カスタマイズしたワクワク感のある賃貸ルームが、愛着を生み長期の入居につながる

マンションを所有する、株式会社キャムの越水隆裕さん。退去後のDIY、また入居者と賃貸オーナーが一緒に行うDIYで部屋の魅力を高め、安定した賃貸経営に結び付けているマンションを所有する、株式会社キャムの越水隆裕さん。退去後のDIY、また入居者と賃貸オーナーが一緒に行うDIYで部屋の魅力を高め、安定した賃貸経営に結び付けている

建築後年数が経てば経つほど、客付けが難しくなり、家賃を下げても入居者が決まらないことが多くなる賃貸住宅。建物や部屋の競争力を高めること、また維持することに頭を悩ませている賃貸オーナーも大勢いることだろう。
そんな中、安定した賃貸経営を行っているのが、賃貸住宅を所有する株式会社キャム。退去後の部屋のDIYのほか、「Custom Your Room Project:カスタム・ユア・ルーム・プロジェクト」と命名した、入居者と賃貸オーナーが部屋を一緒につくり上げる取り組みが好評だ。

「部屋のカスタマイズを始めたのは2013年からです。元々は、長く住んでずっと家賃を払ってくださっている入居者様に何かしてあげたい、長く住んでいただきたいと考え、更新時のプレゼントとして始めたDIYでした」と、株式会社キャムの越水隆裕さん。

DIYでは、クロスのカラーリング、ワイングラスホルダーの設置、キッチンの面材のシート張り替え、大掛かりなものでは板張りの壁への変更などを行った。特にクロスのカラーリングは好評で、入居者獲得に効果があったと言う。
「手を加えた部屋は、家にこだわりをお持ちの方に喜ばれますね。最初に私たちの部屋を見学され、その後20部屋以上内見して『この部屋が忘れられなかった』と、入居を決めてくださった方もいます」

空き部屋が出た時、また更新時などにDIYを行うことで、新規の入居者募集時には3千円ほど家賃をアップさせていると言う越水さん。今年3月にも4部屋退去があったものの、全部屋すぐに入居が決まったそうだ。

「ビーチスタイル」をテーマに部屋をカスタマイズ。難しい作業はプロがアシスト

およそ2年半前から、この部屋で暮らしているSさんご夫妻。近々お子さんが生まれることから広い部屋への住み替えを考えたそうだが、マンションのお洒落な雰囲気、交通の便の良さなどを考慮し、契約を更新した。
マンションオーナーの越水さんと会う機会も多く、「板張りの壁にしてみたい」という会話から今回のDIYの話がトントン拍子で進んだという。

DIYのテーマは、ご夫妻の好きな「ビーチスタイル」。壁に杉板を張り、その上から白く塗装するという作業だ。費用はすべてオーナーである越水さんが負担する。
「住んでいてより楽しい気分になれる家にしたいと考えました。板張りの壁は、堅苦しくないお洒落が楽しめると思うんです」とSさん。

作業はプロがリードし、一緒に行ってくれるので安心だ。コンセントまわりなどの加工が難しい部分はプロが手早く美しく仕上げてくれる。
「楽しいし、ワクワクしますね」と、DIYを楽しまれている様子が、Sさんの笑顔から伝わってくる。縦1列に2分割と3分割の板を混ぜ、板の長さを変えることでランダム感を創出。また、塗装した時の味わいを演出するために、板と板の間に若干の隙間をつくりながら張っていくのもポイントだ。

左上/反り返りを防ぐために、杉板の裏に接着剤を塗ってから打ち付ける 右上/釘打ちも行う。時間が経つに連れて徐々にリズミカルになってきた 右下/手が届きにくい場所などはプロが作業を行う 左下/杉板を張り終えたところ。翌日塗装を行った左上/反り返りを防ぐために、杉板の裏に接着剤を塗ってから打ち付ける 右上/釘打ちも行う。時間が経つに連れて徐々にリズミカルになってきた 右下/手が届きにくい場所などはプロが作業を行う 左下/杉板を張り終えたところ。翌日塗装を行った

「魅力ある部屋を提供するのがオーナーの仕事」。時にはプロの技を借りて部屋の完成度を高め、魅力をアップ

2日間かけて、作業が完了した。ひとつの木からご夫妻、両家のご両親用と3つ手づくりした、結婚式の想い出が詰まった時計を早速壁に飾った。
「毎日がより楽しくなると思います。これからは、シーリングファンライトを取り付けて、より理想の部屋に近づけたいですね」と、この部屋での暮らしに夢を膨らませるSさん。

「コルクボードの打ち付け、ビスの使用などはまったく問題ありませんし、部屋を壊さなければ何をやっていただいても構いません。暮らしを楽しむためのDIYは大歓迎ですし、入居者様にもお伝えしています」と越水さん。ただ、大掛かりなDIYにはルールを設けている。

「この部屋はいかがですかと提案するのがオーナーの仕事。完全に入居者様のDIYにしてしまうと、その方が退去された時に、次の入居者の客付けが難しくなることが考えられます。時には、時間とお金をかけて修復が必要になることもあるでしょう。
ですから、DIYとはいえ、大掛かりなものはオーナーの立ち会いのもとでプロと入居者様が一緒に作業を行い、あくまでプロの技術で『住みたいと思える部屋』に仕上げてもらっています。工賃や材料代を負担しても、次の入居者獲得に役立っていると感じています。
また、工事はスピード感が大事です。今回2日かかりましたが、プロがいなければ倍の時間がかかるでしょう。それは入居者様にも大きなストレスになってしまいます」

入居者と一緒に作業をすることは、円滑なコミュニケーションにも役立っている。
「コミュニケーションが取れている入居者様は、たいてい部屋を大切に扱ってくださいます。退去時に傷んだ部屋になることを防ぐためにも、コミュニケーションが大切だと実感しています」

釘を打つと言っても、下地が木材、コンクリート、石膏ボードなどにより、工程や道具が異なる。入居者に任せてしまうと危険な場合もあるだろう。その点オーナーの立ち会いのもと、プロと一緒に行う「フルアシスト付きDIY」なら安心だ。
入居者獲得、入居者の早期退去、家賃下落などに頭を悩ませている賃貸オーナーは、コストを抑えながら競争力アップが期待できるDIYや、さらに「フルアシスト付きDIY」を検討してみてはいかがだろうか。

取材協力:株式会社キャム https://www.facebook.com/hiro.koshimizu.771

左上/塗料を塗る入居者のSさん。もともとDIYに興味があったそうだ 右上/DIY前の壁。普通の白いクロスが張ってある状態 右下/杉板を張り、塗料で白く塗り上げて完成。インテリアのアクセントになり、味わいが感じられる壁になった 左下/早速大切な時計を飾り付け。手を加えた部屋で、より楽しい毎日を送れることだろう左上/塗料を塗る入居者のSさん。もともとDIYに興味があったそうだ 右上/DIY前の壁。普通の白いクロスが張ってある状態 右下/杉板を張り、塗料で白く塗り上げて完成。インテリアのアクセントになり、味わいが感じられる壁になった 左下/早速大切な時計を飾り付け。手を加えた部屋で、より楽しい毎日を送れることだろう

2016年 06月02日 11時06分