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終の棲家(ついのすみか)とは?老後の住まいはどこがいい?決め方を解説

子どもの独立や定年退職を機に、自身の終の棲家(ついのすみか)について、検討し始めるという人も多いでしょう。

老後を安心して暮らすためには、住まいの選択が非常に重要です。終の棲家を考えるに当たっては、「自宅に住み続ける」「高齢者向けの施設に入居する」など、いくつかの選択肢があります。

しかし、年齢を重ねてからの住まい探しは健康状態や経済状況など考慮すべき点が多く、想定通りに進まない場合もあります。そのため、自身の終の棲家について理解を深め、早めに計画を立てておくことが大切です。

この記事では、終の棲家の理想的な条件や選択肢、決めるときのポイントについて詳しく解説します。

この記事で分かること

  • 終の棲家はどこを選ぶべき?老後の住まいの選択肢
  • 終の棲家を決めるときのポイント
  • 終の棲家に備えて住み替えるなら一括査定がおすすめ

もくじ

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終の棲家(ついのすみか)とは?

終の棲家とは、人生の終盤を過ごす住まいのことを意味します。

人生100年時代といわれる現代において、老後の生活を安心して過ごすための住まい選びは、多くの人にとって重要なテーマとなっています。

ここでは、終の棲家について以下のポイントにそって解説します。

  • 終の棲家が話題になっている理由
  • 終の棲家の理想的な条件
  • 終の棲家を探し始めるタイミング

終の棲家が話題になっている理由

終の棲家が話題になっている理由の1つが、日本の急速な高齢化です。

内閣府の「令和7年版高齢社会白書」によると、2024年10月1日現在の65歳以上の人口は3,624万人で、総人口に占める割合(高齢化率)は29.3%に達しています。

今後も高齢化は進み、2040年には高齢化率が34.8%になると推計されています。また、平均寿命は2024年時点で、男性が81.09年、女性が87.13年でした。

なお、高齢者の増加により在宅医療のニーズも高まっています。

厚生労働省の「在宅医療の現状について」によると、訪問看護ステーションの利用者は、介護保険は546,200人で2001年の2.9倍、医療保険は288,795人で2001年の5.9倍と増加傾向です。

病院や施設ではなく、住み慣れた自宅で最期を迎えたいと考える人が増えていることが分かります。

また、いわゆる「終活」という言葉の浸透によって老後の暮らし方について考える人が増えているのも、終の棲家が話題になっている要因として考えられます。

※参考1:令和7年版高齢社会白書|内閣府
※参考2:在宅医療の現状について|厚生労働省

終の棲家の理想的な条件

終の棲家の理想的な条件として、主に以下が挙げられます。

  • バリアフリー設計の物件である
  • スーパーマーケット・医療機関・公共交通機関へのアクセスが良い
  • 医療・介護サービスが利用しやすい
  • 地域とのつながりがある

身体機能が低下しても、段差のない床や手すりの設置、車椅子でも移動しやすい廊下幅などのバリアフリーの物件は、安全に暮らすことができます。

また、スーパーマーケットや医療機関、公共交通機関へのアクセスの良さも重要です。日常の買い物や定期的な通院がしやすい環境は暮らしやすく、ストレスを感じにくいでしょう。

さらに、公園や図書館、コミュニティセンターなどの施設が近くにあれば、社会とのつながりを保ちやすくなります。

終の棲家を探し始めるタイミング

終の棲家は早めに考え始めることで、じっくりと比較検討する時間を確保できます。急いで決める必要がないため、自分や家族にとって最適な選択がしやすくなるでしょう。

内閣府の「令和6年度 高齢社会対策総合調査」によると、住み替えを検討する人は、60〜64歳が40.9%(住み替え意向がある人と検討したい人の合計)と、他の年代よりも多い結果となっています。

※出典:令和6年度 高齢社会対策総合調査|内閣府

一般的にこの年代であれば、まだ体力があり、冷静な判断が可能な状態で住まい選びができます。退職を機に、今後の生活設計を見直す人も多いでしょう。

ただし、タイミングは個人の健康状態や家族構成によって異なります。以下のようなライフステージの変化に合わせて検討を始めることも大切です。

  • 健康に不安を感じ始めたとき
  • 配偶者を亡くしたとき
  • 子どもが独立したとき
  • 建物の建て替えを検討し始めたとき

終の棲家はどこがいい?-老後の住まいの選択肢

老後の住まいとして、主に以下の3つの選択肢があります。

  • 現在の家に住み続ける
  • 高齢者向けの施設に入居する
  • 新しい家に住み替える

それぞれの選択肢には異なる特徴があるため、自分の状況や希望に合わせて検討する必要があります。

現在の家に住み続ける

終の棲家として現在の家に住み続けることは、多くの人が第1の選択肢として考えるでしょう。

内閣府の「令和5年度 高齢社会対策総合調査」によると、完治不可の病気の場合、どこで最期を迎えたいかという問いの回答は以下のとおりでした。

最期を迎えたい場所 割合
自宅 45.8%
病院・介護療養型医療施設 36.3%
特別養護老人ホーム・有料老人ホームなどの福祉施設 8.3%

※参考:令和5年度 高齢社会対策総合調査|内閣府

住み慣れた自宅で最期まで暮らしたいと考えている人が多いことが分かります。

住み続けるメリット

現在の家に住み続けるメリットは、以下のとおりです。

  • 住み慣れた環境で生活できる
  • 思い出のある場所で暮らせる
  • 地域とのつながりを維持できる
  • 引越しの手間と費用がかからない
  • 住宅ローンが完済していれば住居費が抑えられる

長年住み続けた家には、愛着や思い出があります。家族との思い出が詰まった家で老後を過ごすことは、精神的な充実感をもたらすでしょう。

また、近所付き合いや地域活動への参加など、築いてきた人間関係を維持でき、引越しの手間や費用がかからないことも大きなメリットです。

経済的な面では、住宅ローンを完済していれば、毎月の住居費を大幅に削減できます。固定資産税や維持管理費は必要ですが、新たに家賃やローンを支払う必要がないため、年金生活であっても比較的安定した生活が送れるでしょう。

住み続けるデメリット

一方、現在の家に住み続けるデメリットは以下のとおりです。

  • バリアフリー化のためのリフォーム費用がかかる場合がある
  • 維持管理の負担が大きい
  • 階段の上り下りなど身体的負担が増える場合がある
  • 将来的に一人暮らしになる可能性がある

年齢を重ねると、階段の上り下りが困難になったり、浴室での転倒リスクが高まったりします。安全に暮らすには、手すりの設置や段差の解消などのバリアフリー化のリフォーム工事が必要になり、その費用は数百万円かかるケースもあります。

なお、一戸建ての場合、庭の手入れや外壁の塗替えなど、定期的なメンテナンスが必要です。体力が低下すると、こうした作業が大きな負担となります。

子どもが独立した後の広い家は、掃除や管理が行き届かなくなる可能性もあるでしょう。

また、自宅では将来的に一人暮らしになる可能性もあり、近くに支援してくれる人がいないと暮らしにくくなるおそれもあります。

高齢者向けの施設に入居する

高齢者向けの施設への入居は、介護や医療サポートを受けながら安心して暮らすことができるため、終の棲家の選択肢としても人気があります。

高齢者向けの代表的な施設として、主に以下が挙げられます。

  • サービス付き高齢者向け住宅
  • 有料老人ホーム
  • 特別養護老人ホーム
  • ケアハウス

高齢者向けの施設に入居するメリット

高齢者向けの施設に入居するメリットは以下のとおりです。

  • 24時間体制での見守りサービスがある
  • 緊急時も迅速に対応してもらえる
  • 食事の提供や掃除などの生活支援を受けられる
  • 同世代の入居者との交流ができる
  • バリアフリー設計で安全に生活できる

施設では、専門スタッフによる見守りや介護サービスを受けられます。体調が急変した際も、すぐに対応してもらえるため、一人暮らしの不安から解放されます。

食事の準備や掃除、洗濯などの家事から解放され、自分の時間を有効に使えるようになるでしょう。

また、レクリエーションやイベントが定期的に開催され、入居者同士の交流の機会も豊富です。孤独を感じることなく、充実した日々を送れる可能性が高くなるでしょう。

なお、多くの施設内は完全バリアフリー設計となっているため、車椅子を使うことになっても安心して生活できるのも大きなメリットです。

高齢者向けの施設に入居するデメリット

一方、高齢者向けの施設に入居するデメリットは以下のとおりです。

  • 入居費用や月額費用の負担が大きい
  • プライバシーが制限される場合がある
  • 自由度が低くなる可能性がある
  • ペットと暮らせない施設が多い

施設への入居には、入居一時金として数百万円単位の費用が必要になる場合があります。月額費用も10万円から30万円程度かかることが一般的で、経済的な負担が大きい点がデメリットです。

年金だけでは支払いが難しい場合、預貯金を取り崩すことになるでしょう。

なお、一般的に施設では食事の時間や入浴時間など、決められたスケジュールに従う必要があります。今まで自由に生活してきた人にとっては、ストレスを感じる場合があります。

また、多くの施設ではペットの飼育が禁止されているため、大切なペットと暮らせない点もデメリットといえます。

新しい家に住み替える

新しい家への住み替えは、老後の生活に適した環境を選んで移り住むという選択肢です。ファミリー向け物件から夫婦向け、単身者向けマンションへの住み替えや、地方への移住などが考えられます。

新しい家に住み替えるメリット

新しい家に住み替えるメリットは以下のとおりです。

  • 老後の生活に適した間取りや設備を選べる
  • 立地条件の良い場所を選べる
  • 維持管理が楽な物件を選択できる
  • 資産を現金化できる
  • 新しい環境で新たな生活を始められる

住み替えでは、バリアフリー設計の物件や、医療機関に近い立地など、老後の生活に適した条件を優先して選ぶことができます。

一戸建てからマンションに住み替えれば、庭の手入れや外壁のメンテナンスなどから解放されます。オートロックやエレベーター付きの物件を選べば、セキュリティ面でも安心です。

また、現在の家を売却することでまとまった資金を確保できます。その資金を老後の生活費に充てたり、新居の購入費用に充てたりすることが可能です。

新しい環境での生活は、気持ちをリフレッシュさせ、第二の人生を前向きに歩むきっかけにもなるでしょう。

新しい家に住み替えるデメリット

一方、新しい家に住み替えるデメリットは以下のとおりです。

  • 引越しの手間と費用がかかる
  • 新しい環境に慣れるまで時間がかかる
  • 地域とのつながりや思い出の場所が失われる
  • 売却がスムーズに進まない可能性がある

引越しは、体力的にも精神的にも大きな負担となります。荷造りや各種手続き、新居での片付けなど、膨大な作業をこなす必要があるうえに引越し費用や仲介手数料などの諸費用も必要です。

また、地域とのつながりや思い出の場所を失うことに、さみしさや虚しさを感じる可能性があります。他にも、現在の家がスムーズに売却できない場合、二重ローンや維持費の負担が発生するリスクもあるでしょう。

終の棲家を決めるときのポイント

終の棲家を決める際は、以下の5つのポイントを押さえておきましょう。

  • 老後を見据えた暮らしをイメージする
  • スケジュールに余裕をもたせる
  • 余裕のある資金計画を立てる
  • 家族と納得するまで話し合う
  • 利用できる医療・介護サービスを把握しておく

老後を見据えた暮らしをイメージする

終の棲家を選ぶ際は、10年後、20年後の生活をイメージすることが重要です。

現在は健康でも、将来的に身体機能が低下する可能性を考慮しなければなりません。車の運転ができなくなった際の移動手段や、一人暮らしになった場合の生活など、さまざまなシナリオを想定しておきましょう。

内閣府の「令和5年度 高齢社会対策総合調査」によると、現在の地域に安心して住み続けるために必要なことへの回答は以下のとおりです。

項目 割合(複数回答可)
かかりつけ医等健康面での受け皿 56.4%
近所の人との支え合い 50.2%
防災対策や治安の良さ 46.2%
移動手段や商業施設などの生活環境の利便 46.1%
家族や親族の援助 41.4%
経済的な余裕・資産 37.8%

※参考:令和5年度 高齢社会対策総合調査|内閣府

日常生活においても、買い物や通院先、趣味の活動はできるのかなど、具体的にイメージすることが大切です。生活の細部まで考えておくことで、適切な住まい選びができます。

また、将来の介護が必要になった場合のことも想定しておきましょう。在宅介護を受ける場合は、介護ベッドを置くスペースや、ヘルパーが出入りしやすい環境が必要です。

施設への入居を視野に入れる場合は、どのタイミングで入居するか、費用はどの程度準備できるかを検討しておきましょう。

スケジュールに余裕をもたせる

終の棲家選びは、時間をかけてじっくりと検討することが大切です。焦って決めると、後悔する可能性が高くなるため、情報収集から決断まで余裕を持って進めましょう。

まず、情報収集の期間を十分に取ることが重要です。インターネットや書籍で基本的な知識を身につけ、セミナーや相談会に参加して専門家の意見を聞きましょう。

そして、実際に高齢者向けの施設を見学したり、住み替え先候補地の下見を行ったりなどすることで、具体的にイメージできます。

複数の選択肢を比較検討し、メリット・デメリットを整理したうえで決断することで、納得のいく選択ができるでしょう。

余裕のある資金計画を立てる

老後の住まいには、想定以上に費用がかかる場合があります。初期費用だけでなく、毎月の生活費や将来的な医療・介護費用まで含めた、総合的な資金計画を立てることが重要です。

内閣府の「令和6年度 高齢社会対策総合調査」によると、今後の生活で必要と考える金融資産額は平均2,648万円でした。収入が年金中心となることを考慮し、無理のない資金計画を立てましょう。

現在の家に住み続ける場合でも、バリアフリー化のリフォームや建物の維持管理の費用が必要です。リフォーム費用は、内容によって大きく異なるものの、手すりの設置や段差の解消だけでも数十万円、全面的なバリアフリー化では数百万円かかる場合もあります。

施設への入居や住み替えを検討する場合は、より詳細な資金計画が必要です。入居一時金や購入費用などの初期費用に加え、月々の利用料や管理費、固定資産税なども計算に入れましょう。

※参考:令和6年度 高齢社会対策総合調査|内閣府

家族と納得するまで話し合う

終の棲家を決めることは、家族にも影響を及ぼす大切な決断です。

配偶者はもちろん、子どもたちとも十分に話し合い、全員が納得できる選択をすることが大切です。意見の相違がある場合は、時間をかけて話し合いましょう。

配偶者との間では、今後の生活スタイルや介護についての考え方を共有しましょう。子どもたちには、将来的なサポートをどの程度期待できるか、相続についての考えなども確認しておくと良いでしょう。

家族会議を定期的に開催し、段階的に意見をすり合わせていくことも重要です。1度の話し合いで結論を急がず、何度かに分けて話し合いを重ねていきましょう。

必要に応じて、ファイナンシャルプランナーや介護の専門家など、第三者の意見も参考にしましょう。

利用できる医療・介護サービスを把握しておく

終の棲家を選ぶ際は、その地域で利用できる医療・介護サービスを事前に調査しておくことが重要です。

医療機関へのアクセスや訪問診療の有無、介護サービスの充実度などを確認しましょう。自治体によってサービス内容や料金が異なる場合があるため、詳細な情報収集が必要です。

医療機関では、病院までの距離や交通手段、診療科目の充実度などを確認します。持病がある場合は、専門医の有無も忘れずに調べましょう。

また、夜間や休日の救急体制についても把握しておくと、緊急時でも落ち着いて対処できます。

介護サービスについては、デイサービスやショートステイ、訪問介護などの事業所数や空き状況を確認しましょう。地域包括支援センターに相談すれば、その地域の介護サービスの実情を教えてもらえます。

終の棲家に備えて住み替えるなら一括査定がおすすめ

終の棲家に備えて新しい家への住み替えを検討している場合、現在の家の売却が重要なステップとなります。売却価格によって、新居の予算や老後の生活設計が大きく左右されるため、適正な査定を受けることが大切です。

不動産を売却する際は、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。1社だけに査定を依頼しても、査定価格が適正かどうか判断できません。複数社の査定を比較することで、相場を把握し、最も有利な条件で売却できる可能性が高まります。

しかし、複数の不動産会社に個別に連絡を取り、査定を依頼するのは時間と手間がかかります。そこで便利なのが、不動産ポータルサイトなどが運営する無料一括査定サービスです。

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終の棲家は暮らしのイメージと事前準備が重要

終の棲家選びは、人生の最終章を豊かに過ごすための重要な決断です。老後の住まいの選択肢は、主に以下の3つがあります。

  • 現在の家に住み続ける
  • 高齢者向けの施設に入居する
  • 新しい家に住み替える

それぞれにはメリットとデメリットがあるため、自分や家族の状況、暮らしのイメージなどを明確にしたうえで最適な選択をすることが大切です。

終の棲家で後悔しないためには、時間をかけて情報収集や事前準備を行うことが重要です。資金計画は余裕を持って立て、家族とも十分に話し合いましょう。

また、選んだ地域で利用できる医療・介護サービスについても、事前に把握しておくと安心です。住み替えを検討している場合は、現在の家の価値を正確に把握する必要があります。

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初回公開日:2025年10月16日

記事執筆・監修

矢野 秀一郎(やの しゅういちろう)

不動産会社で2社勤務。1社目では時間貸駐車場の開発営業を中心に携わり、2社目では不動産売買の仲介営業や、一戸建ての分譲工事のプロジェクト、および新築・リフォーム工事の現場監督など、幅広く業務を担当。現在はフリーのライターとして不動産や金融に関する内容を中心にライティング・記事監修を実施。