売りたくなったら
ホームズ!

質問に答えて査定依頼スタート!

重視するポイントは?

成年後見人による不動産売却の流れ|失敗しないための注意点とトラブル事例

成年後見人として実家などの不動産売却を検討しているものの、手続きや許可の流れが分からず、不安に思われている方もいるのではないでしょうか。家庭裁判所の許可が必要と聞き、難しそうな印象を持つ方も多いでしょう。

とはいえ、全体の流れと注意点を正しく理解すれば、過度に心配する必要はありません。正しい順序で進めれば、適切に売却することが可能です。

この記事では、成年後見人による不動産売却の具体的な流れや注意点、起こりやすいトラブル事例を分かりやすく解説します。これから売却を検討する方は参考にしてください。

この記事で分かること

  • 成年後見人の種類
  • 成年後見人が不動産を売却できる条件
  • 成年後見人による不動産売却の流れ
  • 成年後見人が不動産売却で失敗しないためのポイント
  • 成年後見人による不動産売却で起こりやすい事例

もくじ

不動産売却における成年後見人とは?

成年後見人とは、判断能力が不十分な被後見人に代わって「財産管理や契約行為を行う人」を指します。不動産売却も権限の一つに含まれますが、自由に処分できるわけではありません。

これは、後見制度の目的が被後見人の財産と生活を守ることにあるためです。たとえば、実家が空き家となり固定資産税や修繕費が発生している場合でも、その売却が被後見人の医療費や施設入所費用の確保につながるかが慎重に判断されます。

成年後見人は、家族の事情ではなく、被後見人の利益を基準に行動する責任ある立場であることを理解しておきましょう。

成年後見関係の申立件数は増加傾向にあります

出典:最高裁判所 成年後見関係事件の概況

成年後見人には2種類ある

成年後見制度には「任意後見」と「法定後見」の2つがあります。どちらの制度に該当するかによって、不動産売却の進め方や関与者が変わります。

任意後見

任意後見は、将来判断能力が低下した場合に備え、あらかじめ後見人を決めておく制度です。判断力が十分にある段階で契約を結ぶため、被後見人自身が自分の意思で信頼できる人を選べる点が大きな特徴です。

後見人として指定されることが多いのは、次のような身近な親族です。

  • 子ども
  • 配偶者
  • 兄弟姉妹

このほか、弁護士や司法書士などの専門職を選ぶこともできます。

手続きとしては、公正証書で任意後見契約を締結します。

ただし、契約を結んだだけでは効力は発生しません。実際に判断能力が低下し、家庭裁判所が後見監督人を選任した時点で初めて後見業務が開始されます。後見監督人とは、成年後見人が正しく行動しているかをチェックする立場の人です。

不動産売却を予定している場合も、監督人の関与の下で進めることになる点を理解しておきましょう。

任意後見契約を締結するには、法律により、公正証書で任意後見契約を締結する必要があります

法定後見

法定後見は、すでに判断能力が低下している場合に、家庭裁判所が後見人を決める制度です。被後見人自身が契約や手続きを行うことが難しいため、代わりに財産管理などを行う人を選ぶ仕組みです。

この制度には次の3つのタイプがあります。

  • 後見(判断能力が欠けている場合)
  • 保佐(判断能力が著しく不十分な場合)
  • 補助(判断能力が不十分な場合)

この3つは、本人の状態によって権限の広さが異なります。

後見人には、配偶者や子ども、兄弟姉妹が選ばれることもありますが、不動産売却などの専門的な判断が必要な場合は、弁護士や司法書士が選ばれることもあります。

必ず家族が選ばれる制度ではない点を理解しておきましょう。

厚生労働省パンフレットを参照して作成。任意後見と法定後見の違い

参考:厚生労働省 成年後見人制度

成年後見人が不動産を売却できる条件

ここでは、法定後見における成年後見人が不動産を売却する際に満たすべき法的な条件について解説します。

なお、任意後見の場合は手続きが異なり、居住用不動産の売却では家庭裁判所の許可ではなく、任意後見監督人の同意が必要となる点に注意が必要です。

被後見人の利益になる売却であること

成年後見人が不動産を売却できるかどうかは、被後見人本人の利益につながるかどうかで判断されます。後見制度は家族の都合ではなく、被後見人の財産と生活を守るための仕組みだからです。

たとえば、次のような事情がある場合は認められやすい傾向があります。

  • 医療費や施設入所費を確保する目的
  • 空き家の固定資産税や修繕費の負担を軽減する目的
  • 生活拠点を持ち家から施設や賃貸住宅に移すための資金確保目的

一方、将来の相続税対策や家族の資金計画のみを理由とする場合は、被後見人の利益とは判断されにくい傾向があります。売却の必要性を具体的な事情としてまとめ、被後見人の生活にどのように役立つのかを明確に示すことが重要です。

許可や同意を得ていること

不動産売却は、成年後見人の判断だけで完結するものではありません。法定後見人が被後見人が住んでいた自宅などの居住用不動産を売却する場合、家庭裁判所の許可が法律上必要です。住まいの処分は生活への影響が大きいため、特に慎重な手続きが求められます。

一方、賃貸用不動産や空き地などの非居住用不動産の売却には、原則として家庭裁判所の許可は不要です。ただし、任意後見であり、後見監督人が選任されている場合には、居住用・非居住用にかかわらずその同意が必要となります。

許可や同意を得ないまま手続きを進めるとあとになって問題となり、後見人としての責任を問われる可能性もあります。事前に対象不動産の性質を確認し、必要な手続きを整理してから進めることが重要です。

参考:裁判所 成年被後見人(被保佐人、被補助人)の居住用不動産の処分についての許可

成年後見人による不動産売却の流れ5ステップ

ここでは、成年後見人が不動産を売却する際の流れを時系列で整理して解説します。家庭裁判所の許可が必要な法定後見のケースでは、進め方を誤ると契約が無効になる恐れもあるため、順番を押さえて進めることが大切です。

1. 不動産会社に査定を依頼する

まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、客観的な相場を把握することが重要です。売却価格の妥当性は家庭裁判所の審査対象となるため、根拠のない価格設定では許可が得られにくくなります。

効率よく比較するためには、不動産の一括査定サービスを活用する方法がおすすめです。複数社に同時に依頼できるため、価格の傾向や各社の評価ポイントを短期間で把握できます。

目安としては3社程度から査定書を取得し、価格の幅や算出根拠を比較します。そのうえで、医療費や施設入所費用の確保といった売却目的と照らし合わせ、被後見人の利益につながる価格水準を検討します。

査定書は申し立て時に提出を求められることもあります。金額だけでなく、評価理由が明確かどうかも確認しておきましょう。

2. 媒介契約を結び売却活動を始める

相場を把握したら不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を開始します。買主を探すこと自体は、家庭裁判所の許可前でも可能です(法定後見の場合)。そのため、許可申し立ての準備と並行して売却活動を進められます。

ただし、価格設定は慎重に行う必要があります。市場相場だけでなく、家庭裁判所の審査を見据えた水準であることが重要です。相場よりも極端に安い価格に設定すると、被後見人の利益を損なうと判断される恐れがあります。

販売を始める前に、なぜその価格なのかを説明できるよう、査定結果や周辺事例を整理しておきましょう。

3. 停止条件付の売買契約を締結する

買主が見つかったら、家庭裁判所の許可を条件とする停止条件付きの売買契約を締結します。停止条件とは、あらかじめ定めた条件が満たされて初めて契約が有効になる仕組みです。家庭裁判所の許可が下りなければ、契約は効力を持ちません。

原則として売買契約書は家庭裁判所の許可前に作成するものであり、契約自体も許可前に結ぶことが可能ですが、無条件の契約にするとのちに大きな問題につながります。許可が得られなかった場合でも契約だけが有効なまま残ってしまうと、解約を巡ってトラブルになる恐れがあります。

そのため、契約書には「家庭裁判所の許可取得を条件として本契約は効力を生じる」と明記します。併せて、許可が得られなかった場合の手付金の返還方法も定めておくと安心です。

売買契約書案の段階で、不動産会社や司法書士などの専門家に確認してもらいましょう。

4. 家庭裁判所へ許可を申し立てる

停止条件付きの売買契約を締結した後は、売買契約書や査定書、登記事項証明書などを添えて家庭裁判所に許可を申し立てます。

審査では、主に次の点が確認されます。

  • 売却理由に合理性があるか
  • 売却価格が相場とかけ離れていないか
  • 売却後の生活に支障が出ないか

たとえば、施設入所が決まっている場合は、その契約書の写しを添付することで売却の必要性を具体的に示すことができます。

審理期間は地域にもよりますが、目安は1~2ヶ月程度です。書類に不備があると補正を求められ、期間が延びることもあります。提出前に必要書類を整理し、内容を確認しておくことが重要です。

5. 許可後に決済・引き渡しを行う

家庭裁判所の許可を得られたら、決済と引き渡しを行います。一般的には、許可審判書と審判確定証明書を確認してから手続きを行います。

決済当日は司法書士が許可内容を確認し、登記申請を行います。売却代金は被後見人名義の口座で管理し、生活費や医療費など、本人のために使用します。後見人の個人名義の口座には絶対に入金してはいけません。

後日の報告に備え、入出金の記録を残しておくことも大切です。

成年後見人が不動産売却で失敗しないための5つの注意ポイント

ここでは、成年後見人による不動産売却で無効やトラブルを防ぐための注意点を解説します。後見人としての責任を果たすためにも、事前に押さえておくべきポイントを確認しておきましょう。

1. 家庭裁判所の許可が出るまで決済を進めない

家庭裁判所の許可が出る前に、決済や所有権移転登記を進めてはいけません。許可がなければ、登記手続きや買主の融資実行は認められないためです。

買主の都合を優先して先に代金を受け取った場合、のちに許可を得られないことが判明すると、契約が無効となる恐れがあります。その結果、返金や損害賠償を巡る問題に発展する可能性もあるでしょう。

安心して取引を完了するためにも、家庭裁判所の許可を取得してから決済日を決めましょう。順番を守って進めることが、後見人としての大切な責任を果たすことにつながります。

2. 売却価格が相場とかけ離れていないか確認する

売却価格は、必ず市場の相場と照らし合わせて確認することが大切です。成年後見人による売却では、価格の妥当性も家庭裁判所の審査対象になります。相場より極端に安い価格設定にすると、被後見人の利益を損なうと判断され、許可が下りない可能性があります。

たとえば、1社だけの査定をもとに大幅な値下げをした場合、客観性が不足していると見なされる恐れがあります。そのため、3社以上から査定書を取得し、価格の幅や評価の違いを比較しておくことが重要です。

さらに、なぜその価格で売り出すのかを説明できるようにしておきましょう。周辺の成約事例や築年数、建物の状態など、価格の根拠を整理しておくことで、売却価格の妥当性を示しやすくなります。

価格の理由を明確にしておくことが、許可取得への現実的な備えになります。

3. 必要書類と申し立て準備を事前に整える

家庭裁判所への許可申し立ては、書類の準備が結果を左右します。必要な資料が不足していると補正を求められ、審理が中断してしまいます。その結果、売却完了が大きく遅れることもあるでしょう。

主に用意する書類は以下のとおりです。

必要書類 備考
不動産の登記事項証明書 最新のものを取得
固定資産税評価証明書
※または固定資産税・都市計画税課税明細書
評価額確認のため
売買契約書 停止条件付きの内容にする
不動産会社の査定書 価格の妥当性を示すため
後見登記事項証明書 後見人であることの証明
被後見人の財産目録 売却の必要性判断資料
買受人の住民票 法人の場合は商業登記事項証明書
施設入所契約書の写し、医療費見積書など 売却理由の裏付け資料

売却理由が施設入所や医療費の確保であれば、入所契約書の写しや見積書を添付すると、必要性を具体的に示しやすくなります。

また、書類がそろっていても、売却理由と価格の関係が十分に説明されていない場合には、追加資料を求められることがあります。提出前に内容を見直し、理由や金額の根拠が伝わるかを確認しておきましょう。

4. 売却代金の管理方法を明確にしておく

不動産を売却して得た代金は、被後見人の大切な財産です。成年後見人には財産を適切に管理する義務があり、私的流用はもちろん、たとえ一時的な立て替えであっても、誤解を招く行為は避けなければなりません。

売却代金は原則として被後見人名義の口座で管理します。後見人個人の口座で預かることはせず、入金や出金の流れが第三者にも分かる状態を保つことが重要です。

支出についても、施設入所費用や医療費など、被後見人の生活に必要な目的に限り、領収書や明細を保管しておきます。後日、家庭裁判所に定期報告を行う際に説明できるよう、通帳のコピーや収支一覧を整理しておくと安心です。

売却が終わっても、業務は終わりではありません。資金管理まで含めて後見人の責任であることを意識し、透明性のある管理を心がけましょう。

5. 司法書士など専門家のサポートを受ける

成年後見人による不動産売却では、司法書士や弁護士などの専門家に相談しながら進めることが重要です。手続きに誤りがあると、契約が無効になったり、家庭裁判所の許可が取り消されたりする可能性があるためです。

たとえば、停止条件の記載漏れや、後見監督人の同意の取得漏れ(任意後見の場合)があると、後から重大な問題に発展する恐れがあります。被後見人の財産に関わる取引である以上、小さなミスをすることも許されません。

契約書案や許可申立書類を専門家に事前に確認してもらうことで、手続きの抜けや不備を防ぐことができます。登記や決済の場面でも、専門家が関与することで安全性が高まります。

成年後見人は重い責任を負う立場です。一人で抱え込まず、専門家と連携して進めることがトラブル防止につながります。

手続きに不安がある場合は、専門家に相談しながら進めるとよいでしょう

成年後見人による不動産売却で起こりやすいトラブル4つ

ここでは、成年後見人による不動産売却で実際に起こりやすい代表的なトラブルを解説します。事前に典型例を知っておくことで、契約無効や紛争を未然に防ぐことが可能です。

1. 家庭裁判所の許可が下りない

許可申し立てを行えば、必ず認められるというわけではありません。家庭裁判所は、売却が本当に被後見人の生活や療養に必要かどうかを慎重に判断します。説明があいまいで資料が不足していると、許可が下りないことがあります。

たとえば、「空き家になっているので処分したい」という理由だけでは不十分と判断される場合があります。「なぜ今売却する必要があるのか」「売却代金をどのように使う予定なのか」などを具体的に示すことが必要です。

また、価格が相場と大きく異なる場合や、契約書の内容が不十分な場合も審理が長引きます。補正や再提出を求められると、売却スケジュールが数ヶ月単位で遅れることもあるでしょう。

許可が下りない事態を防ぐためには、売却の必要性と価格の根拠を具体的に整理し、第三者が見ても納得できる説明を準備しておくことが重要です。

2. 売却価格を巡る問題が起こる

不動産の売却価格は、後見人の判断だけで決めてしまうとトラブルの原因になりやすい部分です。

価格は被後見人の財産に直結するため、わずかな金額差でも疑問を持たれます。相場より著しく低い金額で売却すると、被後見人に不利益ではないかと、親族から指摘されることもあるでしょう。

特に、急いで売却したり、1社の査定のみを基に値下げを重ねたりした場合、不透明な取引だと受け止められる恐れがあります。

また、家庭裁判所の許可が下りたとしても、親族間で不信感が生じると関係が悪化し、のちの財産管理に影響することもあります。価格設定の背景や売却経過を説明できるようにしておくことが大切です。

複数の査定結果や周辺の成約事例を確認して「価格の根拠」を整理しておくことで、後から説明を求められても落ち着いて対応できます。

3. 相続人と意見が対立する

不動産の売却は将来の相続財産に影響するため、親族の間で意見が分かれることがあります。後見人は被後見人の利益を最優先に判断しますが、相続人にとっては取り分や思い出に関わる問題でもあり、感情が入りやすいのが実情です。

たとえば、施設入所に伴い維持費の負担軽減が必要だとして売却を検討しても、「将来戻るかもしれない」「思い出の家を残したい」と反対されることがあります。価格や売却の時期について疑問を持たれるケースもあるでしょう。

法律上は、相続人の同意がなくても後見人が売却を進めることは可能です。しかし、十分な説明をせずに進めると不信感が残り、その後の財産管理や相続手続きで対立が深まるおそれがあります。

法的な権限に基づいて進めることは大切ですが、家族との関係にも配慮する姿勢が、結果として手続きをスムーズに進めることにつながります。

4. 手続きミスにより売買契約が無効になる

成年後見人による不動産売却は、通常の取引よりも厳格な手続きが求められます。必要な手続きを踏まずに締結した契約は、後になって効力が否定される恐れがあります。

たとえば、次のようなケースです。

  • 家庭裁判所の許可を条件としていない契約(法定後見の場合)
  • 後見監督人の同意が必要にもかかわらず取得していない契約(任意後見の場合)
  • 停止条件の記載があいまいで、許可が得られなかった場合の扱いが不明確な契約
  • 名義や権限の記載ミスがある契約

このような不備があると手続きが差し戻されるだけでなく、買主との信頼関係を損なう原因になります。場合によっては、損害賠償に発展する恐れもあるでしょう。

取引を安全に進めるには、契約書の作成段階から司法書士や弁護士などの専門家に内容を確認してもらうことが重要です。形式面まで丁寧に整えることが、無効リスクを避けるための現実的な対策です。

成年後見人の不動産売却でよくある3つの質問

ここでは、成年後見人として不動産を売却する際によく寄せられる疑問についてQ&A形式で紹介します。

Q1. 成年後見人として不動産を売却する際の必要書類は?

A: 家庭裁判所は「売却が本当に必要か」「価格は適正か」を確認するための客観的な資料を求めます。

主な書類は、許可申立書、登記事項証明書、固定資産税評価証明書、不動産会社の査定書、売買契約書などです。売却理由が施設入所などであれば、その契約書の写しや費用の見積もり資料も添付します。

必要書類は裁判所ごとに多少異なる場合があるため、提出前に管轄の家庭裁判所に確認しておくと安心です。

Q2. 不動産売却の許可が出るまでの期間はどのくらい?

A: 許可が出るまでの期間は一般的に1〜2ヶ月程度が目安です。ただし、事案の内容や書類の完成度によって前後します。

売却理由が明確で査定資料が整っている場合は比較的スムーズに進みます。一方、価格根拠が弱い場合や補正指示が出た場合は、さらに数週間延びることもあります。

買主とのスケジュール調整を行う際は、余裕を持った日程を組むことが現実的です。

Q3. 成年後見人の報酬はどのように決まる?

A: 成年後見人の報酬の目安は、月額2〜6万円程度です。

成年後見人の報酬は、家庭裁判所が業務内容に応じて決定します。後見業務は裁判所の監督の下で行われる制度であり、報酬も裁判所が判断する仕組みになっているためです。

判断の際には、被後見人の財産額、日常の管理業務の量、不動産売却など特別な手続きの有無が考慮されます。

不動産売却を予定している場合は、通常より業務量が増えることもあるため、報酬の申し立て手続きについてもあらかじめ確認しておくことが大切です。

まとめ

成年後見人による不動産売却は、被後見人の利益を最優先にし、法定後見の場合は家庭裁判所の許可を得て進める必要があります。価格の妥当性や書類準備を怠ると許可が下りず、契約が無効になるといった重大なリスクが生じます。

手続きの流れと注意点を正しく理解し、必要に応じて専門家の助言を受けながら慎重に進めることが大切です。特に価格については、客観的な根拠を示せる状態を整えておくことが重要になります。

不安がある場合は、まず複数の不動産会社に査定を依頼し、相場や売却の可能性を把握することから始めてみてください。複数社の査定を比較することで、価格の妥当性を説明しやすくなり、家庭裁判所への申し立てもスムーズになります。

不動産の売却査定で、複数社を比較検討したい場合は、ホームズの一括査定の活用をご検討ください。全国に4,900社以上(2026年3月時点)の提携会社のなかからまとめて査定依頼ができるため、条件や提案内容を比較しながら進め方を検討できるでしょう。

ホームズで不動産の一括査定を依頼する

【あわせて読みたい】
▶︎親が認知症になった場合に不動産売却はできる?起こりやすいトラブルや売却の流れも解説
▶︎相続放棄の必要書類を配偶者・子・兄弟など関係別に解説。書類の提出先や入手方法も
▶︎兄から相続した家が「空き家」状態!?管理ができないため売却に踏み切る~売却体験談

記事執筆

岩井 佑樹(いわい ゆうき)” class=岩井 佑樹(いわい ゆうき)

合同会社ゆう不動産 代表
宅地建物取引士 熊本市空き家相談員
『売る力×伝える力』で、不動産の価値を最大化する不動産会社、ゆう不動産の岩井です。 不動産売買の専門家として現場に立ちつつ、不動産に特化したWebライターとして1,000本以上の記事を制作してきました。 売却査定から仲介・買取まで幅広く対応し、物件の魅力を正しく伝えることで「早く・高く・安心」の取引を実現しています。 派手な宣伝より、目の前の一人に誠実に向き合うことを大切に。地域に寄り添いながら、不動産とWebを組み合わせた独自の発信力で、オーナー様にとって最良の選択肢を示すことが私の使命です。 「売買専門×情報発信」の融合ビジネスで、不動産の価値を丁寧に引き出します。

記事監修

寺林 智栄” class=寺林 智栄(てらばやし ともえ)

弁護士 札幌弁護士会所属弁護士。
札幌弁護士会所属。2007年弁護士登録。2025年12月にてらばやし法律事務所を設立。2013年頃よりネット上で法律記事の執筆や監修を開始。執筆・監修記事がYahoo!トピックスで複数回1位を獲得した経験あり。多様な法律問題を一般の方が正しく理解できるようわかりやすく解説することを信条としています。