ネットショッピングの増加で再配達が増えている!?

ライフスタイルの変化や、オンラインショッピングの利用増加に伴い、宅配便を利用する機会が増えている。
しかし、日中は仕事で留守にしていると受け取れない。時間指定して再配達してもらうにしても、急用が入ってまた留守ということもあり得るし、いつくるか、いつくるかと気になり、ストレスに…。
こんな経験、誰にでもあるのではないだろうか。この「待つストレス」の軽減を目指し、次世代ポストなるものが発売されたと聞き、どんなものなのか調べてみた。

Amazonのメール便全サイズに対応した大型ポスト

まず、一般的に普及している郵便ポストは、メール便などの大型郵便のサイズには対応していないものが多く、オンラインショッピングで使用するメール便の約65%がポストに入らないというのが現状(※)。これが再配達の要因となっていた。
そこで、総合オンラインショップAmazon.co.jpと日本郵便は、郵便受けや宅配ボックスを販売する株式会社ナスタとコラボレートし、大型郵便ポスト「Qual(クオール)」を開発。Amazonのメール便全サイズの一発ポストインを目指して投函サイズを検討し、最大幅350×奥行35×高さ370mmの郵便が入るように設計。運送側、利用者側の両方で非効率的な再配達を減らすため、大型郵便にも対応するポストを実現したという。
本体上部の蓋を開き、上から商品を挿入するこの製品は「雨風の侵入を防ぐ防滴型」となっていて、独自のフラップ構造「ナスタガード」で郵便物の盗難にも配慮しているが、若干気になるのは、設置には壁への穴あけやネジ止めが必要だという点。普通のポストより大型といっても、持ち運べない大きさではないので、玄関口のどこかにドリルで穴を開けてネジ止めし、設置する必要がある。

※株式会社ナスタ製品における調査

洗練されたイメージの「Qual」。壁面に取り付けられるタイプ(写真左)、壁中に埋め込みスマートなイメージを実現した口金タイプ(写真右)の二種類。色はホワイト、グレー、ブラック、レッド4色展開で、外構店やAmazonで販売中。定価49,500円(税別)洗練されたイメージの「Qual」。壁面に取り付けられるタイプ(写真左)、壁中に埋め込みスマートなイメージを実現した口金タイプ(写真右)の二種類。色はホワイト、グレー、ブラック、レッド4色展開で、外構店やAmazonで販売中。定価49,500円(税別)

荷物を2つ受け取れる戸建て用大型宅配ボックスも登場

建築金物や外装用建材、エクステリアなどの総合メーカー株式会社ダイケンも、2014年10月より戸建て住宅用宅配ボックス「ニコウケトール」を発売。戸建て住宅用に屋外に設置できる据え置きタイプで、荷物が2個(80サイズの場合)受け取れるよう、受け入れスペースと受け取りスペースの上下2層構造となっている。サイズは幅450×奥行400×高さ815mmと大型で、まさにネーミング通り、荷物が2個受け取れるサイズとなっている。
こちらは、メール便だけでなく宅配便にも対応可能という。実は、受け取り口に受領印を設置できるようになっており、受け取りの際の印鑑を配送業者が押す仕組み。受け入れ口に荷物を入れ、蓋を閉めると下段の受け取り口に入るようになっており、正面の扉の鍵をあけて荷物を取り出す。受け取り印を業者が押す、という点はなんだか少し不安だが、配達時間や宅配便業者との対応を気にすることなく、手間と時間の節約ができるという点は便利だろう。
同社の営業本部米山義則さんによると、「再配達を減らし物流効率を向上させようという動きが強まっているなか、 宅配ボックスの必要性が高まっているとの認識から開発に至りました」とのこと。

こうした企業の取り組みに加え、来春からは国土交通省も再配達を減らす取り組みについて、本格的な調査を始めるようだ。

写真上:配送業者が荷物を入れ、受け入れ口の中にある受領印を押す。そして写真下のようにポストの蓋を閉め、郵便受けに不在票を入れるという仕組み。結局不在票は投函されるが、再配達は避けられる、ということだ写真上:配送業者が荷物を入れ、受け入れ口の中にある受領印を押す。そして写真下のようにポストの蓋を閉め、郵便受けに不在票を入れるという仕組み。結局不在票は投函されるが、再配達は避けられる、ということだ

受取人の不在率は15%。国交省も対策に乗り出す

ダイケンの大型宅配ボックス「ニコウケトール」。4万5000円(税別)。80サイズ、重さ5kgまで対応可能だダイケンの大型宅配ボックス「ニコウケトール」。4万5000円(税別)。80サイズ、重さ5kgまで対応可能だ

国交省が大手宅配業者に聞いたところ、個人客を中心に受取人の不在率は約15%に上るという。  
ただ、業界全体の再配達の取扱件数、受取人が再配達を利用する理由などはつかみ切れていない。そこで15年度は、こうしたデータを把握するため、より詳しい調査に乗り出すことになったようだ。宅配業者が再配達する件数が増えればトラックの走行距離が伸び、二酸化炭素(CO2)排出量の増加につながる。2015年度の概算要求で実態把握のための関連経費を計上し、来年春にも調査を始める方針だという。

戸建て住宅用の宅配ボックスはマンションなどの集合住宅に比べると普及率が低いのが現状。しかし、国交省の後押しで今後、戸建て住宅用宅配ボックスの需要は増えていくと考えられている。
次世代ポストの仕組みや形態は、まだまだ改良の余地がありそうだが、とにかく再配達が減ればCO2の削減だけでなく、人手が足りない物流現場で効率的な人員配置ができるようになるし、子どもだけの在宅時、女性の一人暮らしなど、荷物の受け取りが不安という場合も、次世代ポストがあれば心配も少なくなりそうだ。
何度も配送に駆け回る届ける側、再配達を待つ受け取る側、双方のストレスを軽減するポスト改革。紹介した「Qual」「ニコウケトール」、両者とも約5万円という価格設定だが、さて、これを高いととるか安いととるか。今後の普及に注目してみたい。

2015年 01月28日 11時11分