田谷通りに面して建つモダンなマンションで
その1階には住民だけでなく一般客も利用できる『カフェアパートメント183』がある(2016年9月30日オープン)

業界の外からのアドバイスで企画につながったカフェ付きマンション

▲自社経営のカフェをマンション館内に設置する『カフェ付きマンション』プロジェクトのスタートに合わせ、日本エスコンではオペレーションを行うための系列会社を新たに設立。株式会社エスコンリビングサービスの明石啓子代表は挨拶の中で、「住空間の提案・提供だけでなく入居者の暮らし全体をサポートする“ライフデベロッパー”でありたい」と決意表明を行った(9月28日に開催されたオープニングレセプションの模様)▲自社経営のカフェをマンション館内に設置する『カフェ付きマンション』プロジェクトのスタートに合わせ、日本エスコンではオペレーションを行うための系列会社を新たに設立。株式会社エスコンリビングサービスの明石啓子代表は挨拶の中で、「住空間の提案・提供だけでなく入居者の暮らし全体をサポートする“ライフデベロッパー”でありたい」と決意表明を行った(9月28日に開催されたオープニングレセプションの模様)

「実を言いますと、最初は“カフェ付きマンションを開発しよう”と思ってこの物件を企画したのではなく、世田谷区の条例によって『世田谷通り沿いの建物1階には住宅以外の区画を設けなさい』という指導を受けたことがきっかけでした。

現地周辺を散策していたところ、すぐ目の前に国立成育医療研究センターがあり、NHK放送技術研究所があり、砧公園がある…しかし、多くの人が集まる場所なのに人がゆっくり休める飲食店がないことに気付き、“じゃぁ、マンションの1階にカフェをつくろう!”ということになったのです」(小桜さん談)。

通常、マンション内のレストランやカフェは、飲食業を専門とする他社にリーシングを行い運営を委託するケースが多いため、デベロッパーである不動産会社が直接店舗経営を行うことはまずありえない。しかし、今回カフェのリーシングを行う中で、監修を担当したグッドモーニングカフェの運営会社から「いっそ、自社でやってみてはどうか?」との提案があったという。

「不動産会社がカフェを経営するという発想は全くなかったので、グッドモーニングカフェさんからその提案をいただいたときは本当に驚いたのですが、マンションとカフェを組み合わせることによって、新しくシナジー効果が生まれるのではないか?と思い、自社で店舗経営に乗り出すことに決めました。ある意味、既成概念にとらわれない“業界の外”からいただいたアイデアだったので、斬新な企画が生まれたのだと思います」(小桜さん談)。

自社経営のカフェだから、マンションの管理費への影響はゼロに?

『レ・ジェイド世田谷砧』の1階にオープンした『カフェアパートメント183』は、55席もあるこのエリアではけっこうな“オオバコ”だ。

朝は7:00から夜は23:00まで営業。

一般客も自由に利用できるのだが、マンションの住民は住戸キーを使ってキャッシュレスで精算できるほか、カフェメニューのルームサービスにも対応してもらえるため、住民特権としてまさに“ホテルライク”なサービスを受けることができる。

しかし、これだけの大きな店舗となると、マンション全体の管理費や大規模修繕費用の高騰が懸念されるが、その点はどうなのだろうか?

「従来のマンション内のカフェやレストランは、あくまでも住民専用であり、管理費の中から運営されていましたが、この『カフェアパートメント183』は、日本エスコンが自社で分譲し、自社で区画を購入して事業経営を行うカフェですから、カフェを設置することにより住民の皆様の管理費に影響することはありません。

将来の大規模修繕に関しても、住民の皆様と同じようにカフェ区画の修繕分は私共が担いますので、各住戸の負担が増えるということもありません。また、万一店舗が赤字経営であったとしても、あくまでも自社の収支の中で計上することになっています。

住民の皆様の管理費で運営するカフェではなく、『デベロッパーが自社で経営するカフェ』であること…ここが従来の“ホテルライクなマンション”とは大きく異なっている部分です」(小桜さん談)。

▲『カフェアパートメント183』では、イタリアンとフレンチをベースにした約40種類のメニューを提供。<br />スペシャリテである自家製ローストチキンは、一羽2850円、半身1500円。<br />住民はキャッシュレスで利用できるなど、“住民ならでは”の様々な特典がマンションの付加価値につながっている▲『カフェアパートメント183』では、イタリアンとフレンチをベースにした約40種類のメニューを提供。
スペシャリテである自家製ローストチキンは、一羽2850円、半身1500円。
住民はキャッシュレスで利用できるなど、“住民ならでは”の様々な特典がマンションの付加価値につながっている

カフェスタッフがコンシェルジュサービスも兼務

▲「ディナータイムはお酒も提供します。食事の時間というのはコミュニケーションを育みやすくなりますから、例えば、キッチンの使い心地はどうか?とか、何か設備に不都合はないか?など、カフェのスタッフが住民の皆様からのご意見を吸い上げることで、次のマンションづくりのヒントが生まれます。引き渡しを終えた後に、住民の皆様からの声が直接聞こえてくるというのは、私共デベロッパーにとって大きなメリットです」(小桜さん談)▲「ディナータイムはお酒も提供します。食事の時間というのはコミュニケーションを育みやすくなりますから、例えば、キッチンの使い心地はどうか?とか、何か設備に不都合はないか?など、カフェのスタッフが住民の皆様からのご意見を吸い上げることで、次のマンションづくりのヒントが生まれます。引き渡しを終えた後に、住民の皆様からの声が直接聞こえてくるというのは、私共デベロッパーにとって大きなメリットです」(小桜さん談)

『レ・ジェイド世田谷砧』には、もうひとつ“業界の概念を覆す発想”が取り入れられている。なんと、カフェのスタッフがマンションのコンシェルジュを兼務するというのだ。

「店舗スタッフは、社員が2名、アルバイトは20名弱。営業時間が長いので、スタッフはシフト勤務になるのですが、今後はアルバイトスタッフも含めて、マンションのコンシェルジュを兼ねたホールスタッフとして育てていく予定です。

通常、マンションのコンシェルジュは勤務時間が限られていますが、カフェのスタッフとコンシェルジュを兼ねていれば、お店の営業時間内はずっと住民の皆様のサポートを行うことができますし、夜遅く帰ってきても“お帰りなさい”と声をかけてくれる顔見知りのスタッフが近くにいることで、安心感を覚えてくださるお客様もいらっしゃると思います。

実は大変恥ずかしいことですが、今回サービス業に乗り出してみて初めて“いまの不動産業界のサービススキルの低さ”を実感しました。毎日お客様と接することはサービススキルを磨く良い機会になりますから、今後はカフェスタッフとマンション営業スタッフの垣根を越えて、社員の接客研修の場としてこのカフェを使うことも考えています。このカフェに配属された社員が2年後にはマンションを売っている…ということもありえますね(笑)」(小桜さん談)。

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「これからは、マンションにも様々な付加価値が求められる時代。今回はカフェとマンションの組み合わせでしたが、今後はホテルそのものとマンションの組み合わせなど、従来の不動産業界ではありえなかった付加価値の部分をどんどん開発していきたい」と小桜さん。

近い将来、“ホテルライク”という言葉がいつしか不動産広告の世界で死語となる時がやって来るかもしれない。

■取材協力/株式会社日本エスコン
http://www.es-conjapan.co.jp/
■レ・ジェイド世田谷砧 公式ホームページ
http://sumai.es-conjapan.co.jp/kinuta25/index.html

2016年 10月29日 11時00分