インターネットカフェなどを利用する住居喪失者は、約4,000人と推計

定住する住居を持たず、インターネットカフェなどに宿泊する人が、東京都に1日約4,000人いると見られることがわかった。東京都は、昼夜滞在可能なインターネットカフェや漫画喫茶、サウナなどで寝泊りしながら不安定就労に従事する、住居喪失不安定就労者の実態を調査。2018年1月26日に発表した。

調査によれば、東京都の平日1日あたりのオールナイト利用者は、約15,300人と推計され、常連と考えられる人は約5,100人。かつ、住居を持たない人は前述の通り約4,000人、さらに、そのうち不安定就労者は約3,000人いるとみられる。
(東京都「住居喪失不安定就労者等の実態に関する調査」では、労働形態が派遣労働者、契約社員、パート・アルバイトに該当する人を不安定就労者している)
オールナイト利用の理由は、「現在旅行(または出張)中であり、宿がわりに利用」が最も多く37.1%、次いで多いのが「現在「住居」がなく、寝泊りするために利用」(=住居喪失者) 25.8%であった。

オールナイトの利用の頻度については、「月に1日未満」が21.8%と一番多いものの、日常的な利用であると思われる「週5日以上」が14%、「週3~4日程度」が20.5%となっており、合算すると3割を占めている。
2007年8月、厚生労働省が「住居喪失不安定就労者の実態に関する調査」を発表、東京都による同様の調査は今回が初となる。

住居喪失不安定就労者等の推計値。東京都「住居喪失不安定就労者等の実態に関する調査」を参照して作成住居喪失不安定就労者等の推計値。東京都「住居喪失不安定就労者等の実態に関する調査」を参照して作成

仕事を辞めたことが原因で住居を失った人が過半数

続いて、住居喪失不安定就労者の属性を見てみよう。オールナイト利用者の全体で見ると、20~30代の人の割合が大きく、以降年代が上がるにつれて減っていく。だが、住居喪失者と、住居喪失不安定就労はそれとは異なり、30代と50代の割合が大きい。
住居を失っている人の属性を調査したところ、9割以上が「男性」、「30~39歳」が38.6%、次に「50~59歳」が28.9%。労働形態別では、「派遣労働者」は「30~39歳」が多く、「パート・アルバイト」は「50~59歳」が最も多いという結果となった。

住居喪失の主な理由については、「仕事を辞めて家賃等を払えなくなった(なりそうな)ため」が32.9%、「仕事を辞めて寮や住み込み先を出た(出ることになりそうな)ため」21.0%と、仕事を辞めたことで同時に住居を失った人が過半数であることが分かる。その次に、「家族との関係が悪く、居を出た(出ることになりそうな)ため」という回答も13.3%あった。

住居喪失不安定就労者等の年齢別人数。東京都「住居喪失不安定就労者等の実態に関する調査」を参照して作成住居喪失不安定就労者等の年齢別人数。東京都「住居喪失不安定就労者等の実態に関する調査」を参照して作成

住居確保にあたっての問題は初期費用

調査では、住居を確保するにあたっての問題点についても聞いている。現在、住居を確保することについて「住居を確保したいが、具体的な活動・努力(貯蓄など)はしていない」と回答した人が最も多く47.4%、「住居を確保したいと思わない」という人も24.5%いる。だが、問題点として「住居入居初期費用(敷金等)の貯蓄の難しさ」と回答する人が62.8%と最も多く、次に「住居入居後に家賃を払い続けられる安定収入がない」が33.3%、「入居保証人の確保の難しさ」30.9%と続く。

調査対象者の86.5%が「仕事をしている」のに関わらず、住居喪失不安定就労者の平均月収は約12万円であることから、住居を確保したくとも、生活費のやりくりだけで精いっぱいで、初期費用の貯蓄が難しい状況にあると思われる。
求職や転職の阻害要因について訪ねた結果は、「日払いでないと生活費が続かない」が31.1%が最も多くあげられている。次いで、「求人条件の年齢があわない」26.4%、「現在、履歴書に書く住所がない」23.4%であった。
住居がない、就職活動をしようにも履歴書に書ける住所がない、初期費用を貯蓄しようにもできず、現在の状況から抜け出しにくい実態がみえる。

住居確保にあたっての問題。東京都「住居喪失不安定就労者等の実態に関する調査」を参照して作成住居確保にあたっての問題。東京都「住居喪失不安定就労者等の実態に関する調査」を参照して作成

住居喪失期間が長期化する人も

住居がなくなってからの期間は、最近から10年以上とばらつきがある。労働形態別でみると、派遣労働者は「1ヶ月~3ヶ月未満」と短期である人が最も多いのに対して、パート・アルバイトの人は「5年~10年未満」が2割ほどと、住居を失って長期間経過した人が多い。

東京都は、厚生労働省が「住居喪失不安定就労者の実態に関する調査」を発表した翌年、住まいを失った方への相談支援などを行うTOKYOチャレンジネットを設置。TOKYOチャレンジネットのサポート対象は、東京都内に直近6ヶ月以上継続して生活をしており、現時点で住居(自己保有・賃貸等)がない人だ。東京都は、今後この調査結果を、TOKYOチャレンジネットの施策の参考として活用するとしている。

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2018年 03月19日 11時06分