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シニアライフに最適な住まい選びのための4つのステップ

これからのシニアライフに向けて最適な住まいを選ぶにはどう考え、決めていけばいいのか、を具体的にわかりやすく、4つのステップでご紹介します。

この記事はこんな人向け

  • 子供が独り立ちした後の住まいについて考え始めている方
  • 最適な老後の住まい探しを検討したい方
  • シニアライフを自由に楽しみたい方
  • ご両親の住まいについてお悩みをお持ちの方

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最適な住まい選びを実現するための4つのステップとは

今後の住まいを検討する際に最も避けた方が良いことは、漠然と考えただけで、思いつきで住まい選びを始めることです。

私のところにも、ほぼ思いつきで住まい選びを始め、住み替えやリフォームを行ってしまったあとで、「こんなはずじゃなかった」と後悔され、相談にこられるケースはたくさんあります。また、考えがまとまっていない段階で住まい選びを始めても、結局、結論を出すことができず、途中で頓挫し、「結果的に無駄な時間と労力を使ってしまった」となってしまうでしょう。

このようにならないためにも、住まい選びを始める前に、最適な住まい選びを実現するための4つのステップをおすすめします。

4つのステップは、

  • <ステップ1>これからの現実の暮らしを想像する。
  • <ステップ2>これからの理想の住まいを考える。
  • <ステップ3>今の住まいと理想の住まいのギャップを洗い出す。
  • <ステップ4>最適な住まい像を決め、家族と共有する。

という内容です。

これからの暮らしについて多角的に情報を整理・検討し、ご家族と共有した上で、自分が最適だと考える住まい像を決定することで、住まい選びがブレず、効率的に、そして何より納得感を持って住まいを決定できます。

では、ステップごとにみていきましょう。

<ステップ1>これからの現実の暮らしを想像する ~自分達の生活~

まず、今後の現実の暮らしを想像し、確認しておきましょう。自分達の生活・親の生活・子供の生活の3つの観点で行います。

まず、自分達の生活です。

1.老後の生活資金(収入-支出)を想像する

まず大事なことは、お金の不安を漠然ともったままにしないということです。なんとなく不安という状態のままでは前に進みませんし、逆に、老後の資金をまったく考慮せず住まい選びに突き進むのもリスクが高すぎます。

将来のことなので、正確な金額を算出することは難しいですが、老後の生活資金を大まかにでも把握することが大切です。

  • 収入:「年金」「給与所得」等
  • 支出:「生活費」「介護費用」「医療費」等

自分達の老後に必要な生活費をおおまかにでも把握しておくことで、安心して住まい選びにかけられる費用がわかります。

2.これからの健康状態を想像する

次に想像いただくのは、自分達のこれからの健康状態です。

将来の健康状態を想像するコツは、身近におられる年配の方々の様子を自分におきかえることです。もちろん、健康状態は人により様々ですし、加齢による影響も人によって違いますが、自分よりも10歳、15歳年上の方々のご様子から自分の将来の状態を想像してみましょう。

また、万が一の場合ですが、自分が10年後に生活に支障をきたす健康状態になったときのことを考えることは、今後、今の住まいで暮らし続けるとすれば、何が問題になるのかまた、将来の住まい選びへの条件として何が必要になるのかを考える大切な要素となります。

<ステップ1>これからの現実の暮らしを想像する ~親の生活・子供の生活~

次に、今後の親の生活を想像します。

1.今後の親への生活サポートを想像する

ご両親への生活サポートは、介護と資金の2つの側面で想像します。 自分の健康状態と同様、ご両親の将来の健康状態を想像し、

  • もし、日常生活に支障が出た場合のサポート体制
  • もし、介護、医療費用が不足した場合の資金調達の方法(実家の活用等)

を検討しておきます。

ステップ1の最後は、今後の子供の生活の想像です。

2.今後の子供への生活サポートを想像する

親と同様、想像の視点は、今後の生活サポートですが、一般的には、資金面のサポートを想像することで良いと思います。

以上がステップ1の作業となります。

ステップ1を行うことで、最優先で叶えるべき住まいへの条件を洗い出すことができます。具体的には、 ・住まいに捻出できる金額 ・優先して確保したい住まいの安全性 ・優先して実現したい家族をサポートできる環境 を明確にします。

<ステップ2>これからの理想の住まいを考える

次は、理想の住まいを考えるステップです。 理想の住まいは、A「建物の安全性・快適性」・B「生活利便性」・C「家族との距離」の3つの軸からを考えると良いです。

A:建物の安全性・快適性

  • 足が少し不自由でも安心
  • 管理、メンテナンスに負担が少ない
  • 寒暖差が少ない浴室 など

B:生活利便性

  • 車に乗らなくなっても不便なく暮らせる
  • 仲間と楽しく交流できる
  • 趣味が楽しめる
  • 医療施設が近い
  • 仕事を続けやすい環境 など

C:家族との距離

  • 親に介護が必要になっても安心
  • 子供と最適な距離感 など

<ステップ3>今の住まいと理想の住まいのギャップを洗い出す

次に、今の住まいとステップ2で考えた理想の住まいとのギャップを洗い出します。 ギャップを整理する際には、理想の住まいを検討した時と同じように、 A:建物の安全性・快適性 B:生活利便性 C:家族との距離 を軸に洗い出すと整理しやすいです。

この上で、改善したいギャップに優先順位をつけます。 この作業をすることで、自分にとって、これからの住まいに何が重要なのか、今の住まいの何を変えたいのか、がより明確になります。

<ステップ4>最適な住まい像を決め、家族と共有する

いよいよ最後のステップです。 ステップ4は、①最適な住まい像を決める、②それを家族と共有する、の2点です。

1.最適な住まい像を決める

決める手順は、 ・ステップ1で洗い出した、優先して叶えたい住まいへの条件 ・ステップ2、3で出た、優先的に改善したいギャップ を整理し、自分にとって最適な住まい像を確定します。

2.家族と共有する

最適な住まい像が決まりましたら、自分の考えをご家族と共有します。すべての検討を終えた後、ご両親とじっくりお話していただくことです。お話されることで、ご両親自身の今後の暮らしについての想いも改めて確認できることもあり、良いと思います

まとめ・補足

これからのシニアライフを豊かにするための住まい選びを実現するための1つの方法として、最適な住まい選びを実現するための4つのステップという検討手法をご紹介いたしました。

各ステップのポイントを整理します。

ステップ1では、これからの現実の暮らしを想像するでは、自分達、親、子供、それぞれが、今後どのような生活になるのかを想像することで、今後の住まい選びにおいて優先的に叶えるたい条件の洗い出しを行います。

ステップ2、3では、これからの理想の暮らしと今の住まいとのギャップを整理することで、優先的に改善したい住まいへの要望を明確にします。

そして、最後のステップ4では、1~3で明確になった住まい選びの条件をすべて整理し、自分にとって最適な住まい像を確定させ、それを家族と共有する、というものです。 このステップをすべて完了したら、いよいよ具体的な住まい選びの活動がスタートとなります。

一般的には、住まい選びは、人生の中で多くの回数は経験しないものです。特に、シニアライフに向けての住まい選びは、若い時よりもより慎重に、丁寧に行った方が良いと私は考えています。

最後に、今回ご紹介した最適な住まい選びを実現するための4つのステップを活用いただき、これからのシニアライフを心豊かに楽しめる住まいに出会っていただけることを心より願っております。

記事執筆・監修

荒木 一郎(あらき いちろう)

大手情報サービス企業にて不動産情報誌の企画、営業を経験後、2006年に愛知県で不動産会社CLASS ONE株式会社を設立。売買、仲介、管理の実務に携わる。2014年に「空き家実家相談センター」を設立。 社会問題化している空き家問題、実家の相続問題に加え、近年は「シニアの方の住替え」をテーマとしたセミナー、相談会を定期開催し相談者の解決サポートに取り組んでいる。 これまで30年以上「住まい」のテーマに携わり、評論家ではなく、不動産実務を長年経験した不動産の実務家ならではの実効性高いアドバイスを提供することが信条。