住設メーカー各社が出展する年に一度の大規模な展示会

前回、個人向け植栽の記事のなかでもふれたが、最近では建物だけでなく駐車場や庭など、エクステリア全般を含め、自分の好みに合わせたエクステリアを選びたいという人が増えている。今回5/9(土)、10(日)に開催された「第6回エクステリア&ガーデンフェア」では、まさにそんなエンドユーザーのニーズを表すかのように、多くの来場者でにぎわっていた。
同フェアは「最新のエクステリアとガーデニングの今を体感」をテーマに、エクステリアとガーデンに関わる国内有名企業が一堂に会し、庭まわりであるエクステリア(門扉、フェンス、カーポート等)などの実物展示を行う年一度の大規模な展示会。
名古屋エリアは戸建住宅が多いため車庫(カーポート)や門扉、庭を重視するユーザーが多く、住宅設備関連会社や地元工務店だけでなく一般ユーザーの来場が目立つのが特徴で、会場内はベビーカーをひいた若い家族やシニア層の姿も多く見られた。

最新カーポートや再生木を使ったバルコニー用デッキ、窓商品が勢ぞろい!

写真左上:リフォームを考えているユーザーからの注目度が高かった引き戸。「軽々と開けることができるんですよ」と説明するYKK APのデメル氏。右上:欧米ではメジャーになっている窓を囲むタイプの庇は今春の新商品。右下:既存のカーポートもテラスに変身させることができる。左下:再生木材をつかったリウッドはマンションのベランダに最適。右のポールが突っ張り棒の役目を果たす。写真左上:リフォームを考えているユーザーからの注目度が高かった引き戸。「軽々と開けることができるんですよ」と説明するYKK APのデメル氏。右上:欧米ではメジャーになっている窓を囲むタイプの庇は今春の新商品。右下:既存のカーポートもテラスに変身させることができる。左下:再生木材をつかったリウッドはマンションのベランダに最適。右のポールが突っ張り棒の役目を果たす。

会場内をぐるっと回って、気になった商品や企業を紹介してみようと思う。

まず、YKK AP株式会社のブースでは今春リリースされたエクステリア商品が展示されていた。
エクステリアの中でも大きな比重を占めるカーポート。従来はあまり見られなかった縦列駐車タイプの大開口カーポートや、カーポートの柱を仕切りとして使い、サイクルポートや玄関アプローチを作るという柱を有効活用したアイデアを実物展示。そのカーポートをテラスとして流用するという新しい試みも紹介されていた。
また、注目なのはマンションのベランダを自分好みにコーディネートできる「集合住宅向け バルコニー用リウッドデッキ200」。リウッド(再生木)を使用したバルコニー用デッキで、接着や穴あけの必要がなく、突っ張り棒の要領で張ることができるという。「マンションの共用部分というのは、穴をあけたり接着剤を使って設置することができないことが多いのですが、リウッドデッキは取り外しが可能なのでマンションなどでもウッドデッキのように雰囲気のある床に仕上げることができます」(同社商品企画部エクステリア商品企画グループ長・井本響氏)。
引き戸式になった玄関ドアも印象的だった。「例えば車椅子が必要になったときなど、手前に引くタイプのドアだと扉を開けるのも難しく、通る幅も狭くなります。スライド式の引き戸なら開口部が広く楽に扉を開けることができます」(同部 窓・住宅商品企画グループ シャッター・雨戸商品室・デメル・ドミニク氏)。省スペースで、なおかつ今あるドアの枠に新しい枠をかぶせる「カバー工法」を採用し、壁を壊さず短時間で工事ができるというのもいい。
また、“窓を考える会社”だけに、窓関連の新商品も展示。
今春4月に発売になった多機能ルーバーは、浴室やトイレなど通風しながら目隠ししたい窓に付けるタイプのもので、閉めると光が入らず暗くなってしまいがちなこれまでのルーバーと違い、ブルーのポリカーボネートを採用し「目隠し」、「採光」、「通風」、「日よけ」の機能を備えているのが特長だ。ほかにも、日射や風をコントロールでき、雨の降り込みを軽減する箱型ひさし「キューブシェード」(2015年7月発売予定)など、新商品が実際に見られるのもフェアの楽しみのひとつだ。

軽々壁づけできる自転車収納フックや大型ポストも

さて、お次は自転車。
株式会社ダイケンのブースでは、壁付け駐輪ラック「サイクルフック」を展示。前輪をフックに引っかけて軽く押し上げ、後輪をガイドカバーに収納するだけでOK。家族分の自転車が雑然と並べられているとスッキリしない印象だが、これはオシャレで簡単! 省スペースなのもうれしい。
ダイケンといえば、以前紹介した戸建て用宅配ボックス「ニコウケトール」も販売しているが、今回会場内ではこうした大型ポストの展示も多かったのが印象的だった。ネット通販などの時代の流れに対応した大型・大容量タイプでデザイン性もありカラーバリエーションも豊富なものが目立った。カラフルなポストの前で立ち止まり、スタッフから説明を聞く人も多くみられ、注目の高さがうかがえた。

写真左:20kgまでOKという自転車フック。筆者もやってみたが驚くほど軽く持ち上がる。写真右:厚みのある郵便物でも入る大型ポスト。道行く人の目にもふれるポストは家の顔。さまざまなデザイン、カラーの中から選ぶのも楽しみのひとつ。写真左:20kgまでOKという自転車フック。筆者もやってみたが驚くほど軽く持ち上がる。写真右:厚みのある郵便物でも入る大型ポスト。道行く人の目にもふれるポストは家の顔。さまざまなデザイン、カラーの中から選ぶのも楽しみのひとつ。

ガーデンアイテムは“シャビー感”がトレンド

“ガーデン”のほうに目を向けてみると、全体的にシャビーなイメージの商品が多い印象。
カラフルな木材に惹かれて立ち止まったのは、名古屋市中川区にある株式会社エイチユー丸八のブース。
国産杉に木材保存材「エコアコール」を加圧注入し、耐性を高めた木材を扱っているという。
営業の小原広光氏にお話を伺うと「木材の欠点だった、割れや腐食、シロアリ被害などを抑制でき、人体に無害な薬剤なので小さいお子さんやペットがいても安心な素材なんです」とのこと。あの世界文化遺産である厳島神社や出雲大社、吉野ケ里遺跡、岡崎城跡、金沢城と、歴史的建造物の改築にも採用されているのだそう。
独特の味わいがあるアンティークカラーでヴィンテージな雰囲気のウッドデッキやパーゴラを作りたいといった人や、玄関のアプローチをファッショナブルにしたいという人は、一度チェックしてみてはどうだろうか。

住宅関連資材の卸販売ネットワークである「オンリーワンクラブ」のブースでは、アンティークな風合いのファサードアイテムのほか、庭の給水用、水栓柱、ガーデニングの新商品が並んでいたが、こちらもテーマは「シャビーシック」。タイルや石材、アイアンなど、庭を彩る個性的なツールも用意されていた。

写真左:アンティークな印象のエコアコールウッド。木材なのでウッドデッキや玄関アプローチなど、さまざまな用途に使えそうだ。右上:オンリーワンクラブの「シャビーシック」なガーデン提案。右下:世界各国から取り寄せた石材を使って庭を彩るのも楽しい。写真左:アンティークな印象のエコアコールウッド。木材なのでウッドデッキや玄関アプローチなど、さまざまな用途に使えそうだ。右上:オンリーワンクラブの「シャビーシック」なガーデン提案。右下:世界各国から取り寄せた石材を使って庭を彩るのも楽しい。

「デザイン学生大賞」「施工実績写真コンテスト」なども開催

写真左:花フェスタ記念公園のプランナーを経て、全国各地の個人庭園、都市公園、療法庭園などの設計デザインを手がける「癒やしの庭園療法士」阿部容子さんの講演会は満席になるほどの人気ぶり! 右上:学生デザイン賞の表彰式の模様。エクステリア&ガーデンの未来を担う若者のアイデアはどれもアイデアにあふれる作品ばかり。右下:プロの施行例の中からお気に入りを投票する「第3回E&Gエクステリア施工フォトコンテスト」も開催された。写真左:花フェスタ記念公園のプランナーを経て、全国各地の個人庭園、都市公園、療法庭園などの設計デザインを手がける「癒やしの庭園療法士」阿部容子さんの講演会は満席になるほどの人気ぶり! 右上:学生デザイン賞の表彰式の模様。エクステリア&ガーデンの未来を担う若者のアイデアはどれもアイデアにあふれる作品ばかり。右下:プロの施行例の中からお気に入りを投票する「第3回E&Gエクステリア施工フォトコンテスト」も開催された。

会場中央には草花を販売する「Welcome Garden」があり、癒しの空間を作り出していたが、ここに隣接する中央ステージでは「第4回E&Gデザイン学生大賞」受賞者の公開プレゼンテーションと表彰式が行われた。同賞は、屋外環境デザインについて空間・デザイン系を学ぶ学生からアイデアを募集したもので、九州~東北まで全国からアイデアあふれる作品が多く寄せられ、選ばれた高校生から大学院生の受賞者がこの日、独創的かつ新鮮なアイデアを発表していた。
中でも筆者が印象的だったのは公共・都市空間のエクステリア部門の優秀賞「緑のシャボン玉」(工学院大学 建築学部 建築デザイン学科 3年竹澤洸人さんの作品)。ワイヤーで作った大小の球体につる植物をからませ、内側からは緑と花に囲まれた空間に、外側では球体をバックに音楽を奏でたりただそれを眺めたり、見ているだけで心がなごむシャボン玉に見立てたデザインで、都市での暮らしを見つめなおし癒しの空間を創り出す、そんな作品だったように感じた。

エクステリア相談コーナーや新企画として販工店様の実績をコンテスト方式で展示する「施工実績写真コンテスト」も開催。
癒しの庭園療法士と言われている、ガーデナー阿部容子さんのトークショー、行列のできるガーデナー田村大さんのセミナー、プロによるフラワーデモンストレーション&ワークショップや、花やガーデニング用品がお得に買えるショッピングコーナーのほか、野菜のつめ放題や移動屋台が集合したグルメコーナーなどエクステリア以外にも多数のブースやイベントが開催され、大盛況のうちに幕を閉じた。

カタログを見ただけでは想像しにくいカーポートなども、こうした大きな展示場では実際に建ててみたらどうなるのかをイメージすることができ、最新のトレンドがわかる。企業側としては「名古屋の方はエクステリアに対する関心度が高い。お客様の生の声を聞いて新しい商品のアイデアが生まれることも多いので、エンドユーザーの方と直接お話ができる機会は企業にとっても貴重な場所です」(前出YKK AP井本氏)というように、企業とエンドユーザーの双方向でコミュニケーションがとれる場がこのフェアの魅力でもあると感じた。
新築、リフォームを考えている人は、ぜひこのような実物展示のあるフェアに足を運んでみてほしい。

2015年 06月02日 11時07分