ふるさと納税の受入額は対前年度同期比約3.9倍

総務省 自治税務局市町村税課は、2015年10月に「ふるさと納税に関する現況調査結果」を発表した。政府の最重点課題である「地方創生」を推進するため、ふるさと納税制度の拡充制度が2015年4月1日に実施された。今回の調査は、そのふるさと納税枠の倍増と、ふるさと納税ワンストップ特例制度の効果などを把握するため行われた。

2008年の開始から8年が経ち、年々人気を集める「ふるさと納税」。2015年上半期の結果はどうだったのだろうか?

まずは、ふるさと納税の受入れ額と受入れ件数から見てみよう。平成27年度上半期(4月~9月)の実績は、約453.6億円。対前年度同期比で約3.9倍と、大きく増加した。受入れ件数は約228万件で、約3.7倍。平成26年度の389億円を、すでに上半期で超える結果となった。
ふるさと納税の受入れ額および受入れ件数が増加した主な理由として、受け入れ団体の回答で最も多かったのは「返礼品の充実」が732団体で41%、次いで「収納環境整備(クレジット納付、電子申請の受付等)」が287団体で16%となった。

大幅に増加したふるさと納税。最も受入れ額が多かった地方団体はどこだったのだろうか?

ふるさと納税に関する現況調査より<br>ふるさと納税の受入額及び受入件数(全国計)の推移ふるさと納税に関する現況調査より
ふるさと納税の受入額及び受入件数(全国計)の推移

最も受入額が多かった都道府県は山形県 地方団体は宮崎県都城市

都道府県別で上位3位を見ると、受入れ額が最も多かったのは山形県で50億円(受入れ件数28万9千件)、次いで北海道 42億円(受入れ件数26万8千件)、長野県が35億円(受入れ件数16万1千件)となった。

地方団体別の上位10位は下記の結果となった。

1位 宮崎県都城市 13億3千万円 101,792件
2位 山形県天童市 12億2千万円 74,245件
3位 長野県飯山市  9億6千万円 43,632件
4位 長崎県平戸市  9億4千万円 22,345件
5位 山形県米沢市  8億5千万円 16,053件
6位 島根県浜田市  7億9千万円 45,862件
7位 静岡県焼津市  7億5千万円 35,312件
8位 岡山県備前市  7億1千万円 8,106件
9位 福岡県久留米市 6億4千万円 10,636件
10位 京都府京丹後市 6億1千万円 310件

1位の宮城県都城市は、平成26年度の9位から大幅に上昇した。平成26年度の受入れ額5億円と比較すると、上半期で倍以上の受入れ額に増加している。都城市は肉用牛、豚、ブロイラーの産出額が全国1位、焼酎の霧島酒造がある。そういった地域の特性を生かした魅力ある返礼品を揃え、クレジット決済にも対応するなどの取り組みにより1位になったのであろう。

地方団体からのふるさと納税制度についての意見は、「ふるさと納税制度を活用することで、自治体のPRが可能となる制度であると考えている」が668団体(37.4%)、「特産品等を返礼品とすることで、地域や地域産業の発展につながる制度であると考えている」403団体(22.5%)、「ふるさと納税制度を活用することで、観光客の呼び込み等につながるなど、人的交流につながる制度であると考えている」309団体(17.3%)となった。だが、年々豪華さを増す返礼品については、「返礼品送付の競争となっている現状を懸念している」286団体(16.0%)との声もあった。

ふるさと納税の効果は?

具体的に地方自治体は、ふるさと納税をどういったことに活用しているのだろうか?
「ふるさと納税を活用して実施した(する)事業による効果について」より、一部を抜粋した。

・ふるさと納税を財源に実施した移住促進事業において、来訪者が平成25年度に比べ年間40組70人増え、延べ滞在日数が1,638日増えた。
・地元産米のブランドイメージが向上した。ふるさと納税をした方の購入につながり、生産者の意欲の向上につながった。
・ふるさと納税を財源としたお祭りに約17,500人の来場があった。経済波及効果も約15.4億円であった。
・ふるさと納税業務の増加により、市では臨時職員を1名、特産品提携企業では3名ほど新規雇用をしており、雇用創出効果があった。

具体的に移住促進に効果があったり、イメージアップに繋がったりと、ふるさと納税の効果を実感しているようである。

豪華な返礼品につい目が行ってしまうが、その後、自治体がどのように事業に生かしているのかについても、ぜひ注目したい。総務省はふるさと納税ポータルサイト「ピックアップ!ふるさと納税」で、ふるさと納税を活用した事業について紹介している。こういった取り組みの内容から、納税先を選択するという方法もある。納税と返礼品の受領、それだけで完結してしまうのではなく、その地方の取り組みや今後の事業の展開を見守ることもその地方を応援することのひとつとなるであろう。

ふるさと納税の際、税収を元に実施する事業を自分で選択できる地方自治体もある。<br>その後、税収がどのように活用されていくのかについても注目したいふるさと納税の際、税収を元に実施する事業を自分で選択できる地方自治体もある。
その後、税収がどのように活用されていくのかについても注目したい

調査概要

<ふるさと納税に関する現況調査について>
ふるさと納税の直近の実績、平成27年度改正による制度拡充(ふるさと納税枠の倍増、ワンストップ特例制度の創設)の効果等を把握するため、調査を実施(平成27年9月30日時点の状況について調査)

対象:全ての地方団体(1,788団体)(都道府県(47団体)、市区町村(1,741団体)
調査期間:平成27年9月2日~10月7日

配信元ページを見る

2016年 03月30日 11時06分