2026年6月9日、東京都港区は、マンションに関する相談を一括で受け付ける「マンション総合窓口」を開設した。
【今回ピックアップするニュース】
港区 マンションのあらゆる相談に対応!「マンション総合窓口」を設置
「マンション再生」を後押し
分譲・賃貸を問わず幅広い相談に対応し、内容に応じて所管部署や専門家へつなぐことで、建替えや大規模修繕、敷地売却などの「マンション再生」を後押しする。併せて、改修・建替え・敷地売却など再生手法の進め方を整理した「マンション再生の手引き」を作成。過去の事例も参照しながらマンションの今後の方向性を検討できる内容で、港区ホームページで閲覧できるほか、区内の老朽化マンションには2026年8月に配布される予定だ。
【関連リンク】
港区マンション再生の手引き
背景にあるのはマンション世帯の増加と高経年化
港区では大規模再開発によるタワーマンション供給が相次いでおり、共同住宅に暮らす世帯が約9割を占める(※1)。その一方で、既存マンションの老朽化が進み、築40年を超えるマンションのストックは23区内最多の3万5583戸に(※2)。“華やかなタワマンの街”というイメージが強い港区だが、実際には築古マンションの維持・再生という大きな地域課題を抱えているのだ。
※1:港区ホームページ/老朽化マンションに対する支援より
https://www.city.minato.tokyo.jp/documents/112733/20250328113428.pdf
※2 東京カンテイ資料 全国の分譲マンションストック戸数より
https://www.kantei.ne.jp/wp-content/uploads/2025/02/121karitsu-stock.pdf
高経年マンションの再生で立ちはだかる課題
築古マンションの再生が難しい理由は、躯体の老朽化だけではない。建替えや大規模修繕を進めるには、区分所有者の合意形成、工事費の確保、将来の方針決定など、複数のハードルを越える必要がある。また、近年は資材価格の高騰も重なり、修繕工事の負担感が増大。港区によると「負担が大きくて判断できない」「建替えの話し合いが進まない」「どの助成制度を使えるか分からない」「組合の役員のなり手が見つからない」といった相談が多く寄せられているという。同窓口ではそうした住民の悩みを総合的に受け止める。
マンション購入の際には価格や間取りだけでなく「将来の姿」にも注目を
今回の港区の取り組みは、既にマンションを所有している人に限らず、マンション購入を検討している人に対しても課題を投げかけている。これから物件を選ぶ際には、価格や立地、間取りだけでなく、その物件の将来の姿にも目を向けること。長期修繕計画の有無や修繕積立金の過不足、管理組合が機能しているか、大規模修繕や建替えを健全に話し合える環境があるかといった点は、“将来にわたって安心して住み続けられるマンションかどうか”を見極める重要な判断材料になるだろう。
福岡由美のマンションニュースピックアップについて
住宅ジャーナリストの福岡由美が、マンションに関わる方なら知っておくべきという観点でニュースを厳選し、豊富な経験に基づくコメントとともに伝えるコーナー。マンション業界関係者やマンション所有者はもちろん、マンションに関心がある人にとって、重要な動きを理解できるほか、新たな視点を得ることができるはずだ。






