
不動産を売却したいけれど、どのように行えばよいのか分からないという方もいるでしょう。不動産売却にはさまざまな法律があり、故意でなくともルールに違反した場合は、違約金が発生する可能性があります。
そこで、本記事では不動産売却の方法や流れ・費用について解説します。後半では、後悔しないための注意点や高額で売却するコツも紹介するため、不動産売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】
- 不動産売却する理由
- 不動産を売却する方法
- 不動産売却の流れと期間
- 不動産売却の必要書類
- 不動産売却にかかる費用・税金
- 不動産売却時の確定申告と税金の控除
- 不動産売却の注意点
- 不動産をより高額で売却するためのコツ
- 不動産売却に関するアンケート調査
もくじ
不動産売却する理由

不動産を売却する理由は、人によってさまざまですが、代表的な理由には以下のようなものがあります。
- 今よりも条件の良い家に住むため
- 転勤で遠方に引っ越すため
- 家族構成が変わったため
- 相続した物件の管理が難しいため
- 複数の相続人に遺産を分割するため
- 住宅ローンの返済が難しくなったため など
不動産の売却には、専門的な知識が必要です。しかし、流れや最適な方法を理解していないと、思った以上に時間を要してしまう事があります。理由によっては損害賠償を請求されるトラブルに発展することも。そのようなトラブルを避けるために、不動産を売却するのであれば、あらかじめ最低限の知識を身につけておく必要があります。
不動産を売却する方法は3つ

不動産を売却する方法には、以下の3つがあります。
- 仲介(媒介)
- 買取
- 個人売買
仲介(媒介)
仲介(媒介)とは、売主に代わって、不動産会社が購入希望者を探すという方法で、複数ある売却方法のなかで最も代表的です。
仲介で売却活動を開始すると、不動産会社はインターネット広告や折り込み広告・店頭広告などさまざまな媒体を活用します。
また、専任媒介契約・専属専任媒介契約を締結すると、1社に依頼するだけですべての不動産会社がアクセスできるネットワーク(指定流通機構:レインズ)に物件情報が登録されるため、依頼した不動産会社以外の顧客にも不動産情報が紹介されることになります。自分の希望金額で売り出すことができるため、希望に近い金額で契約しやすい点がメリットです。
また、仲介手数料は発生するものの、販売活動や買主に対する重要事項説明・契約書の作成・登記などをプロに代行してもらうことができます。
不動産売買には、価格だけでなく引渡しや特約などで売主・買主の交渉が必要なことが多く、そうしたデリケートな交渉をプロに一任できるという点も大きなメリットといえるでしょう。
一方、購入希望者が現れるまで待たなければならないため、売却まで時間がかかってしまう点がデメリットといえます。長いときには、1年以上購入希望者が現れないこともあります。
買取
買取とは、不動産会社が不動産を買い取るという方法です。
購入希望者が現れるまで待つ必要はなく、不動産をすぐに現金化できます。不動産会社の掲示する価格に納得でき次第売却することができるため、新しい家に住み替えるために早く売却したい場合などにおすすめの方法です。
資金計画が立てやすいというメリットがある反面、売却金額が仲介の場合よりも低くなってしまうというデメリットがあります。仲介で売却する場合の60〜80%程度の金額であることが多く、できるだけ高い金額で売りたい人には向いていないでしょう。
個人売買
個人売買とは、不動産会社を仲介せずに、個人で不動産を売却するという方法です。
不動産会社への仲介手数料が発生しないうえに、仲介手数料に課される消費税も支払う必要がないため、手数料の節約や消費税の節税にもなります。売買契約の内容や売却価格を自由に設定できる点も魅力です。
しかし、不動産売買には専門的な書類の作成や煩雑な手続きが必要なため、注意が必要です。 また、買主にとっては宅地建物取引士による重要事項の説明を受けることができない、住宅ローンを利用しにくいといったデメリットもあります。
不動産売買に係る法律の知識不足によるトラブルが発生する場合もあるため、個人売買をする際は十分な知識や確認が必要であることは覚えておきましょう。
不動産売却の流れと期間

不動産を売却する際の流れは、おおまかに下記の3つの段階があります。
- 準備(査定依頼・媒介契約)
- 売却活動(広告活動・内覧)
- 売却(売買契約・引渡し)
不動産売却の経験者3,000人に不動産売却にかかった期間のアンケートを取ったところ、19.7%の人が回答した「6〜9か月未満」が最も多い結果となりました。次に多かったのは、18.5%の人が回答した「3〜6か月未満」です。
①準備(査定依頼・媒介契約)
不動産の売却活動を行う前には、一定の準備期間が必要です。不動産買取の場合には不動産の買取査定、仲介で売却する場合には査定依頼と媒介契約の締結を行う必要があります。
不動産の査定方法や媒介契約の種類について、以下でまとめました。
【不動産の査定方法】
机上査定
実際に物件を訪問せずに、築年数や広さ・間取りなどの情報から売却価格を算出する方法で、簡易査定とも呼ばれる。短期間で査定価格が分かる反面、精度は低い。
訪問査定
物件を実際に訪問して査定価格を算出する方法。比較的精度の高い査定価格が分かるうえに、売却に最適な時期などのアドバイスも受けられる。訪問日時の調整といった手間や時間がかかる点がデメリット。
【媒介契約の種類】
一般媒介契約
複数の不動産と同時に契約を締結できて、自分で買主を探すことも可能。不動産会社は売主に対して、売却活動に関する報告を行う必要はない。
なお、指定流通機構(レインズ)の登録義務はない。
専任媒介契約
契約できる不動産は1社で、自分で買主を探すことも可能。不動産会社は売主に対して、2週間に1度以上は売却活動に関する報告を行わなければならない。また、不動産会社は媒介契約後7日以内に物件情報を指定流通機構(レインズ)に登録しなければならない。
一般媒介契約と異なり依頼した1社のみが売却活動を行うため、ほかの不動産会社で売却が成立してしまうことがない。そのため、比較的販売活動に注力してもらえる傾向があり、早く売却を進めたい方にはおすすめ。
専属専任媒介契約
契約できる不動産会社は1社で、自ら買主を探すことはできない。不動産会社は売主に対して、1週間に1度以上は売却活動に関する報告を行わなければならない。
また、媒介契約後5日以内に物件情報を指定流通機構(レインズ)に登録しなければならない。
不動産売却の方法が仲介・買取・個人売買のいずれの場合も、自分自身で周辺の取引相場を調べておきましょう。相場よりも低い金額で契約してしまうことを避けられたり、資金計画が立てやすくなったりします。
②売却活動(チラシなどの販促・内覧)
購入希望者を見つけるために、インターネット広告やチラシを使った販促活動や、希望者に内覧などを行います。
専任媒介契約・専属専任媒介契約の場合、指定流通機構(レインズ)に物件情報が登録されるため、依頼した不動産会社以外の顧客にも紹介されます。
居住中の場合、内覧には売主が立ち会うこととなっており、週末に内覧希望が入ることが多いため、一定期間週末の予定を開けておく必要があります。
すぐに購入希望者が見つからないこともあるため、3ヶ月程度はかかると考えておきましょう。
③売却(売買契約・引渡し)
購入希望者が現れたら、まずは「購入申込書」(「買付証明」ともいいます)が届きます。
価格や引渡し日などの諸条件を調整した後、売買契約を締結して不動産を引渡します。
不動産会社を仲介している場合、不動産会社が買主向けの重要事項説明書や売買契約書を作成します。契約日の前に草案を受取り、売買代金や手付金の額など契約条件に誤りがないか確認しておきましょう。
契約当日の流れは、以下の通りです。
【契約当日の流れ】
- 宅地建物取引士が買主に重要事項説明をする
- 売買契約書の読み合わせを行う
- 売買契約書に署名・捺印する
- 買主から手付金を受取る
- 不動産会社に仲介手数料(半額)を支払う
不動産の引渡しは、買主の住宅ローンの本審査が通過した後に行います。すぐに通過するとは限らないため、2か月程度かかると考えておきましょう。
引渡し日の流れも確認しておきましょう。
【引渡し日当日の流れ】
- 登記を代行する司法書士に必要書類を渡して所有権移転登記などを依頼する
- 買主から残代金を受領する
- 固定資産税や管理費・修繕積立金などを日割り精算する
- 鍵・関係書類の引渡し
- 不動産会社に仲介手数料の残金、司法書士に手数料を支払う
なお、引渡しの手続きの前に、売主と買主が現地で立ち会いの上、最終チェックを行うケースもあります。
また、法務局での実際の登記手続きは残代金の決済後に行われることが一般的です。そのため、引渡しの手続きは午前中に行われることが多くなります。
不動産売却の必要書類

不動産の売却には、さまざまな書類が必要になりますが、なかでも査定前後の段階で用意したほうが良い書類は主に下記の6種類です。
- 登記簿謄本
- 公図
- 土地の測量図または建物の図面
- 登記済権利証または登記識別情報
- 身分証明書
- 印鑑証明書
上記の書類は、不動産会社に来店して訪問査定を依頼する際にあると良いですが、Web上などで査定依頼する際は少なくとも依頼する段階では提出不要なことが多いです。
また、不動産の売却には、他にも用意しておくとプラスになるさまざまな書類があります。いざというときに「用意しておけばよかった…」と焦らないために、それぞれ書類を確認しておきましょう。
- 査定依頼の際に必要な書類
- 買主への引渡し時に必要な書類など
ここからは、査定依頼時・引渡し時に分けて、不動産の売却に必要な書類を紹介します。
査定依頼の際に必要な書類
不動産の査定を依頼する際に用意する書類には、以下のものがあります。
主に、不動産の広さや位置などを示す公的書類と、所有者を証明する書類です。
ただし、査定依頼の際は売主が用意しなくても不動産会社が用意してくれるケースがほとんどなため、万が一、書類が揃っていなくても査定依頼できないというわけではありません。
したがって、「用意しておくと良い書類」と判断しましょう。
【査定依頼の際に用意しておくと良い書類】※一例
- 登記簿謄(登記事項証明書)
- 購入時のパンフレットやリフォーム履歴が分かる書類
- 登記済権利証または登記識別情報
- インスペクションの結果報告書
また、室内のリフォーム履歴、インスペクションや建物診断の結果報告書などがあると、購入検討者に対しプラスの判断材料となります。
査定時に手元にある場合は用意しておきましょう。もし用意出来ない場合は、不動産会社にその旨を伝えれば取得方法を教えてくれたり、代理取得してもらえたりできますので、必ず用意しないといけないものではありません。 ただし、登記識別情報は不動産会社などの代理取得ができないため注意が必要です。
買主への引渡し時に必要な書類など
不動産を買主に引渡す際に用意する書類や必要物には、以下のものがあります。
【買主への引渡し時に必要な書類など】
- 売買代金を振り込むための銀行口座などの書類
- 抵当権等抹消書類
- 実印・印鑑証明書
- 鍵(居住していない場合)
- 物件引渡確認書
- 固定資産税・都市計画税納税通知書または固定資産税評価証明書
- 設備取扱説明書・保証書・アフターサービス規準書
- 管理規約などの書類(マンションの場合)
- 身分証明書
引渡し時は残代金の支払いを銀行にて振込で行います。高額振込の場合、2022年現在では身分証明書を銀行から求められることがあるので注意しましょう。
不動産売却にかかる費用・税金

不動産を売却する際には、以下のような費用や税金が発生します。 売却益から下記の費用を差し引いた金額が手元に残るお金になります。
- 仲介手数料
- 印紙税・抵当権抹消費用
- 譲渡所得税・住民税
- その他の費用
仲介手数料
仲介手数料とは、売主と買主の仲介業務を行った不動産会社にそれぞれ支払う報酬のことです。売買契約時に仲介手数料の50%を支払い、不動産の引渡し時に残りの50%を支払うことが一般的です。
仲介手数料は不動産会社が独自で設定できるもので、不動産会社によって金額は異なります。しかし、消費者の保護を目的として、宅地見物取引業法では仲介手数料の上限金額が定められています。
| 不動産の売却価格 | 仲介手数料 |
|---|---|
| 200万円以下の部分 | 売却価格×5%+消費税 |
| 200万円超~400万円以下の部分 | 売却価格×4%+消費税 |
| 400万円超の部分 | 売却価格×3%+消費税 |
(例)500万円で不動産を売却する場合の計算式は、以下の通りです。
仲介手数料=200万円×5%+200万円×4%+(500万-400万)×3%+消費税
より簡単な式で計算したい場合には、以下の速算式でも算出可能です。
| 不動産の売却価格 | 仲介手数料の速算式 |
|---|---|
| 200万円以下 | 売却価格×5%+消費税 |
| 200万円超~400万円以下 | 売却価格×4%+2万円+消費税 |
| 400万円超 | 売却価格×3%+6万円+消費税 |
(例)500万円で不動産を売却する場合の速算式は、以下の通りです。
仲介手数料=500万円×3%+6万円+消費税
印紙税・抵当権抹消費用
印紙税とは、契約書や領収書に課税される税金であり、課税対象の書類に収入印紙を貼って納税します。
税額は契約書に記載している金額によって変動しますが、平成26年4月1日から令和6年3月31日までに作成された契約書は軽減措置の対象になっています。
【印紙税の早見表】
| 契約書の記載金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
|---|---|---|
| 10万円超~50万円以下 | 400円 | 200円 |
| 50万円超~100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
| 100万円超~500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
| 500万円超~1,000万円以下 | 1,000円 | 5,000円 |
| 1,000万円超~5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
| 5,000万円超~1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
| 1億円超~5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
参考:国税庁
また、抵当権抹消費用とは、その名の通り、抵当権を抹消する際に発生する費用です。個人で手続きを行う場合、不動産1筆につき1,000円の登録免許税のみ発生します。司法書士に手続きを依頼する場合は手数料が発生しますが、登録免許税と手数料を合わせて1.5万円程度が相場です。
具体的な手続きとしては、売買代金で住宅ローンを完済した後、金融機関が発行する書類をもとに抵当権抹消登記申請書を作成し、法務局で抵当権抹消の手続きを行います。 法務局は平日にしか開いてないため、所有権移転登記と合わせて司法書士に依頼することが一般的です。
譲渡所得税
譲渡所得税とは、不動産を売却した際に得た利益にかかる所得税と住民税のことです。
譲渡所得税の計算式は、以下の通りです。
譲渡所得税=譲渡所得×税率
※譲渡所得に関しては、後述の「不動産売却時の確定申告と税金の控除」の章でくわしく解説しています
譲渡所得税の税率は、所有期間に応じて異なります。
| 種類 | 所有期間 | 税率 |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63%(所得税30%,復興特別所得税0.63%,住民税9%) |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315%(所得税15%,復興特別所得税0.315%,住民税5%) |
その他の費用
これまで紹介した費用以外にも、不動産売却には以下のような費用が発生します。
【その他の費用】
- ハウスクリーニング費用
内覧時の印象を良くするために行うクリーニングの費用。家の広さによって異なり、相場は3〜10万円程度。台所やお風呂などの水回りを中心にクリーニングしておくと印象が良くなる。 - 測量費用
土地の境界を明らかにするために行う測量の費用。所有している土地が官有地に隣接しているかどうかで異なり、相場は30〜80万円程度。 - 解体費用
建物を解体して、土地を更地にするときにかかる費用。構造や広さによって異なり、木造の場合は3〜6万円/坪、鉄骨造の場合は4〜6万円/坪、鉄筋コンクリート造の場合は5〜8万円/坪が相場。
【あわせて読みたい】
▶不動産売却でかかる税金とは?各種税金の違いも徹底解説
▶相続不動産を売却する際のポイント ・税金の軽減制度
不動産売却時の確定申告と税金の控除

不動産を売却して利益が出た場合、確定申告を行う必要があります。特別控除によって税金が軽減される場合があるため、確定申告の方法や流れ・税金の控除について理解しておきましょう。
課税譲渡所得の計算方法
課税譲渡所得は、不動産の売却によって得た利益のことです。
課税譲渡所得の計算式は、以下の通りです。
課税譲渡所得=売却価格-(取得費用+譲渡費用)
ちなみに、取得費用には購入時にかかった仲介手数料や登記費用などの諸費用、譲渡費用には仲介手数料や測量費などがあります。
特定の条件を満たす場合、特別控除と特例が適用され、さらに課税譲渡所得は低くなります。不動産に適用される特別控除・特例は、以下の通りです。
- 10年超所有軽減税率の特例
居住用の不動産を売却した際、所有期間が10年を超えていれば、長期譲渡所得税より低い税率が適用される特例。6,000万円以下の部分は14.21%で、6,000万円を越える部分は長期譲渡所得税率と同じ20.315%となる。 - 特定の居住用財産の買換え特例
新しく購入する住居の延べ床面積が50㎡以上、土地が500㎡以下の場合に適用される特例。譲渡所得税の納税を買い替え先の住居の売却時に繰り延べられる制度で、非課税になるわけではない。 - 3,000万円の特別控除
譲渡所得のうち最高3,000万円までの控除を受けられるというもの。相続によって取得した居住用の不動産や過去に住んでいた不動産・現在住んでいる不動産が対象になる。
なお、10年超所有軽減税率の特例と3,000万円の特別控除は、併用可能です。
確定申告の方法・流れ
不動産を売却した際の確定申告の流れは、以下の通りです。
- 確定申告に必要な書類を用意する
- 譲渡所得の内訳書に必要事項を記入する
- 分離課税用の確定申告書に必要事項を記入する
- 2月16日から3月15日までに税務署に書類を提出する
- 確定した所得税を納税する
確定申告書の提出方法は、以下の3つです。自分にとってやりやすい方法を選びましょう。
- e-Taxで送信する
「国税電子申告・納税システム」のことで、税務署に行かずに自宅から24時間いつでもインターネットで申告できる。利用には、「利用者識別番号」の取得が必要。青色申告の場合は節税効果もある。 - 住所地などの所轄税務署に郵送する
郵便ポストに投函するだけで完了するため、税務署に足を運ぶ余裕がない人におすすめ。 - 住所地などの所轄税務署の窓口で提出する
窓口で書類を確認してもらえるため、不備がないかその場で分かる。確定申告が初めてで不安という方におすすめ。
確定申告の必要書類
不動産を売却した際の確定申告で必要な書類には、以下のようなものがあります。
確定申告書B第一表・第二表
給与所得や雑所得だけでなく、すべての所得を対象とした申告書。税務署や市区町村の窓口・国税庁の公式サイトから入手できる。
確定申告書第三表(分離課税用の確定申告書)
譲渡所得は分離課税制度が採用されているため、分離課税用のものを使用する。税務署や市区町村の窓口・国税庁の公式サイトから入手できる。
譲渡所得の内訳書
不動産の売却価格や取得費用・譲渡費用が記載されている書類。不動産の売却時に国税庁より郵送される。
売買契約書
不動産の売買契約の内容を書面にしたもの。売買価格を確認する。
譲渡費用の領収書
売却のためにかかった仲介手数料や測量費などの費用の領収書。
リフォーム費用の領収書
リフォームや修繕にかかった費用の領収書。
不動産売却の注意点

不動産を売却する際、以下の2点に注意しましょう。
- 失敗しないために複数の不動産会社に査定を依頼する
- 契約不適合責任
失敗しないために複数の不動産会社に査定を依頼する
仲介・買取によって不動産を売却する場合、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。
同じ不動産であっても、査定価格は不動産会社によって異なります。複数の不動産会社に査定を依頼することで、納得感の高い売却活動が可能です。
先述のとおり、専任媒介契約や専属専任媒介契約は、契約できる不動産が1社に制限されています。
査定は複数社に依頼できますが、媒介契約を締結する不動産会社は慎重に選びましょう。
ちなみに、LIFULL HOME’Sでは、不動産の一括査定サービスを提供しています。必要な情報と連絡先を入力するだけで、3日以内に連絡が来るため、査定に手間と時間をかけたくない方はぜひ利用を検討してみてください。
また、「プライスマップ」では、地図上でマンションごとの参考価格をひと目で確認することができるため、マンションを売却したいという方が相場を把握するのに便利です。
他にも、過去に掲載された不動産情報を集積・統合してデータベース化した「不動産アーカイブ」といったサービスを提供しており、一括査定を申し込む前にある程度相場を把握したいという方におすすめの機能です。
契約不適合責任
「契約不適合責任」とは、不動産売買において、物件に欠陥や不具合があった場合に負う責任のことです。
住宅に本来備わっているべき品質や性能・機能が欠けていることを「瑕疵」といいます。
通常、契約時に既に発覚している瑕疵がある場合は、その旨を記載して契約を行うため、売主が責任を問われることはありません。
しかし、引渡し後に新たな瑕疵が発覚した場合は、買主から損害賠償を請求されたり、契約を解除されたりする可能性があります。
契約不適合責任が発生すると、買主は下記の5種類の請求をする権利を認められています。
- 追完請求(修繕の請求)
- 代金減額請求(値引きの請求)
- 催告解除(修繕を請求したが応じてもらえない場合、催告の上契約を解除できる)
- 無催告解(修繕が不可能な場合、催告なしで解除できる)
- 損害賠償請求(転売利益や営業利益などの履行利益の請求)
建物の構造部分、シロアリ被害、雨漏り、給排水管に関する瑕疵については、契約時には分からなかったとしても、売主は一定期間責任を負うことになります。シロアリの被害など気づきにくいものもあるため、念入りな確認が必要です。
自分で欠点を見つけ出すことが難しい場合は、建物状況調査を活用してプロに診断してもらいましょう。
不動産をより高額で売却するためのコツ

不動産をより高額で売却するためのコツを3つ紹介します。
- 高額売却のためには売るタイミングが大事
- 内覧時は掃除などで印象良く対応する
- 自己判断でリフォームしない
高額売却のためには売るタイミングが大事
不動産の売却価格には、売却タイミングが大きく影響します。同じ不動産であっても、売却するタイミングによって価格が変動するからです。不動産の相場が長期間右肩上がりの場合はまだ売るべきではなく、右肩下がりの場合は早く売る方が良いでしょう。
国土交通省が提供する土地総合情報システムで、必要情報を入力すると、実勢価格を確認できます。実勢価格とは、実際に市場で取引される価格のことです。売却したい不動産と条件が似ている不動産の実勢価格を確認して、相場を把握しましょう。
また、所有期間によって譲渡所得税などの税率が変わってくることにも注意しましょう。
取得してから5年前後で住み替えを考える場合、所有期間が5年を超えるかどうかで税率が約19%変わります。所有期間は登記簿謄本に記載された取得日と所有権移転の日付で計算されるため、確認しておくと良いでしょう。
内覧時は掃除などで印象良く対応する
購入希望者が現れたとしても、内覧時の印象が悪ければ契約につながりません。購入したいと思ってもらうためにも、内覧前に念入りな掃除を行っておきましょう。掃除には、以下のようなものがあります。
【内覧前の準備例】
- 台所や風呂場・トイレなどの水回りを念入りに掃除する
- 玄関を掃除する
- ベランダを掃除する
- 換気や排水溝の高圧洗浄などで臭い対策を行う
- 部屋を広く見せるために不用品を処分する、または預ける
- 明るい照明につけ替える など
- 余裕があれば観葉植物などを配置する
自己判断でリフォームしない
「早く買主を見つけたい」「高値で売りたい」という理由から、リフォームをしてから販売したいと考える方もいるでしょう。しかし、自己判断による大掛かりなリフォームはおすすめしません。
新築で理想の家を建てるよりも、中古物件をリフォームする方が費用を抑えられるという理由で、中古物件を購入してリフォームする人が増えています。買主はリフォームで自分の思い通りの空間を作りたいと考えていることもあり、売主が施したリフォームと趣味が合わない場合はかえってマイナスの印象になることも。また、リフォーム代を価格に上乗せしたことで、周辺の不動産より高くなり、売れにくくなる可能性もあります。
不動産を売却する際は、高額な費用が発生するリフォームを行わず、販売することがおすすめです。
するとしても、汚れた壁紙の交換程度にとどめておきましょう。
不動産売却に関するアンケート調査

不動産売却は決して容易なものではなく、さまざまな不安や後悔が生まれると思います。 LIFULL HOME'Sでは、周囲の人が不動産売却をどのように行ったか、体験談や後悔などをアンケート調査で明らかにしています。
ここからは、当サイト『住まいの売却データファイル』の不動産売却に関するアンケート結果をご紹介します。
- 一戸建てをどう売却した?仲介?買取?
- 「不動産売却時に調べたこと」トップ5 !
なお、『住まいの売却データファイル』では他にも不動産売却のアンケート調査データを豊富に掲載しています。今後の参考にぜひ活用ください。
一戸建てをどう売却した?仲介?買取?

※参考:一戸建ての売却実態からひもとく成功の秘訣(住まいの売却データファイル)
一戸建ての売却方法で最も多かったのは、「不動産会社の買取」の27.9%という結果になりました。これは4分の1以上の人が、不動産会社による「仲介」ではなく不動産会社に直接買い取ってもらったということになります。
不動産会社の買取は仲介より早く売れるというメリットがありますが、価格が相場の7〜8割ほどにまで落ちてしまうという大きなデメリットも忘れてはいけません。
買取が選択されるケースは、長期間にわたって売れなかった場合や需要の低い立地にあって買い手がつきそうもないとき、あるいは古くて需要が見込めないときなどです。
当アンケートでは築40年以上の一戸建てが4分の1以上のため、建物の古さを理由に買い取りを選択した人が一定数いると考えられます。
ただし、買取は売却金額が落ちてしまう背景もあるため、できる限り「仲介」で高く売るのがおすすめです。
古い一戸建てでも、解体やリノベーションによって価値を向上させることで、「仲介」による売却も見込めます。地域の需要を調査しない段階で「買取」を選択することはせず、売却方法を含めてまずは不動産会社の見解を聞きましょう。
「不動産売却時に調べたこと」トップ5 !

※参考:「不動産売却時に調べたこと」ランキング! 家を売るとき知っておくべきこととは?(住まいの売却データファイル)
ランキング第1位は、「売却金額の相場などの価格情報」の36.6%となりました。売却時に「いくらで売れるか」というのは当然気になるところだと思います。
とくに昨今では、新型コロナウィルス感染拡大の影響によって不動産相場の変動が大きい時期のため、気になる方が多いのではないでしょうか。
また、2位である「売却までに必要な手続き・手順」の33.5%、5位である「媒介契約に関する情報」の19.5%と、売り方に関する情報もランクインしています。
他には、3位である「売却時にかかる税金などの費用」の29.7%、4位である「仲介手数料などに関する情報」の29.1%と、不動産売却にかかる税金や諸費用に関するものでした。
売却手続きや費用に関しては、物件や所有者、状況によって異なるというのが正直なところです。だからこその調査結果であると考えられますが、調べて得た知識を自分の状況にあてはめることはなかなか難しいといえます。
そのため、本来であればなんでも相談できる不動産会社・担当者を見極めるための知識や、方法を調べましょう。
まとめ
一口に不動産売却といっても、仲介や買取・個人売買など売却方法はさまざまです。売却価格や売却までの期間・費用などが異なるため、特徴を理解したうえでどの方法を採用するか検討してください。
また、一般的な仲介で売却する場合でも、媒介契約の種類によってどのような差があるのかを把握しておきましょう。
不動産を売却するのであれば、特別控除や特例についても確認しておくことをお勧めします。適用条件を満たしていれば大きな節税効果を期待できるため、後悔しないためにも該当するか確認することが重要です。
本記事で紹介した注意点や高額で不動産を売却するコツを参考にして、納得のいく不動産売却を行いましょう。
記事監修
馬場 美里(ばば みさと)
在学中に宅地建物取引士(当時は宅地建物取引主任者)の資格を取得。大学卒業後、不動産仲介業務に従事し、マンション・一戸建て・土地などの売買を経験。実務経験をもとに不動産の売却査定に関する問題解決を得意とする。不動産会社からのオファーのほか、数々のポータルサイトでコラムの執筆経験もあり。