屋根付き、オートロック内の駐車場に各種ツールを備えたメンテナンスコーナーも

共用部分に用意されたツール類。大きなものも多く、確かに自室には置けない共用部分に用意されたツール類。大きなものも多く、確かに自室には置けない

バイクでの移動に便利な国道246沿いの街三軒茶屋の、商店街を抜けてすぐの場所にある女子学生会館がライダーズマンションに生まれ変わった。もともとの建物は築45年という古い、古いが故に玄関前に広い、今の感覚からすると無駄なスペースのある物件。そこを活かして作られたのは屋根付きの屋外バイク置き場だ。エントランスにはオートロックがあるため、屋外とはいえ、誰かが入ってきていたずらする危険はない。しかも、バイク置き場の料金は賃料に込み。別途借りることを考えると手間いらずだ。

もっと安全な場所に置きたいという人には室内にも駐車スペースが賃料プラス3000円で7区画用意されている。ここにはヘルメットその他の道具類を置く棚も用意されており、スペースが空いていれば2台、3台と置くことも可能。置く場所さえあれば、2台目、3台目が欲しいというライダーにはうれしい限りだ。

整備やカスタマイズに役にたちそうなのが玄関を入ったところにあるメンテナンススペース。賃貸住まいでは大きすぎて個人では所有しにくいガレージツールが用意されており、入居者なら自由に利用できる。思うままに愛車をいじる時間が楽しめるわけだ。

また、4階にはマフラーその他のパーツ類など、室内に置いておくには大きすぎるものの、外にも置けないという品のための倉庫も用意されており、ここは鍵付き。管理担当者に連絡しないと開けてもらえないので安全だ。

バイク雑誌1300冊にジャズ、コーヒー、大画面テレビのある共用スペースも魅力

雑誌類の置かれた居心地のいいライブラリースペース。1950年代のジャスが流れている雑誌類の置かれた居心地のいいライブラリースペース。1950年代のジャスが流れている

賃貸マンションではあるが、シェアハウスのような共用スペースも設けられている。それが玄関を入ったところにある、メンテナンスコーナーに続くライブラリースペース。ここには1300冊を越すバイクや車、自転車、クラシックカーその他、趣味の雑誌が置かれている。大画面テレビではバイクレースの映像が流されており、カウンターにはコーヒーマシンも。1950年代のジャズが流れる空間はちょっとしたシティホテルのラウンジのようで、居心地が良い。

「バイクやメカが好きなら、つい立ち寄りたくなる空間を作ることで入居者間に会話が生まれてくれることを想定しています」というのは同物件を管理するジョイント・プロパティの岩瀬信夫さん。自身も無類のバイク好きで、共用部に置かれているイタリア製バイクは私物というほど。「これまでのライダーズマンションはハードとしてのバイクを楽しむことに主眼が置かれていましたが、ここではバイクを通じた人間関係、人の繋がりのある物件を目指しています。一人で黙々と整備するより、仲間同士、あーだ、こーだ言いながらやるほうが楽しいはずで、バイクの楽しみも深まるだろうと思っています」。

趣味でつながるコミュニティの居心地の良さ

入居者の初顔合わせパーティー。初というのに、大盛り上がり入居者の初顔合わせパーティー。初というのに、大盛り上がり

実際、取材時、入居者と岩瀬さんは仲間同士のようにバイク販売店に営業に行く話(!)をしており、すでにコミュニティが生まれつつあることを感じた。岩瀬さんは入居希望者全員と面接をしているそうで「周辺と音問題でトラブルを起こしたくないので、ルールを守っていただける方かどうかを見極めてから入居いただこうと、1時間ほどの面接を実施しています。でも、30分くらいはバイクの話をしていますね」。企画、管理担当者も含めてバイクが好きな人ばかりが集まっているわけだから、仲良くなるのも当然ということだろう。

その真骨頂を見たのは、始めて行われたという入居者の顔合わせパーティーだった。それぞれ館内ではなんとなく顔を合わせていただけという入居者同士が、何に乗っているんですか?から始まり、あっという間に仲良くなるのである。そのテンポの良さ、会話の弾み方は部外者には不思議なほど。「どのジャンルの趣味人よりも、バイク乗りは簡単に友達になれる、垣根のひくい人種なんです」という岩瀬さんの言葉は本当なのだろう。

バイクにはベストな空間だが、室内にはちょっと難も

専有面積は14m2から。部屋の位置によって形が少しずつ違い、見え方も異なる専有面積は14m2から。部屋の位置によって形が少しずつ違い、見え方も異なる

といっても、マイナス面がないわけではない。古い建物のため、部屋は14m2台とあまり広くはないし、バストイレは3点ユニット。収納も多くはない。洗濯機置き場はないが、建物内に安価で利用できるランドリーがある。そうした住戸のマイナス点を除けば、三軒茶屋駅からは4分と近く、夜道は明るい。商店街の中には深夜遅くまでやっている、手頃な価格の飲食店も多く、単身者には住みやすい。銭湯も近くにある。

また、単身のバイク乗り以外なら、ここをセカンドハウスにするという手も考えられる。我が家にガレージはなく、道具を置くスペースもない上に、家族にはいい顔をされないけれど、バイクが好きという人であれば、セカンドハウスとして借りてバイクとの時間を楽しむ、そんな使い方もあろう。その場合なら、狭い室内もビジネスホテルと割り切れば良いと思う。最近は、リタイアした人たちが再度バイクに乗るようになったという例を聞くし、女性のライダーも増えているという。バイク置き場付き物件で悩んだら、ここを思い出して見ても良いと思う。

ちなみに賃料は8万5000円~で、共益費、バイク置き場の料金を含む。周辺のワンルームマンションの相場は6~7万円というところ。これを高いと思うか、安いと思うかは、その人次第だろう。


■関連リンク
シルバーストーン三軒茶屋(ひつじ不動産内)

2014年 06月12日 10時58分