最優秀賞を獲得したのは、ゴージャスな"名古屋嬢"を表現した作品

「若くてフレッシュな女性に住んでもらいたい」とイメージして設計された「魅惑の名古屋嬢~小悪魔room~」「若くてフレッシュな女性に住んでもらいたい」とイメージして設計された「魅惑の名古屋嬢~小悪魔room~」

レオパレス21×名古屋モード学園×サンゲツの産学連携コンテストについて連続してお伝えしてきたが、今回は、最優秀賞を獲得した「妖艶なる名古屋嬢~秘密の花園~/魅惑の名古屋嬢~小悪魔room~」の部屋にお邪魔してみた。

※産学連携コンテストについては前回までの記事を参考にしてほしい。

まず、ネーミングからして、一体どんな部屋になっているのか、想像もつかない人がほとんどではないだろうか。"名古屋嬢"とは、ロングヘアを縦巻きカールした名古屋生まれ、名古屋育ちのゴージャスなお嬢様。今回のコンテストのテーマとして「名古屋らしい部屋」というものがあげられていたので、この発想は、なるほどという感じなのだが、それをどう表現しているのかワクワクしながら見に行った。"秘密の花園"と"小悪魔room"の2提案のうち、"小悪魔"バージョンを採用し、施工をしているというその部屋の全貌はいかに・・・。


ゴージャスな女性の象徴である「マリリン・モンロー」を大胆に!

壁に描かれるのは、マリリン・モンローの名言。一文字ずつ切り抜いた文字のシールを、図面通りの位置になるようにパソコンでチェックしながら貼っていく壁に描かれるのは、マリリン・モンローの名言。一文字ずつ切り抜いた文字のシールを、図面通りの位置になるようにパソコンでチェックしながら貼っていく

訪れたのは、名古屋市西区の「レオパレスRX庄内通り」の一室。
キリン柄をモチーフにした鮮やかなグリーンの壁がインパクト大!
図面を見せてもらうと、さらに印象的なのは扉に描かれたマリリン・モンローの顔!ゴージャスだけどかわいらしい女性といえばマリリン・モンローということで、デザインに取り入れたのだそう。壁面には、モンローの名言をちりばめようと、パソコンで顔と名言を印刷し、1.5mほどある大判のシールシートに転写。それをカッターで切り抜いていくという細かい作業を事前に終え、この日はそれを壁に貼っていく作業に取り掛かっていた。一人がパソコンの展開図で的確な位置を指示し、もう一人が文字を一文字ずつ貼り付けていく。その後ろでは、マリリン・モンローの顔を扉に貼り付ける作業が進行中。限られた時間の中で装飾を完了させるため、テキパキと作業をこなしていく学生たち。

一時間ほどで作業は終了し、見事完成にこぎつけたところで、改めて学生たちに話を聞いてみた。

遊び心だけではない、ターゲットを見据えたデザインが受賞の理由

この作品を手掛けたのは、インテリア学科の学生4人。
「住まいって、どうしても控えめな色やデザインが多いと思うんです。でも、だれも見たことがない、やらないであろうものを作ってみようという話になって」(牧田藍さん)
「こんな機会をいただいたのだから、思い切って極端なデザインにしてしまおう!とみんなで考えました」(松浦佐和子さん)
と、あえて"住宅らしくない"内装にこだわってみたという。
もともとは真っ白だった約25m2の1Kが、これだけゴージャスに生まれ変わるとは驚きだ。デザインの奇抜さだけではなく、女性が住む部屋をイメージし、アクセサリーをかけるフックや、大きな鏡、雑貨やかわいい化粧品の瓶などを飾れるようにと飾り棚を設置。あったら嬉しいと思うものを取り入れて、実用的な面もしっかりと踏まえているのも好評価だったのではないだろうか。
「どんな部屋にしたいか」という作り手側の欲求だけでなく、「こういうものがあったら嬉しい」とか「こういう部屋に住みたい」という住まい手側の目線を取り入れた設計は、実際の現場でも求められていくと、レオパレス21の藤澤貴裕さんは話す。
素材を提供したサンゲツ中部支社インテリアデザイン課の伊藤真理子さんは、「独りよがりのデザインではなく、現実的でもあり夢もある、そんなデザインに惹かれました」と話していた。

写真左:この部屋の一番の目玉となるモンローの顔を扉に貼っていく。少しでもずれると顔の表情が変わってしまうため、注意を払いながら慎重に作業を進めていく。写真右:「金色を使う」という今回のもう一つのテーマに沿って、金縁の鏡を設置しその周りに飾り棚をしつらえる写真左:この部屋の一番の目玉となるモンローの顔を扉に貼っていく。少しでもずれると顔の表情が変わってしまうため、注意を払いながら慎重に作業を進めていく。写真右:「金色を使う」という今回のもう一つのテーマに沿って、金縁の鏡を設置しその周りに飾り棚をしつらえる

規制を飛び越えた創造力には、新しいカスタマイズの可能性も。

「長年この仕事をしていると、現実的な部分ばかりに目が行きがちですが、今回の学生さんたちの作品を拝見して、忘れかけていた感覚を思い出させてもらった気がします」と、サンゲツの伊藤さん。
床材は壁面には使えないなど最小限の注意点だけを伝え、あとは学生たちの自由な発想に任せることにしたというが、期待を大きく上回るデザインに感心したという。
賃貸物件の場合、どの年齢層でも男女関係なく受け入れられるよう、スタンダードな仕様になっていることが多いが、伊藤さんたちのようなプロでも、「たまには冒険してみたい」という気持ちになることもあるそう。「学生さんたちが、そんな私たちの望みを叶えてくれたような気持ちです。規制や固定概念を飛び越えて、新たなオリジナルを作り出す、学生さんたちの創造力に驚きました」と伊藤さん。
クロス壁紙、クッションフロア、カーペットなど、賃貸物件に内装材を提供しているサンゲツ。カラーバリエーションを取りそろえ、入居者が部分的にカスタマイズできる物件も増えている昨今、「今回の学生さんたちの提案は、こういう部屋に住みたいという一つのニーズ。弊社でも営業材料として賃貸向けに提案していけるものになると思います」とのこと。シンプルな部屋は確かに住みやすいが、こだわりのある自分好みの部屋には愛着がわき、長期間住んでもらうことで空室回避にもなるという、ワンランク上のカスタマイズとしての可能性もあるということだ。

最優秀賞を受賞したインテリア学科のチーム。左から市川晋太郎さん、牧田藍さん、松浦佐和子さん、飯島鳩美さん最優秀賞を受賞したインテリア学科のチーム。左から市川晋太郎さん、牧田藍さん、松浦佐和子さん、飯島鳩美さん

学生のアイデア、次は大阪で花開く!?

今回のコラボ企画を振り返って
「ファッションデザインやヘアメイクの学科であれば、ファッションショーやヘアメイクショーがプレゼンの場であったりすると思いますが、住宅系になるとそういう発表の機会というのはなかなかない。こうして実際の物件を使ってデザインを表現させてもらえるというのは、とても貴重な経験だったと思います」と、名古屋モード学園の柴田英貴さん。

家具家電付き物件を主力として、新築物件を含めた全国約16万戸に壁紙や内装に自由度をもたせた「お部屋カスタマイズ」を提供しているレオパレス21では、今回デザインを手掛けた学生のように、来年から社会人となる人をターゲットとしているだけに、彼らが設計した「自分たちが住みたい部屋」というのは、「とても参考になりましたし、優秀賞のグラビティ・ゼロの部屋と同じくこちらも一般公開しますので、お客様の反応が楽しみです」とレオパレスセンター名古屋駅前店長の藤澤貴裕さん。

学生の若いアイデアに触れる事で企業側には新しい提案が生まれ、学生にとっては学校というフィールドではできないことが学べるという、両者にとってメリットが大きかった今回の産学連携コラボ企画。次は大阪モード学園との連携で開催されるという。「大阪らしさ」全開の部屋がテーマとなるわけだが、果たしてどんな部屋が登場するのか。名古屋では受賞作のほかに「味噌煮込みうどん」という部屋もあったくらいだから、大阪では「たこ焼き」や「お好み焼き」といった部屋も登場するのだろうか?期待が膨らむ。



【取材協力】
レオパレス21
http://www.leopalace21.com/
名古屋モード学園
http://www.mode.ac.jp/nagoya/
サンゲツ
http://www.sangetsu.co.jp/

2015年 01月08日 11時27分