春。シロアリだって新しいことを始めたい!?
進入学、入社・・・4月は我々日本人にとって節目の時期であり、暖かな気候も手伝うのか、筆者は毎年この時期になると何か新しいことを始めたくなってしまうのだが、実は、シロアリにとっても春は新しいスタートを切る季節なのだ。
彼らにとっての新しいスタート。
それは「新しい家族を作ること」。
シロアリたちが新しい家族を作って我が家に被害がもたらされてしまう前に、飛んでくる羽アリはどういった生き物なのか?被害が出た場合の対策方法とは?
薬剤の種類、薬剤効果期間、期間切れ後はどうなるかなど、シロアリ対策のホントとウソについて2回に渡ってお伝えしていきたい。
シロアリと羽アリ、一緒?別物??
新しい家族を作るための活動は、まず「羽アリ」という形となって現れる。
「羽アリ」と「シロアリ」、呼称も見た目も違うため別物だと思っている方も少なくないが、二つは家族内の役割が異なるだけ。多少の語弊もあるが、わかりやすく表現するならば、羽アリとは『パートナーを作り、繁殖するために出ているシロアリ』だと思っていただきたい。
羽アリとなって飛び出す理由は「巣別れ」のためで、目的は種を残し、繁栄させていくこと。その際、羽根を付けて飛び立つ方がより遠くへの移動が可能になるからか、働きアリが巣別れを行うのではなく、次世代の王・女王となる羽アリがその役割を担うこととなる。
基本的には、家族の規模がある程度成熟してから巣別れは起こる。
つまり、もし自宅から羽アリが群れを成して飛び出してきたとすれば、その家には昨日今日シロアリがやってきたのではなく、数年前からその家に生息していたことになる。生息していたということは、生きていくために食べ物が当然必要となるので、羽アリが出てきた家からはシロアリの食害がまず間違いなく見つかる。
羽アリは家族の1割も満たないと言われており、残りの9割の働きアリや兵隊アリは、床下や地中で生活を続けている。
「羽アリが出た時はビックリしたけれど、最近見なくなったのでホッとした」と言われる方もいるが、羽アリが出なくなってもシロアリがいなくなったわけではないので、必ず対策を講じて頂きたい。
種類によって異なる羽アリ
羽アリが出てくるにはいくつかの条件がある。
条件が揃った時に短時間で出るため、運悪くそのタイミングを見逃すとシロアリ被害に気付くことができず、知らないうちに自宅の被害が進行してしまうことも少なくない。
羽アリの出やすい条件は下記の通りなので、
この春、是非チェックして頂きたい。
【ヤマトシロアリの羽アリ】
・4~6月
・雨降りの翌日で、晴れた蒸し暑い日
・午前~正午
・あまり風が吹いていない日
【イエシロアリの羽アリ】
・6~7月
・夕方
ヤマトシロアリとイエシロアリでは羽アリの容姿が異なるが、どちらも「シロアリ」という名前であっても、働きアリのように「白い虫」ではないことを覚えておいてほしい。
また、馴染みあるクロアリも羽アリとなるので、見かけた虫がシロアリなのか違うのか、区別できると慌てずに済むかもしれない。
自宅を加害されると厄介なシロアリ。
次回は自宅を守るための対策方法、薬剤、保証について述べていきたい。
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