子どもの成長や仕事の変化など、住み替えを検討する理由は様々です。住み替えに伴う課題の一つに旧居の売却がありますが、購入と比較すると情報が少なく、不安に思う人も多いと考えられます。
今回は、大阪への住み替えのためにマンション売却活動中のファミリー系インフルエンサー・「しょうごっこ」のしょうごさんにインタビュー。売却活動を始めた経緯から、現在の悩みや今後の見通しまで、赤裸々に語っていただきました。売却を検討されている方はもちろん、不動産取引に興味のある方も必見です。
しょうごさん
ファミリー系インフルエンサー。現在一児のパパ。過去、海上保安庁に勤務の際、3か月半の育休を取得。実際に育休を取り、初めて子育てをしていく上で育児に対する価値観が変わり、「若者は育児できないというわけでもない、育児は平等ということを伝えたい」という思いを分かりやすく伝えるべくSNSにて活動中。現在TikTokフォロワー約45万人、Instagramフォロワー約19万人。
・TikTok
・instagram
・Youtube
マンション購入時の決め手は資産性と売却のしやすさ
ー今年(2025年)の1月に、鹿児島から大阪へと活動拠点を移されました。今回の引っ越しの理由を教えてください。
現在、ありがたいことに、インフルエンサーとして多くのお仕事をいただくことができています。その多くは東京や大阪にある企業から依頼されるものなので、僕自身、月2〜3回の頻度で出張していました。仕事が忙しい時期は、これまでの拠点である鹿児島にいる日数は月の半分ぐらいという状況になっていたんです。
そうした移動の時間や経費というコスト面と、今後の自身の活動の幅を広げたいという思いなどを総合的に判断して大阪へ引っ越すことにしました。
ー鹿児島にマンションを所有されているとのことですが、購入時は長くそこで暮らすことを想定していたのでしょうか?
マンション購入以前は、マンションと一戸建てのどちらにしようか迷っていました。しかし、将来的により広い世界に自分たちの活動を広げていくことを想定し、売却しやすく、資産価値も下がりにくいマンションを選んだのです。
そして現在は、大阪の一戸建て賃貸で暮らしながら鹿児島のマンションの売却活動をしているという状況です。
元々住んでいたマンションを売却してから大阪に引っ越すという選択肢もあったと思いますが、それよりも新しい生活拠点を整えることを優先しました。新旧両方の住居のコストを負担することになりますが、その分仕事を頑張れば良いと考えています。
当初は専任媒介契約を結ぶも現在は一般媒介に
ー鹿児島のマンションの売却活動は、いつ頃から始めたのでしょうか?
2024年の11月ぐらいから売却活動を始め、まず不動産一括査定サイトを利用して複数の不動産会社に査定を依頼しました。
最初に、鹿児島県内でも知名度の高い不動産会社が査定額を提示してくれたのですが、その額は、購入時の金額を上回るものでした。その会社を基準に2社目以降の査定額も聞き、「早く売りたいのであれば、もう少し安くして⚪︎⚪︎円」といった提案も受けました。
ただ、先ほども言った通り資産形成も考慮した上で購入していたので、「あせって値下げしなくても売却できるだろう」と考えて、最初に査定額を提示してくれた企業と媒介契約を締結しました。
ー一般的に、マンション売却にかかる期間は3〜6ヶ月程度と言われています。なので、まだあせる時期ではないですが売却が決まらない状況について、どのように感じていますか?
1社目の不動産会社さんは、担当者の方も親切でしたし、定期的に販売レポートもいただけるとのことだったので専任媒介契約を締結しました。
僕は、「媒介契約を結べば不動産会社さんが自動的に大手ポータルに物件を掲載してくれる」と思い込んでいたのですが、実際の販売レポートを見たところ鹿児島の地域特化型サイトにしか掲載されていませんでした。一消費者として考えた時に、そうなるとやはり間口が狭くなってしまうので、契約期間が過ぎた段階で一般媒介契約に切り替えました。
専任媒介契約だった頃は、2週間に1回(※専属専任契約の場合は1週間に1回)担当者が状況を報告してくれていたのですが、一般媒介にしてからは、そうしたレポートもなくなりました。こちらから定期的に問い合わせてはいるのですが、状況をすべては把握できるわけではないので、もどかしい部分はありますね。

ー売却活動を開始されてから数ヶ月経った時点で値下げの提案などもあったのでしょうか?
ちょうど先週不動産会社さんに状況確認の連絡をした際に、「売却開始から数ヶ月経っていますが内見も少ない。周囲の他のマンションと比較して、もう少し価格を下げても良いんじゃないですか」という相談を受けました。
その時は、僕自身が大阪での新生活で忙しかったため回答を保留させてもらいました。
購入時と比較して周辺に様々な施設ができていますし、周辺の似ているマンションもすぐ売れているようだったので、最初は甘く考えていた部分もあったと思います。ただ、現状では内見の依頼も少ないということなので、不安を感じる時もあります。
ー「いつまでに売れなかったら値下げする」といった見通しは自身の中にあるのでしょうか?
基本的にあせる必要はないとは思っているのですが、「1年間」を目安に考えています。
というのも、今年の9月頃に僕が売却活動中のマンションの近くに鹿児島でも最大級のマンションが建つ予定なのです。そのマンションの価格はかなり高くなると思うので、「その物件には手は届かないけれど中古なら」という需要が増えることを見込んでいます。
なので、そのマンションの販売状況や近隣の中古マンションの動向を見てから値下げの判断をしても良いと考えています。
「早く売りたい」「なるべく高く」という葛藤
ー現在、売却活動をする中で不動産会社さんの良かった部分や逆に「もう少しこうだったら良いのに」と感じた部分などはありますか?
どこの会社の担当者の方も「販売活動を頑張ります!」と言ってくださるのですが、その内容が見えづらいということを感じています。
「どういったターゲットに、どうやってアプローチしているのか」というのが、あまり伝わって来ないんですよね。ポータルサイトに掲載されていることと、「いいね」がついた数ぐらいしか売主である自分にはわからないので、状況を細かく共有してもらえるとありがたいと思いました。
また、値下げを提案するにしても単に「なかなか売れないから値下げしてくれませんか」ではなくて、「周囲の物件はこれぐらいの価格で売れているので、この額なら売れやすいと思います」といったように専門知識に基づいてアドバイスしてくれると説得力があると思います。
ー自分自身が売却のために「もっとこうしておけば良かった」と思う部分はありますか?
先ほどもお伝えしたように、売却活動を始めたのは11月ごろでしたが、大阪行きを決めたのは8〜9月でした。そこから数ヶ月間、売却するか賃貸にするか迷っていたんです。最終的に売却するという決断をしたのですが、この迷っている期間がなければもう少し早めに動き出すことができたと思います。
単純に「人の目に触れる回数」で考えると、自分たちでプロモーションした方が良いと思う部分もあるのですが、プライバシーの問題などもありますし、あまり現実的ではありません。なので、そうした部分でのもどかしさを感じることもあります。
ただ幸いなことに現在はキャッシュフローの面で少し心にも余裕がありますし、次の住居での新生活も始まっているので、なるべくあせらないようにとは思っています。
もちろん早く「ずっと売れないんじゃないか」という不安から解放されたい気持ちもありますが、「少しでも高く売れて欲しい」という気持ちもあります。そういう両極端な気持ちが同時に存在するので、本当に難しいと感じています。
ただ、仮に値下げしたとしても最低限の利益は確保できているので、最終的には自分で設定した期限と相談して判断しようと思っています。仮に今すぐ売れたとしても1年後に売れたとしても、最終的な手元に残るお金は一緒なので、焦って間違った判断をしないように今はじっくり吟味したいと思います。
先ほど言った「1年間」というのは、僕自身が決めた期限ではあるので近いうちに不動産会社の担当者の方に改めて相談して、売却までのロードマップを詰めていきたいですね。
記事監修
LIFULL HOME'S 不動産売却査定 編集部
日本最大級の不動産・住宅情報サイト 「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」の不動産売却査定サービスでは、不動産売却に関する疑問や悩みに答える「よくわかる!不動産売却」をお届けしています。記事は宅地建物取引士、マンション管理士、不動産鑑定士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を持つ専門家による監修や校閲チェックを行う体制を構築しています。