対象決済金額は約6.9兆円、還元額は約2,830億円

2019年10月1日の消費税率引上げに伴い、需要平準化対策として実施されたキャッシュレス・ポイント還元事業。消費者の利便性の向上と、事業者の生産性向上などの効果が期待されており、経済産業省では、消費税率引上げ後の9ヶ月間に限り、中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元を支援してきた。2020年6月末日で終了となるキャッシュレス・ポイント還元事業を振り返ってみたい。

2020年6月1日、経済産業省はキャッシュレス・ポイント還元事業に関する直近の状況を公表した。登録加盟店数は、2020年6月1日時点で約115万店。開始当初の10月での加盟店舗数約50万店舗から倍以上に増えたこととなる。店舗の内訳は、5%還元対象の中小・小規模事業者(個店)の登録数が約105万店(約91%)、2%還元対象のフランチャイズチェーン(コンビニ以外)の登録数が約5.2万店(約5%)、コンビニの登録数が約5.5万店(約5%)であった。

人口1人当たりの加盟店数を都道府県別に多い順で見てみると、東京13.2店(加盟店数 店舗/千人)、石川 13.0店、京都 12.2店、沖縄 12.1店となっている。

利用状況は、2019年10月1日~2020年3月9日までの対象決済金額は約6.9兆円、還元額は約2,830億円だった。なお、対象決済金額にしめる各決済手段の内訳は、クレジットカードが約4.4兆円(約64%)と最も割合が大きく、QRコードが約0.5兆円(約7%)、その他電子マネーなどが約2.0兆円(約29%)という結果となった。

【ポイント還元事業】店舗の種類別の登録状況と利用状況<br>出典:経済産業省ウェブサイト<br>https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200601005/20200601005.html【ポイント還元事業】店舗の種類別の登録状況と利用状況
出典:経済産業省ウェブサイト
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200601005/20200601005.html

還元対象となるのは?

キャッシュレス・ポイント還元事業では、そもそもどういった支払いが還元対象となるのだろうか。

「キャッシュレス」といっても、経済産業省が掲げるキャッシュレス・ビジョンにおいての定義は「物理的な現金(紙幣・硬貨)を使用しなくても活動できる状態」を指すとしており、対象は「クレジットカード」、「電子マネー」、「デビットカード」、スマートフォンを使った「QRコード」など多種多様。今月末まであと少しの期間があるので、あらためて自身の決済で何が対象となっているのかを振り返ってみよう。

まずは対象となる店舗かどうかだが、経済産業省の赤いキャッシュレスのマークがついたポスターの掲示などで確認することができる。店頭のポスター、もしくは、地図アプリやホームページからも確認が可能だ。中小・小規模の店舗は主に5%の還元だが、フランチャイズチェーン店、ガソリンスタンドなどは2%の還元となる。対象となる決済方法も各店で異なるので、確認しておきたい。

https://map.cashless.go.jp/search

キャッシュレス・ポイント還元事業の対象となる店舗<br>
出典:経済産業省 キャッシュレス・ポイント還元事業(キャッシュレス・消費者還元事業)消費者向け説明資料<br>https://cashless.go.jp/assets/doc/consumer_introduction.pdfキャッシュレス・ポイント還元事業の対象となる店舗
出典:経済産業省 キャッシュレス・ポイント還元事業(キャッシュレス・消費者還元事業)消費者向け説明資料
https://cashless.go.jp/assets/doc/consumer_introduction.pdf

還元方法は各社異なるので要確認

そして、還元方法や還元タイミングだが、こちらも決済手段により異なり、主に4つのパターンに分かれる。

○後日、まとめてポイント付与。※電子マネーやクレジットカードなど
楽天カードは楽天スーパーポイントで還元、オリコカードはオリコポイント・提携先独自ポイントで還元される。PASMOはPASMOキャッシュレス還元ポイント、SuicaはJRE POINTでの還元となる。PASMO、SuicaともにWEBサイトに事前登録が必要。

○後日、口座引き落としの際にポイント相当額を請求額から相殺。※クレジットカードなど
イオンカード、dカード、セゾンカード、JCBカード、アメリカン・エキスプレス・カードなどが引き落とし相殺で還元している。

○後日、口座にポイント相当額を振込。※デビットカードなど

○購入時にその場で、即時還元。※コンビニなど一部店舗
コンビニなどは主に購入時にその場で即時還元される。レシートに「キャッシュレス還元」の表記があるか確認してみよう。

各決済手段ごとの詳細情報は、各決済方法ごとの特設ページで確認が可能だ。特設ページでは主に還元方法、還元タイミング、還元の上限額などを確認することができる。

対象決済方法の確認方法
■クレジットカード/デビットカード検索ページ

https://business.cashless.go.jp/cardcheck/input

■電子マネー/QRコード等の検索ページ
https://cashless.go.jp/consumer/non-bin-settlement-company-typeA.html

主要なキャッシュレス決済サービスの、還元方法、上限設定、特設サイトのURLは経済産業省の参考資料に記載されているので、気になる人はこちらも確認してみるといいだろう。

https://cashless.go.jp/assets/doc/consumer_introduction.pdf

ポイントの還元方法について
<br>出典:経済産業省 キャッシュレス・ポイント還元事業(キャッシュレス・消費者還元事業)消費者向け説明資料<br>https://cashless.go.jp/assets/doc/consumer_introduction.pdfポイントの還元方法について
出典:経済産業省 キャッシュレス・ポイント還元事業(キャッシュレス・消費者還元事業)消費者向け説明資料
https://cashless.go.jp/assets/doc/consumer_introduction.pdf

さらなる普及促進に向けて

キャッシュレス決済の定着は進むのか。新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の推進の観点からもキャッシュレス決済の普及は期待されているキャッシュレス決済の定着は進むのか。新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の推進の観点からもキャッシュレス決済の普及は期待されている

経済産業省は、キャッシュレス・ポイント還元事業終了後も、キャッシュレス決済の普及を推進するため、課題や対応策の検討会を開催するとしている。ポイント還元事業の対象決済のうち、約6割が1,000円以下、平均単価は2,000円強の買い物であることから、少額決済でのキャッシュレス利用が浸透しつつあると考えられる。しかし、中小店舗にとっては、加盟店手数料の負担が重いことや、売上入金サイクルが長いことなど、いくつかの課題が存在しており、検討会で新たな対応を進める方針だ。

厚生労働省が発表した新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」では、買い物において「電子決済の利用」が実践例としてあげられた。ポイント還元は6月末で終了するが、キャッシュレス決済が定着し、今度も普及し続けるかを見守りたい。

2020年 06月11日 11時05分