賃貸物件の賃料、条件、設備などから市区町村を分析紹介

物件を探すとき、多くの人が2つの入り口から入る。1つは鉄道の沿線から探し始め、もうひとつが市区町村などのエリアから探し始めるのではないだろうか。沿線と駅から賃貸物件を探す場合は、最も重視するポイントは目的駅からの距離と家賃だろう。だがエリアで探す人の場合、単純に家賃だけで物件を探すのではなく、物件があるエリアそのものの傾向も気になるところだ。

そこで本連載では、単なる家賃相場だけではなく、どういった間取りの物件がどのくらい出てくるエリアなのか、また敷金や礼金の設定、賃貸条件(保証人不要、2人入居可、など)の設定、水回り設備(バス・トイレ別、システムキッチン、温水洗浄便座など)や光ファイバーや駐輪場ありなどといったものの設備などがどうなっているかを、分析する。

まずは首都圏、愛知県、京阪神、福岡県といった広いエリアをまとめた分析データを紹介。その後1つ1つの市区町村ごとに、分析データを紹介していく予定だ。広いエリアの平均値と市区町村ごとのデータを比較することで、それぞれの市区町村の特徴や傾向もより分かりやすくなる。例えばその市区町村の間取り帯ごとの平均賃料は、首都圏や京阪神などの大きなエリアの平均と比べることで、そもそも家賃が高めなのか安めなのかも確認することができる。そして水回りの設備などの装備率も確認することで、やっぱりマンションしかないのか、アパートでもいいのかなど、物件を検討する上での参考材料なるだろう。

エリアの傾向を見ながら探していけば、より希望のタイプの物件が見つかりやすいのではないだろうか。 なおマンションとアパートでは、一般的に構造の違いや住宅設備のグレードの違いなどもあり、似たような立地であっても賃料帯が変わることが多い。よって本連載では分けて集計し紹介していく。また便宜上本連載では、ワンルーム物件と1K物件と1DK物件を「シングル向き」とし、1LDK物件と2K物件、そして2DK物件を「カップル向き」、2LDK以上の物件を「ファミリー向き」とする。

なお、平均面積や平均築年数、敷金礼金や水回り設備については、続きで掲載するその②を是非読んでいただきたい。

首都圏はどんな間取り構成になっているか アパート

2015年4月にHOME'Sに掲載された賃貸物件のうち、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の一都三県(首都圏、以下同)の物件は、アパートは約77万物件、マンションが約108万物件だった。多少マンションのほうが多い。

そのうちアパートの間取り別の内訳を見てみると、ワンルームが約10%、1Kが約36%、1DKで約4%となっており、おおよそ半数がシングル向きの間取りとなっている。

そしてカップル向きとした間取りである、1LDKが約13%、2Kが約4%、2DKが約15%となっており、おおよそ3割がカップル向きということになる。

単体で数が多い間取り帯は、1位が1K、2位が2DK。3位が1LDK、4位が僅差で2LDKだった。そもそも探しやすい間取り、探しにくい間取りがあるということを頭に入れておくといいだろう。

2015年4月 HOME'S掲載データ2015年4月 HOME'S掲載データ

首都圏はどんな間取り構成になっているか マンション

アパートより多く掲載されるマンションだが、その間取り構成はシングル向きはアパートと似た構成になっている。ワンルームが約12%、1Kが約33%、1DKで約6%となっており、アパート同様におおよそ半数がシングル向きとなっていることが分かる。

カップル向きの間取りでは、1LDKが約12%、2Kが約2%、2DKが約10%となっており、合計で25%に達しておらず、アパートよりも割合が少ない。

その上のファミリー向きである、2LDKが約11%、3DKが約6%、3LDKが約8%となっており、合計で約25%に達している。

なおリビングが付くタイプの間取りで比較すると、アパートでは1LDKが約13%、2LDKが約15%、3LDKが約1%で合計約29%。マンションでは1LDKが約12%、2LDKが約11%、3LDKが約8%で合計31%で、わずかにマンションのほうが上回った。

2015年4月 HOME'S掲載データ2015年4月 HOME'S掲載データ

LDKタイプは家賃は高い

次に賃料コストを見ていきたい。HOME'Sでは月額賃料だけでなく管理費や敷金、礼金も集計をしているので、本連載では、通例2年間の賃貸契約をすると仮定して2年間の総コストをシミュレーションしてみた。月額平均賃料に平均共益費・管理費を足し、さらに平均敷金と平均礼金を24(2年間)で割ったものを足して、月当たりの賃料コスト総額とした。

いくつかの傾向が見えるが、首都圏の相場通りアパートよりマンションのほうが賃料コストが高く、間取りの部屋数の増加に伴って高くなってくる。

しかし棒グラフを良く見てほしい。棒が突き抜けて高い箇所が4箇所あるのが見て取れる。これは、マンションの1LDK、2LDK、3LDK、4LDKのところだ。1LDKアパートの約9万円に対しマンションは15万円弱。2LDKアパートの約8万円に対し、マンションは約13.5万円、3LDKアパートの9万円強に対し、マンションは14万円強、そして4LDKアパートの約14万円に対しマンションは約25万円と、いずれもマンションのほうが大変高くなっている。

実はこの傾向は、平均面積と平均築年数を見ることで説明がつく。 


【集計概要】
調査実施:HOME'S PRESS データ担当
調査対象:HOME'Sに掲載された賃貸物件(マンション、アパート)
       マンション=鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、
             プレキャストコンクリート工法等の耐火構造の共同住宅
       アパート =軽量鉄骨造、木造の共同住宅
調査期間:各月の15日時点
調査方法:調査時点で公開されている物件を元に算出

2015年4月 HOME'S掲載データ2015年4月 HOME'S掲載データ

2015年 06月02日 11時07分