名住宅は発見されるのを待っている

建物、特に住宅は古くなると価値がなくなっていくと考えている人が多いかもしれない。だが、その歴史や希少性、物語性などから価値を持ち続けていたり、あるいは価値が増している"名住宅"もある。

そうした名住宅は過去にも多くあったが、その大半は解体されてしまう例が多い。公共の建物と違い、住宅は私的な暮らしのための建物であるから、価値があることが知られていないということも一因だろう。隠れた名住宅が、人々に知られる機会がなく、日本中に数多く存在している可能性がある。

そんな中でも、価値を感じる方に発見され、継承された名住宅の例がある。
例えば、日本初の女性建築家である浜口ミホ設計の住宅は売却される直前に発見され、「住宅遺産トラスト」の支えで建築作品としての価値を理解する方に住宅として継承された。
軽井沢の吉村順三の建築作品であるハーモニーハウスは、老朽化して取り壊しも検討されていた際に「軽井沢総合研究所」によって用途をカフェに変えて継承されている。

ここに挙げた「住宅遺産トラスト」「軽井沢総合研究所」はどちらも一般の方々が参加し、協力したプロジェクトである。名住宅の発見と継承は、一見難しそうに見えても機会があれば、誰でも参加できる取組みなのだ。

本特集では、名住宅が発見され、継承された事例の記事をピックアップした(残念ながら解体されてしまった事例もある)。
当事者自身が名住宅であると感じた建築作品を、時代に合わせて手を加えることで蘇らせたり、用途を変えて活用し価値の再発見に繋げたりと、その継承の形は多様だ。
あなたの近くでも、隠れた名住宅が発見され継承されるのを待っているかもしれない。

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「名住宅を発見し、継承する」
~中銀カプセルタワービル・浜口ミホ設計の住宅の事例から~
https://www.homes.co.jp/cont/press/info/info_00026/

公開日:

ホームズ君

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