単なるショールームではなく、「くらし方」提案空間であるパナソニックセンター大阪

昨年7月にリニューアルされた、パナソニックセンター大阪。これがなかなか面白い。取材に行くまでは「住設機器も取り扱う家電メーカーのショールーム」、良くも悪くもそのような印象だった。リニューアル以前に何度か立ち寄ったことがある。家電を中心とした商品紹介のスペース、いわゆる「垢抜けたショールーム」であった。

ところがこの度見学したところ、雰囲気は一変し、「くらし方」の提案にシフトした空間へと生まれ変わっていた。コンセプトは「リライフ」だ。

様々な「くらし方」を見ることができるパナソニックセンター大阪。画像は「猫カフェ in 我が家」様々な「くらし方」を見ることができるパナソニックセンター大阪。画像は「猫カフェ in 我が家」

何かしたい。でも何をすればいいのかわからない……。そんな人にオススメな空間

パナソニックセンター大阪があるのはJR大阪駅北のグランフロント南館。地下1階から2階までの3フロアにまたがっている。地下1階は、キッチン・バス・照明・内装・エクステリア等の設備等を見て選べる「Living Floor」。新築やリフォームが決まった人が工務店やハウスメーカーの人と一緒に品定めに行く、そんなショールーム。機能や素材感を確かめながら商品を選ぶことができる。具体的なプランのある人や、インテリアが好きな人には楽しい空間だが、そうでない人は敷居が高い。そう考える人が注目したいのは1階、2階だ。

自宅を新築したり、リフォーム、リノベーションして快適な空間にしたいと思っている人は多い。むしろ「したくない」と思っている人の方が少ない。どのような人でも多かれ少なかれ自宅への不満や新築、リフォーム等への憧れがある。とはいえ詳細なイメージまで持っている人は少なく、漠然としたモヤモヤとした「何かしたい」という思いに悩む。そんな人に訪れて欲しいのが1階、2階の「Re-life Floor」。ここでは13種類ものくらし方、「リライフコレクション」を体験できる。

様々な「ストーリー」は見ているだけで楽しい。画像は「サンルームのある家」様々な「ストーリー」は見ているだけで楽しい。画像は「サンルームのある家」

桐島かれんさんの住まいは「自分だけのミュージアム」

トークショーで話す桐島かれんさん。日々の生活を語る姿がとても楽しそうであったのが印象的トークショーで話す桐島かれんさん。日々の生活を語る姿がとても楽しそうであったのが印象的

その「Re-life Floor」2階で1月15日(日)に、モデルであり女優であり4人の子供の母でもある桐島かれんさんのトークショーが行われた。どのようなくらし方をしたいのか?自分らしい夢や想いを形にし実現するには?のヒントがあった。

現在、ライフクラフトブランド「ハウスオブロータス」のクリエィティブディレクターもつとめる桐島さん。29歳から12年間は「家庭と仕事の両立は難しい」という理由でモデル活動などを休止、子育てに専念していた。家にいた時間に「自分のいる空間は自分の好きにしたい」という気持ちが起き、家の中のことに力を入れるようになったという。

特にキッチンでの時間には、思うところも多かった。一人暮らしのアパートの不自由さに嫌気がさし20代後半で古家を購入し壁一面をレンガ張りにするなどしていたこだわり屋であり「物件オタク」だった桐島さん。この期間が、様々なアイデアを育んだ。例えばキッチン。食材をしまうパントリーが欲しい、アイロンがけできるランドリーも近くに欲しい、など。そしてその一つ一つを形にしていった。

そんな子育て専念の「家にいた時間が宝」となり、別荘である葉山の古民家では中国・モロッコ・インドなど世界各地の素材や雑貨等を使用して夫と一緒に1年以上かけてリノベーションを行ったり、毎月のように海外で気に入った品物を探したり、ついには自分でブランドを立ち上げるまでに至った。そんな経験に裏打ちされた桐島さんの「生活空間は自分にとってのミュージアム」「好きなものだけに目にしたい」という言葉は印象的であり、また、そのように暮らしを実現できれば素敵な人生だ、とも思えた。先に書いた、漠然としたモヤモヤとした「何かしたい」という思いは、生活空間を自分にとってのミュージアムにすることであるといっても良いであろう。

「ミュージアム」とは博物館、美術館のこと。単にモノがたくさん並んでいるのではなく、文化的で価値あるものがテーマ性を持って蓄積されている空間。ではどのような部屋が自分や家族にとっての「ミュージアム」なのか。そのヒントとなるのが「リライフコレクション」だ。

リフォームで見る、13のストーリー

キーワードを聞いただけでも、ワクワクする。「古民家」「プチ隠居」「猫カフェ」「ホームエステ」「町屋造り」「サンルーム」「秘密基地」。嫌味な言い方をすれば、どれもありがちなキーワードだとも言える。しかし裏を返せば「ありがち」というのはファンが多いということだ。それらのキーワードが、全て具体的な間取りとなり、設備や機材や雑貨がコ−ディネートされている。それを見るだけでも楽しいが、さらに興味深いのがその一つ一つにストーリーが作られていること、実現するためのサポートが提示されていることだ。

ストーリーはWebサイトに掲載されているものを参照してほしい。ある家族、夫婦がどのようなことに悩み、どのような夢を持ち、どのようにそれを実現したのかが記載されている。こちらは、パナソニックセンター大阪を訪れる前に目を通しておくことをお勧めする。そうすれば、展示をより楽しめることができるであろう。

「どのように実現したのか」を追体験できるのはコンシェルジュサービス。リフォーム、不動産、シニアライフサポート、ファイナンシャルプラン、くらし情報の五つのコンシェルジュデスクがあり、各プランごとにどのデスクでどのようなことを相談すれば良いかが示されている。「何をどうしていいのかわからない」という人にはもってこいのサービス。もちろん記載されているままに相談せずとも、参考にするにとどめて必要な部分だけ利用してもいいであろう。

展示が用意されているのは13パターン。順次入替が行われており、リニューアルオープン時に「わが家を、オトナの溜まり場に」というテーマで展示されていたスペースは現在、桐島かれんさんの監修した「毎日の営みを愉しむ、生活のアトリエ」となっている。「何度も打ち合わせ、試行錯誤して作った予想以上のもの」というだけあってなかなかの出来栄えであった。

Webサイトから入手できる冊子「Re-Life Story」では25種類のストーリーを読むことができる。このストーリーは既に100種類以上作成されており、今後冊子やWeb、新たな展示などで提案されていくという。100も用意されていれば、もはや「ありがち」と言えない。現在展示のある「さあ、民泊まりフォーム!」などはタイムリーであり、かつ、今までの「工務店さんと商品選びのために訪れるショールーム」では決して見ることができなかったものだと思う。

「淡路島や琵琶湖でプチ隠居」というストーリーのリフォーム。具体的な描写が面白い「淡路島や琵琶湖でプチ隠居」というストーリーのリフォーム。具体的な描写が面白い

「自分らしい住まい」の一歩は「見ること」から

そんなオシャレな空間、桐島かれんさんのような生活がすぐにできるの?そんな問いに対して彼女はこう答えた。
「知恵を振り絞る、拝借する。ショールームやインテリア本を見ているうちにわかってくる」。

自宅を、好きなもので囲まれたミュージアムに。そんな夢のある方、一度足を運んでみてはどうだろうか。住まいを自分らしく変えていく、子供が巣立つ、親の介護などで生活が変化するタイミングでアップデートしたい、そんな風に語る彼女を見て、多くの人がこのように変化をポジティブにとらえることができれば豊かで楽しい生活が送れる、そんな気持ちになった。


取材協力
パナソニックセンター大阪 リライフストーリー
http://www.panasonic.com/jp/corporate/center/osaka/re-life_story/dream.html
※「毎日の営みを愉しむ、生活のアトリエ。」は、2017年2月26日(日)クローズ予定です。

桐島かれんさん監修のこの空間は「毎日の営みを愉しむ、生活のアトリエ」桐島かれんさん監修のこの空間は「毎日の営みを愉しむ、生活のアトリエ」

2017年 02月22日 11時06分