住居の選び方によって学生生活、そして両親の経済状態が大きく変化する

株式会社アメニティジョイハウス代表取締役 田脇宗城氏。同社は2000年に設立。現在はアパート建築と管理をメイン業務とし、千葉県を中心に数千戸のアパート管理を行っている株式会社アメニティジョイハウス代表取締役 田脇宗城氏。同社は2000年に設立。現在はアパート建築と管理をメイン業務とし、千葉県を中心に数千戸のアパート管理を行っている

4月から新生活が始まる学生の中には、見知らぬ街で生活をする期待と同時に不安を感じている人も多いだろう。それは送り出す側の両親も同じはず。
土地勘のない場所で生活するうえで要となるのは住居だ。この選び方によって学生生活、そして仕送りをする両親の経済状態が大きく変化する。
独り暮らしをする学生にとって、その住まいの多くはアパートとなるだろう。充実した学生生活を送るためのアパートの選び方とは? 日本大学や千葉工業大学など複数の大学キャンパスがある千葉県習志野市に拠点を置き、アパートの建築・管理を行う株式会社アメニティジョイハウス代表取締役 田脇宗城氏にその秘訣を聞いた。

学校と飲食店、アルバイト先、遊び場の距離感が最重要

オートロック機能の付いたエントランス。最近は木造アパートであってもオートロックが設置された物件が増えている(画像提供:アメニティジョイハウス)オートロック機能の付いたエントランス。最近は木造アパートであってもオートロックが設置された物件が増えている(画像提供:アメニティジョイハウス)

―学生に向いたアパートの条件は?
「まず学生が生活するうえで必須となるのは飲食店、アルバイト先、遊び場になります。この3つが学校とアパートの間にあることが理想でしょう。さらにアパートから徒歩圏にコンビニがあれば申し分ありません。
ただしその距離感には注意が必要です。学校よりもアルバイト先や遊び場などの繁華街があまりに近いと、講義に出ないことが多くなる可能性が高くなります。一方で極端に学校に近いと友人たちのたまり場になりがちです。都心か地方かによって具体的な距離は変わりますが、どちらからも程良く離れた物件を選んだ方がいいと思います。
また、学生は自転車や原付バイクで移動することが多いので、駐輪所のあるアパートを選ぶべきでしょう。地方の物件にはほとんどありますが、都心ではないケースもあります。
さらに女子学生の場合は、安心のためにもオートロック付きの物件をおすすめします。最近は木造アパートでもオートロック付きの物件が増えています」

築10年ごとに大きな家賃差が生じる

2点ユニットのバスルーム例。バスタブと洗面台が同じスペースにあるので、やや人気が低く、家賃も低めになる傾向がある(画像提供:アメニティジョイハウス)2点ユニットのバスルーム例。バスタブと洗面台が同じスペースにあるので、やや人気が低く、家賃も低めになる傾向がある(画像提供:アメニティジョイハウス)

―最近の学生が選ぶアパートの傾向は?
「学生さんが選ぶといっても、最終的には家賃を支払う親御さんが決めるパターンがほとんどです。とはいえ以前は学生さんが望むということで、とにかく新築の物件が人気でした。しかし、長い不況のために最近は、たとえ家賃3,000円程度の差でも古い物件が選ばれる傾向があります。
築年数による家賃の差は、築10年前後と20年前後で大きく出ます。新築に比べて10年で約1割、20年で約2割家賃が安くなるのです。
築10年(2005年)前後の特徴は、お風呂と洗面台が同じスペースにある2点ユニットになることです。これは最近の新築ではほとんど見当たりません。
築20年(1995年)前後の特徴は、お風呂と洗面台、トイレが同じスペースにある3点ユニットになります。
最近の親御さんと学生さんの会話を聞いていると、親御さんは3点ユニットでもいいから安い方にしてほしいのに、学生さんが嫌がり、結局2点ユニットの物件に落ち着くというパターンが多いようです」

独立した洗面化粧台、ウォークインクローゼットとテレビドアホンが定番人気

宅配ボックスの例。宅配ボックスは留守でも荷物の受け取りができるので、学生に限らず独り暮らしをする人からのニーズが高まっている(画像提供:アメニティジョイハウス)宅配ボックスの例。宅配ボックスは留守でも荷物の受け取りができるので、学生に限らず独り暮らしをする人からのニーズが高まっている(画像提供:アメニティジョイハウス)

―最近人気の設備は?
「先ほど申し上げたようにお風呂とは別のスペースにある洗面化粧台が人気です。お風呂と一緒だと歯磨きをするときなどに、毎回靴下が濡れないか気を使うからでしょう。
ほかにはウォークインクローゼットとテレビドアホンが定番人気です。
それから最近目立つのは宅配ボックスを欲しがる学生さんです。実家から食料品が送られてきたときや、インターネット通販で買い物をする機会が増えているので便利なのでしょう」

―特に女子学生に人気の設備はありますか?
「やはりオートロックですね。それと同じく防犯上の不安から部屋干し用の金物と浴室乾燥機のニーズが高いようです」

学生は距離感、親は家賃を吟味することが失敗しないコツ

学生に人気な間取り例。居室が8畳以上あり、ウォークインクローゼット付き。洗面台とお風呂が別になっている(資料提供:アメニティジョイハウス)学生に人気な間取り例。居室が8畳以上あり、ウォークインクローゼット付き。洗面台とお風呂が別になっている(資料提供:アメニティジョイハウス)

―最後に学生に多いアパート選びの失敗例と対策を教えてください。
「最初にもお話しましたが、学校とアルバイト先などの繁華街の距離感によって引っ越しをするケースが多々あります。特に地方で多いのですが、できるだけ学校に近い方が楽だろうと部屋を決めたところ、コンビニをはじめあまりに何もない。そこで駅近に移るのです。
そのほかにありがちなのが、親御さんの経済的な理由で引っ越しをするケースです。たとえ毎月5000円の家賃差でも1年間で6万円、4年間で24万円です。家庭によってはきついでしょう。だから家賃に関しては「少し無理をする」よりも「少し余裕がある」方がいいと思います。最初に学生さんの方は安い家賃の物件を嫌がるかもしれませんが、住んでしまうと慣れるものです。2点ユニットでも体はきれいにできますし、日当たりが悪くても日中は部屋にいません。
学生は距離感、親御さんは家賃。この2点を吟味すればアパート選びで失敗することは、あまりないと思います」

取材協力:株式会社アメニティジョイハウス
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2015年 03月03日 11時08分